2005年11月20日

第9回タイトル:「製造間接 費の世界へレッツラゴー!4」5

★ 絶対勝つ!!簿記検定試験!■第009号 2005.11月18日
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第9回タイトル:「製造間接 費の世界へレッツラゴー!4」
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★ 目 次

1. ごあいさつ
2. ちょっと固いんじゃない
3. あとがき
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(1)ごあいさつ
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 今日は、工業簿記や原価計算のお勉強についてお話しします。
かくも偉そうに語っているわたくしですが、なにを隠そう、工業簿記や
原価計算は本当に苦手でした。
典型的文系人間で、暗記に近いもので勉強をしていたので、論理的に考える
アタマを持っていなかったのでしょう。
 とにかく、工業簿記をマスターするには、工業簿記の勘定連絡図と
原価の流れを頭に入れてしまうことです。
個別、総合、標準、直接の全部の原価計算は、同じ勘定連絡図の中で
計算 をおこないます。
ですから、勘定連絡図と原価の流れは、しっかりおさえるようにしましょう。
そして、問題を解く時は、その問題が勘定連絡図のどの部分を聞いているのか
ということを頭に思い浮かべながら、かつ原価の流れを意識しながら解くといいと思います。
 また、物の動きにそって計算式をたてる物理学的な視点も必要です。

なんだか、よけい難しくなっちゃったかもしれないですね・・・
まあ、おいおい、メルマガでこのことはみていきますね。
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(2)目 次:ちょっと固いんじゃない
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 予算管理とは、種々な費目から構成される製造間接費の金額を予算という
「器」に入れてしまって、あふれでた部分を製造間接費の浪費として分析し
管理する方法であることは前回お話ししました。

 この予算における「器」とは、経営者が予定する生産量(基準操業度)のもとで
経営者が許容する製造間接費の金額であり、この「器」の作り方に大きく2つあります。

     「器」の作り方(予算設定の方法)→A固定予算
                     B変動予算
以下、この2つの方法についてみていきましょう。

 A固定予算とはどういう方法か
固定予算とは、「器」である予算の大きさを実際操業度いかんにかかわらず
常に一定とする方法です。
このことについて、設例で確認します。

<設 例>
次の資料に基づいて、当月の製造間接費配賦差異を計算し、その差異を予算差異と操業度差異とに分けて算定せよ。

 (資料)
1、年間予算データ
(1 )年間基準操業度144直接作業時間
(2)年間の製造間接費予算72,000円
(3)予算設定の方法は固定予算による。
2、当月実際データ
(1)実際直接作業時間10時間
(2)製造間接費実際発生額6,300円

 aまず、年間の予算データから「器」の大きさを確認します。
  資料によると、経営者は年間144時間の直接作業を見込んでおり、このもとでの
  許される製造間接費の金額が72,000円と見積もっています。
  よって、この72,000円が「器」の大きさとなります。
 ただし、資料は1年間の予算の金額と なっているので、これを12ヶ月で割り
 1ヶ月単位に修正します。
      144直接作業時間÷12ヶ月=12時間/1ヶ月
         72,000円÷12ヶ月=6,000円/1ヶ月

 b次に、予算データから正常配賦率を算定し、製造間接費勘定から仕掛品勘定
  へと流れる金額を算定します。
    
   正常配賦率・・・6,000円÷12直接作業時間=500円/直接作業時間
   正常配賦額・・・500円/直接作業時間×10時間=5,000円

  これで、製造間接費勘定の貸方の金額は算定できました。
 次に、借方の金額を算定します。
 借方には、実際発生額6,300円が集計されることになります。

 以上から、製造間接費勘定の借方の金額は6,300円であり、貸方の金額は5,000円
 なので、貸借差額1,300円生じます。これが、製造間接費配賦差異となるのです。

製造間接費配賦差異の計算・・正常配賦額6,000円−実際発生額6,300円=−1,300円

c貸借差額により算定された製造間接費配賦差異を、予算差異と操業度差異に
 分けて分析します。

 まず、予算差異です。
 ここで、「器」の登場です 。
 経営者が予定する「器」の大きさは、aでみたように6,000円でした。
 そこで、この6,000円の「器」に実際発生額6,300円を入れて、溢れ出た金額が
 製造間接費の浪費分である予算差異となるのです。
 
   予算差異の計算・・・予算額6,300円−実際発生額6,000円=−300円

 以上のように、製造間接費配賦差異−1,300円のうち、−300円は予算差異である ことが判明しました。よって、残り―1,000円が操業度差異となります。

 操業度差異は、経営者が年間144時間、1ヶ月当たり12時間の操業を予定 していた のに実際は10時間しか操業しなかったことによって生じる差異と
 考えてください。
 
