2022年09月16日
BONSAIMOTOのナカジマです。
わたしのことを知らない方も多いと思うので、簡単な自己紹介をします。
わたしは元々はただのツーリングライダーで、カフェレーサーが一番かっこいいしオフロードバイクはバッタみたいであまり好きじゃない…と思ってるようなタイプでした。(今はオフ車のかっこよさもわかるようになりました!)
それが、大学の先輩から誘われたのをきっかけにオフロードを始め、たまたまその先輩方が出ていたのがハードエンデューロで、そのままハードエンデューロを続けもうすぐ10年が経とうとしています。
はじめた当初から一向に上達していませんが、楽しくオフロードライフを送っています。
そんなわたしが乗っているのはKTMのFREERIDE250Rという、もう8年前に出たバイクです。
※写真は今年(2022)WEX神立のときのもの
残念ながらあまり人気がでなかった車種のため適合する社外パーツが当初から少なく、絶版してからも時間も経ってしまい、今となっては対応する商品も多くありません。
そんな中、わたしのバイクにも使える数少ない商品の中にFastway(ファストウェイ)で有名なPROMOTO Billet(プロモトビレット)社のAir EXTステップがあり、社長のご厚意でテストをする運びとなりました!
ワイドステップ且つ、カカトに延長部分があるのにも関わらずとっても軽いです。
さすがアルミ削り出し!
さっそく、汗だくになりながらいつから使っているかわからない純正のステップから交換して、ピカピカのステップで試走もしてきたのでレポートを残しておきたいと思います。
【交換のおはなし】
ファストウェイのステップ全てにおいて言えるのですが、カラーの位置によって標準位置とバック&ローの2ポジションを選べます。
わたしのバイクは元からバックステップ気味で、且つわたしの身長も160cmと本来想定される身長からは小さいため、迷うことなく標準位置でオフセットすることにしました。
ちなみに、クリート(高さ調節できるステップ上面のピン)に関しては社長のを引き継いで、後ろが少し高く膝を入れやすいセッティングのままいきます。
スプリングの強さ次第では元からあるステップを外すときに弾けて危ないらしく、かなりビビって大騒ぎしながら作業しましたが何てことなく外すことが出来ました。
それより予想外に難航したのが、ステップのシャフトを止めてる割りピンで、これがなかなかに変形しており、一人だったらこれだけで1時間は格闘してたかもしれません…。
どうにかこうにか、割りピンを伸ばしたりちぎったりして外すことが出来ました。
もともとは上からシャフトを通していましたが、前述のこともあり新しいステップの装着時は下から通しました。これで割りピンが攻撃される機会はだいぶ軽減されるでしょう!(脱落防止の効果も期待◎)
また、このシャフトを挿入するときですが、女性の力ではスプリングの抵抗が強く、シャフトがすんなり入ってくれませんでした。
その対策として、よりスペースに余裕を持たせるためにフレームに接するボルトを一度外して作業しました。
これだけでかなり作業しやすかったです!
ちなみに、このボルトの突出量の調整でステップの角度を変更可能なのですが、今回は初めてなのですこ~し立ってるかな?位にしました。
そんなこんなで手伝ってもらいながらではありますが、なんだかんだ1時間ちょっとで全作業を終えることができました。
きれいなパーツが入ってバイクがシャキッとしてかっこいいです。
ニューアイテムってテンションがあがりますよね!
早く乗りに行きたい!!!
【実際に乗ってみたおはなし】
ステップを交換してすぐに乗りにいける機会ができました。
長年使い古したステップから交換したせいなのは大いにあるにせよ、足の裏がしっかりグリップしてきもちいい!
グッと足が堪えてくれるおかげで、いつもなら足が踏み込めなかったり、外れてしまうようなシチュエーションでもかなり助けられました。
いま言ったグリップの良さはもちろん、純正のステップよりかなりワイドになったので足の裏が意識しやすかったのも印象的でした。
踏めてる実感があるので安定感があり、鈍感なわたしでも久しぶりに変化を体感できるカスタムでした。
また、標準のクリートは尖っているわけではないのでソールへのダメージも少ないし、ちゃんとグリップはするけど「足を外したいときに外れない!」という感じもなくちょうど良かったです。
今後一番試したいのは「フレームに接するボルトの突出量を増やすことで勝手に二―グリップ気味にしてくれる」という調整です。
FREERIDE250Rに合うフレームプロテクターがないのでヒールグリップをサポートしてくれるような要素がありません。そこで、ステップの角度をもう少しだけ立ててあげたら、そこを補ってくれるのでは?と思っています。
また、いろいろ試しつつ感じたことが増えたころレポートにしたいと思いますので、みなさんお付き合いくださいませ。
2022年08月04日
今回はブレーキディスク編です。
マスターシリンダーのお話の次は、ブレーキディスク(以下、ディスクと呼称します)が気になっちゃいました。
セットで変更される方も多いのではないでしょうか。
あんぽんたんワカムラが無い頭を捻って調べてみましたので、最後まで読んでくださると嬉しいです。
そもそも、あんなに大きな車体がどうして止まることができるのだろう。
ブレーキの原理って何・・?
