産科医療の崩壊はますます深刻さを増すばかりですが、「産科医の約半数が一生の間に1回は訴訟に巻き込まれる」と聞けば、わかる気がします。安全・安心を追求する方向性に行き過ぎれば却って結果的にそれが遠のいてしまうということを意味しているように思います。日経メディカルオンラインの記事からです。


●産科医の約半数が一生の間に1回は訴訟に巻き込まれる

 今回は、産科の医療訴訟を対象に議論しましょう。まず、産科における医療訴訟の実数は、どの程度でしょうか。最高裁のHPによれば、平成17-19年の産婦人科における1年間の既済訴訟事件数の平均は139件です。産婦人科医の数は9,500人程度ですから、100人の産婦人科医が1年間働くあいだに1.5件の訴訟が発生することになります。

 医師の実働を40年と仮定すれば、約60%の産婦人科医が一生の間に最低1回は訴訟に巻き込まれる計算です。産婦人科は大きく分けて、お産を扱う産科と子宮がんや不妊を扱う婦人科に分かれますが、訴訟リスクは産科の方が高いため、この60%という数字は産科医に関しては過小評価です。

 訴訟形態についても、従来はほとんどの医療訴訟の被告は病院となっていましたが、最近では被告として病院と連名で担当医が名指しされる(訴状に記載される)ことが増えています。

 皆さんは、同僚の半数以上が被告として訴訟に巻き込まれる職業というのは想像できるでしょうか?私の知る限り、過半数が訴えられる堅気の職業は聞いたことがありません。このように考えた場合、産科医の訴訟リスクは高いと言わざるを得ません。

 





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