 このような固定予算の特徴は何かというと、基準操業度に対しての予算額
(器の大きさ)を実際の操業度にかかわらず、常に基準操業度の大きさに固定
 させて、その「器」の大きさと、実際操業度の製造間接費実際発生額を比較
 して、予算差異を算定するという点です

 しかし!このような固定予算には短所があります。
 それは、例えば、予算としての「器」の大きさをバブル期のような好景気のとき の操業 度を基準に設定していたところ、実際の生産段階になったらバブルが
 弾け、不景気になり実際にはあまり作業をしなかった、というような場合です
 このように、基準操業度と実際操業度が大きく乖離するような場合、予算の「器」の大きさを基準操業度の大きさに固定してしまうため、予算差異が正確に
 算定されないという問題があるのです(つまり、器デカすぎ)。  
 このような問題を解消するため、変動予算があります。
 今日は、これくらいで勘弁してあげましょう(というか、勘弁して!)。
 それでは、また 明日!

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あとがき
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 簿記検定の非常勤講師をしていながら、こういうのもなんですが
わたくしは簿記だけの試験はなんとなく、ナンセンスのように感じます。
 なぜかというと、簿記では、最終的に利益の金額などを算定できるかどうか
しか問われないのですが、それで答えが合ったとしても
「なぜに、その金額になるのか」ということを理解していて、説明 できなければ
意味がないように思えるのです。
 つまり、簿記でP/L、B/Sを作成できても、それは例えば
手品を例にして、帽子からハトは出せるが、なぜに帽子からハトがでてくるのか
そのマジシャン本人には分からない、というのと同じだと思います。
 でも、帽子からハトが出てくる仕組みを理解していれば、ハト以外も出せるし
それを応用して、もっと高度なマジックもできると思うのです。

 欧米では、簿記と財務諸表論とに別れてはなく、財務会計論として
ひとつの科目ですし、会計士試験でも来年 から、財務会計論になりましたしね。
まあ、簿記検定がそんなことになれば、教えるほうも、受験も大変になるだけ
ですが・・・ 
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2005年11月17日

製造間接費の世界へレッツラゴー!25

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第7回タイトル:「製造間接費の世界へレッツラゴー!2」
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★ 目 次

1. ごあいさつ
2. 正常配賦さまさま
3.あとがき
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(1)ごあいさつ
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  前回お話した格言「難問は、自らの心が作り出す」について。
検定試験に限らず、国家試験でも誰も解けないような難問は出題されます。
このとき、そのような難問が出題されても、合格のためには解ける必要はなく
誰しもが解ける基本的な問題を確実に得点できていれば合格できます。
 つまり、難問について解く必要はないのですが、これが解けないと不合格に
なってしまうと勘違いしてしまい、頭が真っ白になって、普段解ける問題をも
おとしてしまい、不合格になってしま うのです。
 わたくしにも同じ経験があります。このメルマガを読まれている貴方様だけは
決してこんなことがないように、難問が出題されても、とばして、解けるところ
から確実に得点を稼いでいってください。
 

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(2)目 次:どっちを選ぶかはっきりしてよ!
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 前回は、造船業を例に製造間接費勘定に集計された金額が、戦艦ヤマトと
タイタニック 号にそれぞれいくらずつかかっているのか、直接的かつ個別に計算できないので、何らかの基準(例えば船の大きさ等)で、これらの金額を
負担(配賦)させようということについてみていきました。
以下の設例で、いまいちど確認いたしましょう。

<設 例>それぞれが負担する製造間接費の金額はいくらか。
・製造間接費の金額は1,200,000円であった
 (内訳:組立加工機械減価償却費1,000,000円 雑費200,000円)。
・戦艦ヤマトの組立加工時間は5,000時間、タイタニックの組立加工時間は
 5,000時間であった。
・製造間接費の配賦基準は、組立加工時間とする。


 この場合、製造間接費1,200,000円は、戦艦ヤマト5,000時間とタイタニック号5,000時間の1:1の比率で按分して負担させることになります。
             (計算式)
戦艦ヤマト→1,200,000円×5,000時間÷(5,000時間+5,000時間)=600,000円
タイタニック号→1,200,000円×5,000時間÷(5,000時間+5,000時間)=600,000円
となり、それぞれが、600,000円ずつ負担することになります。

 ここで、製造間接費1,200,000円は実際発生額です。 このような実際発生額を
各製品に配賦することを「実際配賦」といいます。
しかし!実際配賦には以下のような問題があります。

第1の問題:製造間接費は、種々雑多な費目で構成されるため、製品が完成しても
      製造間接費の集計に時間がかかるため、完成品の原価を計算できない
      という問題
第2の問題:製造間接費の実際発生額や実際配賦基準数値は毎月変動するので
      実際発生額を配賦すると、同じ製品でも製造した日により配賦額が
      異なってしまう。

