新しい医学を身に着けて、それを患者さんに役立てる努力も必要だ。
だが、若い医者の忘れている医学もある。大学病院が、忘れている医学もある。
そういうものがあるかどうかも、議論のあるところだが、実際にある。
例えば、食害の問題。減量法。例えば大病院でやっている、膝関節の人工関節置換手術。
こういう手術が、本当に必要かどうか。体重を5キロも落とせば手術も必要ないのに、
整形外科医は安易に手術している。食事を減らしたら、確実に、簡単に体重は減らせる。
お金があるから、不必要な手術をやって、健康保険も使えている。
老医は、そういうところを、嫌われても、指摘し、患者を説得している。
認知症の薬でも、効きもしない薬が、病名さえ記載されていたら、許可されている。
まあ他に効く薬がないので、仕方なしに使っている面もあるが。
若い頃、認知症が社会的に、認知されてきた初めの頃、多くの薬がゾゾロと、
各社から出てきた。数年後、二重盲検法での再調査が厚生省から要求され、
大部分の薬が消えて行った。一流の製薬会社の薬ばかりであった。
ぼくは学習療法のようなものに希望を見出している。読み書き話す。
以前、診察も月に2回やっていた。医院の患者が増えて、息子の代には、
1カ月に1回になった。それを月に2回に戻すことは難しい。まあ今でも、月に2回、
通院しておられる方が、数人おられるが。月2回通院されている方は、
認知症にならない。ぼくが、若い頃、1週間に1回の通院を全部の患者に要求されていた、
開業医がいた。ぼくは、2週に1回だったが、それが普通だった。
食害もあれば、食事療法もある。老医は、そういうところも注意している。
最近の胃炎の原因の大部分は、ガムやのど飴や練り歯磨き。
これらの中にミントが入っている。ミントが沢山入っているので、清涼感はあるが、
胃がやられる。患者にこういう注意をしている内科医はいない。
認知症は、生活習慣病。糖尿病も生活習慣病.習慣を変えねばならない。老医の出番は、
まだまだあると考えている。そして、密かに生涯現役、年中無休を心に決めている。