早見 俊のボン人日記

時代作家の平凡な日々を綴ります。

誉田さんの突然の訃報。
一昨日の夜、鈴木英治さんから誉田さんと連絡が取れないとお電話を
頂きました。その後、亡くなられたらしいと。
私は今月六日の朝、誉田さんと電話で話していました。その日、会う予定だったのですが
体調が悪く、会えないとの連絡でした。腹痛だとおっしゃっていました。今年になり、体調を
崩されているので心配申し上げたところ、「頑張ります」と返されたので、「頑張らない方がいいですよ、ゆっくり
休んでくださいと」と私は返し、誉田さんは笑って電話を終えました。
確かに口調には体調の悪さが感じられましたが、まさか。
昨日、誉田さんのお住まいに行ってきました。
郵便受けの荷物が取り出されないまま、入居しておられた部屋の前にも荷物が積んでありました。
同じフロアの入居者の方は事情をご存じなく、近くの交番を訪ねました。
昨夜の当直警官から誉田さんのご遺体を確認したという引継ぎがあったそうです。
昨夜のご遺体発見ですから、部屋はそのままのようです。
何もできず、呆然として帰宅しました。
前向きで社交的で頭の回転が速く、学ぶ点の多かった得難い作家さんでした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

ヴァン・ダイン  と聞いて心が騒がぬミステリ好きはいませんね。
戦前の探偵小説にこれほど影響を与えた作家はなく、
影響という点では戦後のクイーン、カー以上かもしれません。
ヴァンダインの評価は定まっていて全十二作の長編で前期六作
後期六作ではっきり別れてていますね。(私は賛成しませんが)
傑作とされているのは、前期の「グリーン家殺人事件」「僧正殺人事件」
ところが、今日、「グリーン家殺人事件」の最終章、「驚くべき真相」を読んで驚く
人はいないでしょう。いたらびっくりです。
「グリーン家」はともかく「僧正殺人事件」には中学生の私は魅せられました。
キザで鼻持ちならないファイロ・ヴァンスにさえも魅力を感じました。
ファイロ・ヴァンスのキャラに影響されなかった戦前の名探偵はいないでしょう。
「僧正殺人事件」における数学と殺人、サイコパスの描かれ方は斬新で
 まさしく大傑作だと今でも思います。
「僧正殺人事件」以外では、「ケンネル殺人事件」が凄かった。
物書きになってから「ケンネル殺人事件」にお世話になったことなったこと。
これこそヴァンダインの最高傑作にしてミステリー史上屈指の名作だと思います。
実際、「ケンネル殺人事件」のメイントリックというかアイデアを参考にした
作品の多いこと多いこと。
私のヴァンダイン作品ベストスリーを記します。馬鹿が偉そうにと思ってください。
1位僧正殺人事件
2位ケンネル殺人事件
3位ガーデン殺人事件

中日ドラゴンズ一筋の二塁手、監督、高木守道氏が亡くなりました。
名二塁手、バックトスは名人芸でしたね。
小学生の頃、近所のスポーツ店に当時活躍の中日の選手が
来店しサイン会がありました。
高木守道、木俣達彦、中利夫、星野仙一、矢沢健一 各選手から
サインを貰い言葉をかけられました。
少年には胸躍るひと時でした。

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