そ こで、実際配賦に対して、「正常(予定)配賦」というものがあります。
では、この「正常(予定)配賦」とは、どんなものでしょうか。

簡単にいえば、あらかじめ経営者が1年間の予想する販売量から生産量を決定し
(基準操業度といいます)、その生産量のもとで許される製造間接費の金額
(製造間接費予算額といいます)を見積もり、この見積もった金額を1年間の
正常(予定)生産量で割って求めた「正常(予定)配賦率」をもって、製造間接費を各製品に配賦しようというものです。
                 <算 式>
正常(予定)配賦率=経営者が予定する生産量のもとで許される製造間接費の金額
                  ÷
         経営者が予定する1年間の生産量など(基準操業度)

では、設例でもって、この正常(予定)配賦をみていきましょうね。

<設 例1>以下の正常配賦率を求めなさい。
・年度の初めに、経営者は1年間の当造船所の生産量を戦艦ヤマト1隻と
 タイタニック号1隻と見積もった。
・戦艦ヤマト1隻を建造するのに5,000機械加工時間、タイタニック号1隻を建 造する のに5,000機械加工時間を要すると見込まれた。
・経営者は、この合計10,000機械加工時間のもとで許せる製造間接費予算の金額を
 1,000,000円と見積もった。

(解 答)
 1,000,000円÷(5,000機械加工時間+5,000機械加工時間)=100円/機械加工時間

 経営者は戦艦ヤマトとタイタニック号の2隻を1年間の造船所の生産量と
見積もっており、その2隻を建造するのに合計10,000機械加工時間が必要と
見積もっています。
この機械加工時間(基準操業度)のもとで、製造間接費を1,000,000円に抑えた い
のですから、1機械加工時間あたりの製造間接費の金額が、100円と計算できます。

<設 例2>
 実際の生産にあたり、戦艦ヤマトが5,000機械加工時間、タイタニック号が5,000
機械加工時間かかったことが判明した。
戦艦ヤマトとタイタニック号が負担する製造間接費の金額を計算せよ。


戦艦ヤマト→100円/機械加工時間×5,000機械加工時間=500,000円
タイタニック号→100円/機械加工時間×5,000機械加工時間=500,000円

 上記のように、製造間接費の実際発生額の集計を待たずして、実際操 業度が判明すれば製造間接費の配賦額が計算でき、その後の原価の計算が可能となります。

<設 例3>
 製造間接費勘定に、加工機械減価償却費1,000,000円と雑費200,000円の
合計1,200,000円が集計され、実際発生額が判明した。
この場合の製造間接費配賦差異を算定しなさい。

 (解答)
正常(予定)配賦額1,000,000円−実際発生額1,200,000円=−200,000円

 製造間接費勘定には、借方に実際発生額1,200,000円が転記され、貸方には
正常(予定)配賦額1,000,000円が転記されるので、貸借差額が20 0,000円
生じます。
この差額が、「製造間接費配賦差異」といい、その中身には、「予算差異」と
「操業度差異」があります。

ちなみに、製造間接費の配賦額の計算において、実際配賦と正常(予定)配賦が
ありましたが、原則は「正常配賦」なので、このことも知っておいて下さいね。
この理由として、「正常配賦の理論」というものがあります。

          (製造間接費の正常配賦の理論)
製造間接費は固定費(どんなに生産しても金額が一定の費用)が多く含まれている
                  ↓
       その固定費は生産能力の維持費であると考えられる
                 ↓そして
         生産能力の維持費は生産能力の規模に依存
                 ↓
      生産能力の規模は正常(予定)生産量によって規定される
                 ↓よって
    製造間接費は正常生産量に結びついて発生するので、正常生産量の製品へ
    均等に配賦されるべきである。
          
     
これをもう少しわかりやすくすると・・・

製造間接費には固定費が多く含まれている→設例での加工機械減価償却費1,000,000                    円
                   ↓
加工機械減価償却費1,000,000円は、1年間に10,000機械加工時間の作業が可能な
機械を購入したために発生した(生産能力の維持費)
                  ↓
生産能力の規模である10,000機械加工時間は、戦艦ヤマト1隻とタイタニック号1隻の2隻の生産という正常(予定)生産量によって規 定されている。         
                  ↓よって
加工機械減価償却費1,000,000円は、戦艦ヤマト1隻の生産に必要な5,000
機械加工時間とタイタニック号1隻の生産に必要な5,000機械加工時間の合計10,000時間の機械加工作業を可能とする加工機械を購入したために発生するので
正常生産量の製品へ、均等に配賦されるべきであると考えられる。


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あとがき
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 みなさには、なんとか分かりやすく、工業簿記のお話しをしたいと思って
いるのですが、さすがにメルマガでは限界がありますね。
しかし、すこしでも本質的理解ができるように頑張ってお話をさせて頂きます。
 がんばれ!受験生!がんばれ!自分!
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