答えは「運動エネルギーを熱エネルギーに変換する」こと(・・だそうです)
うーん、、
少しブレーキディスクから離れますが、お許しください。
運動エネルギーとは「動いている物体が、他の物体に衝突したときに仕事(動かしたり、変形させたり)をする能力」
ふむふむ。要は、動いているバイクのことですね。
そのエネルギーとやらを熱にしたら、そらもう・・熱そうですね。
どのくらい熱くなるか調べてみたくなりました。
以下、計算式になりますので、読み飛ばして下さっても結構です。
<公式>
運動エネルギー=1/2mv²
mは質量(バイク重量)
vは速度(秒速)
※ここで大事なのが「エネルギーは形が変わっても、その総量は変わらない」ということです。(得意げに書いていますが、何も知りませんでした笑)
全日本ロードレース参戦中の渡辺一樹選手を参考にして考えてみます。
例)一樹選手が165㎏のバイクで時速300㎞/hからブレーキングをした場合
※全日本RRのレギュレーション重量であり、あくまでも予測重量。
運動エネルギー=1/2mv²=1/2×165(㎏)×83(㎧)²=568342.5J(ジュール)
熱なのでJ→calに変換します。(1cal=4.18J)
568342.5J /4.18=135967.1052…cal
1calは1mlの水を1℃上昇させることができます。
どれくらいの水を瞬時に沸かせるかというと・・
135967.1052/1300ml=104.59…℃
なんと1300ml!すげー-!ケトルいらず!
ブレーキをする度に、これだけの熱が出ることが分かりました。
そして本題。
ブレーキが良く効くディスクってどんなもの?
大きなディスクは良く効く?
前項を踏まえると、「熱がすぐ上昇する=すぐ仕事をする」というモノになります。
ただ、その熱が変換できなくなると、当然ながらブレーキは効かなくなり制御不能になります。
つまりは、変換し続ける要素も不可欠。
(因みに、仕事量のみに着目すると、容積に比例するそうです。同じ直径でも厚くすれば仕事量は増えます。大きなディスクが大きな仕事をするわけではないのか!)
こうなると、ディスクを冷やす必要が出てきます。
ディスク径を大きく薄くしてみたり(表面積を増やす)、材料を変えたり、ダクトをつけてみたり・・
こうして何とか変換をし続けることで「ブレーキが効く」のです。
でも、熱くならないと仕事をしないのに、冷やしてしまったら仕事量の低下につながらないの?
・・と思ったのですが、一気に温度上昇するので、いらん心配でした。
しかしながら、冷やしすぎはNG。
なぜなら、熱エネルギーが出ないことには仕事をしないためです。
雨の日にブレーキが効きにくい、というのはこういった理由なのですね。
また、大径ディスクは温度が上がりやすい、という性質を持っています。
それはディスクの外側になるほど、回転速度が上がるためです。
調べていたら、ディスクをホイールのリム側にマウントするBuell EBR1190RX というバイクがありました。(開発者の方は考えることが凄すぎる・・)
・ブレーキの原理→「運動エネルギーを熱エネルギーに変換する」
・良く効くディスクってどんなもの?→「素早く温度上昇+冷えやすい」
を中心に勉強をしました。
前回のマスターシリンダーと掛合わせると、マスターシリンダーは小さく、ブレーキディスクは大きくすると瞬発的なブレーキングが一番効くモノとなります。
(バランスは大事ですが・・)
次は上記に加えて、レバーの「テコの原理」を勉強したいと思います。
P/S
暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
先日、弊社は室内温度が32℃。(室内で熱中症になるのは、こういうことか。と身をもって体感)
そこで驚愕の事実・・今の今までシーリングファンの向きを逆に設定してました!!
冷たい空気は下にあるので、上向きに風の流れを作っていたのですが、まさかの逆!!
そら熱い!!(勘違いしてたのは私だけ?他にも思ってた方いませんか?泣)
空気を循環させることが大切なのですね。
現在は他の対策も施し、とっても快適な環境となっておりますので、ご来店の際にはご安心ください。
ではまた。
2022年07月04日
BONSAIMOTOのワカムラです。
今回は、ワカムラ☆お恥ずかしながら今さら知りました!シリーズです。
バイク知識が浅い私の備忘録に、少々お付き合い下さると嬉しいです。
ブレーキマスターシリンダーとの関係性で切っても切れない「パスカルの原理」
(もう、、物理なんて聞いただけで拒否反応!泣)
「密閉容器の中では、一部に加えた力は容器の形状に関わらず、すべて均一に同じ力が伝わる」
ここでいう力は圧力を指します。
圧力=面を垂直に押す力/力がかかる面積
パスカルの原理は、p1/A=p2/Bで表すことができます。
これをブレーキマスターシリンダーに置き換えると・・
(※イメージなので細かいことは生暖かい目で見てください。)
Aに力を加えた場合、Bにも同等の力が加わります。
重要なのが、「すべて均一に同じ力が伝わる」という不思議な性質です。
仮に、Bの面積がAの2倍だったとすると・・
5 kN/㎡(p1)/10㎡(A)=10 kN/㎡(p2)/20㎡(B)となります。
5 kN/㎡が10 kN/㎡に増幅されるのです。改めて考えるとすげー――!!
ここで、頭がお花畑なワカムラは思いました。
全てのバイクにおいて、ブレーキマスター内のピストンを細くすれば、軽い力でブレーキ制御できるじゃないか!と。(Aの面積が小さいほど、力が増幅するため)
しかしながら、そう簡単な話ではございません。苦笑
ピストンが細くなるほど、力の増幅が大きくなるために制御が難しくなる。
つまりは、ガツンとブレーキがかかってしまうワケです。
ピストンが太くなるほど、力の増幅は少ないが、作用する力の誤差が小さい分、コントロールがしやすいのです。
そして、そのピストンはバイクの車体や重量、目的に応じてバランスが良い径になっている・・
ピストン径ひとつにとっても、バイクって奥が深いですね~。
大変勉強になりました。
以上、ワカムラのあんぽんたん備忘録でした。