FeFeFe's Bar

~シャコンヌ狂時代~   
感動は幸福。     

T (JPN)

等々力康友 (2006)

todoroki200

◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番ト短調BWV1001~アダージョ
◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004

 等々力康友
 Yasutomo Todoroki
 Oct. 05, 2006
 三鷹市芸術文化センター 風のホール
 (NF23301 CD-JPN)


 アマチュアの方が自主制作されたものらしい。あれこれ言うのは無粋というものだろう。
 バッハへの情熱は十二分。
 録音優秀。残響豊かも、直接音重視で、楽音はしっかり録られている。
 演奏者・等々力氏の挨拶文がブックレット巻頭に掲載されているので、それを転載しておく。

 ………………

 このCDは、還暦を迎えた昨年、長年の夢であったバッハの(シャコンヌ)に挑戦し、その成果を記録するために、30年来のオーケストラ仲間である友人のレコーディング・プロデューサー西脇義訓君にお願いし、三鷹市芸術文化センター「風のホール」で録音していただいたものです。演奏そのものは音程悪し、リズム悪しですが、素晴らしい響きのするホールで、サイトウ・キネン・オーケストラ等も録音している録音技術者福井末憲さんに、私の名器ベンタパーネの響きを十二分に引き立たせていただきました。まだまだ皆様にお聞かせできる内容ではありませんが、ご笑聴いただければ幸甚です。
 今回の録音で自分の技量の未熟さを痛感するとともに、未熟さ故にこれまで周りの皆様に大変ご迷惑をお掛けして来たことを深く反省し、これを機会にいっそうの研鑽努力を重ね、音楽をすることによる幸せを実感しながら、第2の人生を豊かに暮らして行きたいと考えております。

 ………………

 14:30

【備考】
 Violin: Lorezo Ventapane (1790-1845) Napoli
 Bow: Nikolas Sartory (1871-1946) Paris


玉井菜採 (1996 LIVE)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004~シャコンヌ

 玉井菜採
 Natsumi Tamai
 July 6, 1996
 Großer Saal, Gewandhaus Leipzig LIVE
 14:58 ★★★★
 (KULTUR 400-5321-2 CD)


 玉井菜採は24歳のとき、ライプツィヒで開かれたバッハ国際コンクールで第1位なしの第2位に入賞した。その際のライヴ録音である。鑑賞用というよりは、記念品的に制作されたディスクのようだ。
 新人離れした、堂々たるシャコンヌであり、本選最高位の貫禄を感じさせる。終演と同時に盛大な拍手が湧いている。

 録音については、残響豊富も、近接録りなのでヴァイオリンの音はしっかり入っている。ただ、エアコンノイズのようなのが終始途切れない。


戸田弥生 (2001)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲BWV1001-1006
 Bach: Sonatas and Partitas for Violin Solo BWV 1001-1006

 戸田弥生
 Yayoi Toda
 Dec 6&7, 2001 Jan 21&22, Feb 5&6, 23&24, 27&28, Mar 3&4, 2002
 (ONGAKU NO TOMO SHA CORP. OCD-0090 CD-JPN)


 戸田弥生による全曲盤。
 ひじょうに開放的で、爽快な演奏だ。前年のパルティータ第2番よりもスケール・アップした印象を受ける。情熱の度合いもより深いような気がする。 

 このディスクの難点は録音。
 オフマイクで音像が引っこんだようになり、残響が出しゃばっている。おそらく、場所は音楽之友ホールだろう。残響1.7秒にこだわったのか。だとしても、もうすこしオンマイクで録ればよかったと思うのだが……。


 14:00
 ★★★★

戸田弥生 (2000)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004

 戸田弥生
 Yayoi Toda
 2000
 Jun 21&26, Jul 04, 2000 音楽之友ホール
 (ONGAKU NO TOMO SHA CORP. OCD-0065 CD-JPN)


 戸田弥生によるパルティータ第2番。
 表情豊かで、しっとりと落ち着いた風情のなか、秘めたる情熱を感じさせる好演。技術的にも問題なしだが、後述のとおり録音が足かせになっている。
 彼女は翌年&翌々年で全6曲録音を完成させているが、そちらも同傾向の音録りで、ずいぶん損をしている印象だ。

 録音はよくない。オフマイクのため、残響にマスクされ気味。演奏の魅力が相当程度減衰されてしまった。


 13:55
 ★★★☆

寺神戸亮 (2003)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004~シャコンヌ

 寺神戸亮
 Ryo Terakado
 Dec 29-31, 2003
 Festhalle, Viersen, Germany
 (DENON COCQ-83734 CD-JAPAN)


『シャコンヌへの道』と題してある。
 バッハ以前より、無伴奏ヴァイオリンのための音楽というのは存在しており、バッハのシャコンヌをもって頂点に達した。
 これは、その『シャコンヌ』の源流をたどってみようという歴史散歩のような企画盤。バッハ以前のいろんな作曲家の作品を集めている。

 寺神戸にとって、2度目のシャコンヌだが、前回に不満があって録りなおしをしたというわけではないようだ。寺神戸の演奏を聴くなら全集盤が出ているので、あちらがあれば鑑賞には十分だろう。
 テクニックは完璧、軽快で淀みのない流れも、全集盤と変わらない。

 録音優秀。残響豊か。

 12:19
 ★★★☆

寺神戸亮 (1999)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲BWV1001-1006
 Bach: Sonatas and Partitas for Violin Solo BWV 1001-1006

 寺神戸亮
 Ryo Terakado
 May 14-18, Oct 31-Nov 5, 1999
 旧カトリック教会、オランダ・デルフト
 (DENON COCQ-83387/8 CD-JAPAN)


 バロック奏者、寺神戸亮の全曲CD。
 テクニックは完璧、軽快で淀みがない。耳にたいへん心地よく、高い完成度だが、深い精神性などはやや希薄に感じられる。
 寺神戸は、バッハの伴奏付きソナタも全曲録音しており、個人的にはあちらのほうを評価したい。

 録音優秀。残響豊か。

 12:23
 ★★★☆

天満敦子 (1996)

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◆バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番ニ短調BWV1004~シャコンヌ

 天満敦子
 Atsuko Temma
 1996
 Sep 17&18, 1996 府中の森芸術劇場ウィーンホール
 (ART UNION ART-3040 CD-JAPAN )


 例によって、きわめて情熱的なシャコンヌである。
 これも聴かせる演奏ではあるものの、のちに入れた全曲盤のほうが、はるかに説得力が大きい。

 録音については、マイク近接で楽器の音がガンガン飛んでくるが、残響もそれなり豊富だ。ステレオ感にはとぼしい。音はいいほうではない。

 1735年製ストラディヴァリウス使用。


 15:55
 ★★★☆

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