昨日、フジテレビの夕方のニュースで、
気になる特集があったので、記載してみようと思います。
賃貸経営に直接絡んでくることは少ないでしょうが、
間接的には関係していると思います。
まず、囲い屋とは何なのか?ですが、
これは、生活保護者に住居(や食事等のサービス)を提供している業者です。
ただし、不当に高い値段でこれを行っており、
甘い汁を吸っているようです。
生活保護費受給者を囲い込んでいるということから、
囲い屋と呼ばれているそうです。
生活保護者に支給される生活保護費は、
市長村によって違いはあるのかもしれませんが、
約12万円。
番組で紹介されていた業者では、
部屋代として47700円、
洗濯機や浴室の使用料として、(たしか)4万円を徴収。
手元に残るのは約3万円。
生活保護受給者:「カツカツですね」
とのこと。
この物件の周辺では、
47700円も払えば、2DK以上の部屋は借りられるそうですが、
入居者に与えられる部屋は、
6畳の部屋を壁で仕切って分割した3畳の部屋。
ふとんを敷くと、それだけでスペースはほぼ一杯…。
共用スペースの洗濯機(2台)ですが、
使用できるのが日中の間、約半日程度の時間。
入浴に至っては、2日に1回で、
時間もわずか2時間だけ。(シャワーだけ?)
物件は5階建てくらいのRCに見えましたが、
世帯数は120くらいあったので、
1フロア20人以上で、この限りある設備を共用しているみたいです。
生活保護費受給者は全国で約200万人。
その費用は約3兆円だそうです。
生活保護費受給者も不当なサービスを受けている。
国民の血税も有効に使われていない。
甘い汁を吸っているのは業者だけ。
こんなことでいいのか!
これが番組の主張だったように見受けられました。
番組の中では、内閣府の官僚だかもインタビューを受けていて、
「規制していかないといけませんね…」
と語っていました。
ここからは私見になります。
番組の構図では、囲い屋=悪というようにしか見えませんでしたが、
本当にそうなのか?ということですね。
番組ではここについては語られていませんでしたが、
じゃあ、何故、
生活保護費受給者は、こんな待遇に甘んじているのか?
こういう問いかけはありませんでした。
大家をやっている方ならピーンとくるかと思いますが、
この家賃なら、近隣では2DK以上の部屋が借りられるといっても、
じゃあ、生活保護者が、
一般の人と同じように賃貸借契約を結んでもらえるのか…
答えはノーですね。
実は、私自身も、
募集の間口を広げようと思って、
生活保護の方を募集できないか検討したことがあります。
少し調べてみたんですが、
生活保護を受けるにも、かなり条件があるんですね。
頼れる身内がいる場合は、先にそちらに頼れだの、
財産はことごとく処分してからだの…。
まぁ、税金で養うわけですから、当然かと思いますが…。
引越しに関しても制限がありました。
正当な理由がないと、自由に引越しをするのも難しいようです。
仮に大家の方で
生活保護の方を受け入れようと思っても、
そういう人を探すのって、
結構難しいんだなと思いました。
生活保護者を入居者として迎えている大家さんは、
社会保険事務所にパイプがあったり、
そういうコネのある業者さんを通していたり…。
特殊なルートを開拓する必要があると思います。
生活保護者にしてみれば、
囲い屋が不当に利益を得ていると言っても、
それでも住むところを提供してくれているんだから、
無いよりはマシ、という感じではないでしょうか。
囲い屋を規制するよりも、
不動産業界の体質そのものを改め、
生活保護者をもっと受け入れる体制づくりを促進する…
これが根本的な解決につながるのではないかと思います。