愛知県豊田では再会があった

話は6年前に遡る

駅前に歴史を感じる美容院があった

かなりいたんだ看板に消えかけの字で書いてある店の名前ふっと見たら

「二ューエンゼル」

全然ニューやなかった

一番食いついたのは店先に立ててあるのぼりの文言

「冷やし中華はじめました」

ならぬ

「冷やしシャンプーはじめました」

どないなものやと飛び込んだら尋常やないミントのシャンプーで頭が芯からツーンと冷え切った

それより何より食いついたのは60代であろう店主のお母さんの人柄

「一人でやってたらたいへんちゃいますか カットしてる最中に次のお客さん来たらだいぶまってもらわなあかんし気使うでしょ」

聞いたら一言

「待ちがかかるほどお客さん来たことない」

更に

「ほんでも40年店やってるて言うてましたやん 昔からのお客さんが来られるでしょ」

ほな食い気味に

「その頃のお客さんはみな死んだ」

めげずに

「ほんでもご存命な方もいるでしょ」

すると

「おるけどボケた」

もうええわー

物腰こそ柔らかいけど内に秘めたる豪傑なお母さんにすっかり魅了された僕は色紙持ち込みで頼まれてもないのにサインを書いて飾って帰った

あれから5年
主催の本町興業(清掃会社)のY社長上方によるとニューエンゼルが区画整理のために移転になったと

ぜひご挨拶に伺おう5年ぶりに行ってみた

挨拶したらすぐに思い出してくれたのは嬉しかった

ただ飾って帰ったサインがない

そらそうや
5年も前の話やし移転の時にそら処分するわな 思いながら

「ところでお母さん僕のサインないやん〜どないなっとんねん〜」

ネタにしていじったら

「来るてわかってたら飾っておいたのに」

そういうて戸棚から取り出したものこそが僕のサインやった

お母さんーーー もう感動

正直移転の時に処分しようかと迷ったらしい でもなんかいつかフラッと顔出しそうな気がして残してくれてたんやて

圧巻なのはそのプロ意識

5年前に一回髪切って冷やしシャンプーしてもらっただけやのにそれ以降ワハハの誰かがテレビでてるの見ると僕を思い出しては

「もみあげのカットもっとよくできたなぁ」

反省してはった言うがな

もう自分が恥ずかしい限りやけど 僕もお母さんみたいなプロ中のプロになれるよう芸道に邁進しますわ

そんなお母さんの話で11回目の本町興業社屋内アミティーホールライブはありがたく喜んでいただけました

お越しくださったみなさん
本当にありがとうございました

ニューエンゼルのお母さん
ありがとうございました お元気で

そして主催していただき再会のサポートまでして下さったY社長 本当にありがとうございました