2006年03月05日

金利と時間価値

金利の復活が近い。日銀は消費者物価指数しだいで今月中にも量的緩和を解除するだろう。
無担保コールのオーバーナイトを0.1% を上限にコントロールするというが、長期金利というのはつまるところ、世界中でデリバティブ取引がされている10年物国債の利回りであるため、ゼロ金利で有名無実化している日本のコール市場を締め付けても、マーケットの波には飲まれる事うけ合い。第二のイングランド銀行にならないことを祈る。

日本のゼロ金利と量的緩和で、もの凄い量の円が長い間出回っていたはずなのに、なぜ円は暴落せず、インフレも起こらなかったのか。
答えは簡単で、そのカネは外銀やヘッジファンドのマネーゲームに消費されていたからである。
先般紹介したベアリングズ銀行のニック・リーソンの資金源は、日本から低金利で調達した円。それがシンガポールで日経平均先物の証拠金に使われて、彼とベアリングズ銀行は破綻し、彼の逆を行った投機家の手元に渡ったわけである。全くおめでたいハナシだ。

この10年で膨れ上がったヘッジファンドに潤沢な資金を提供していたのも他ならぬ日銀。ヘッジファンドにとっては今までいいパートナーだっただけに、日本をターゲットにした破壊的な投機はなかった。しかし、金利が復活するとなると話が変わる。なにせ金利はいったん上がり始めると、当分下がることはないからだ。
仕掛ける隙は、売るほどある。まず、手近なところで円買いだろう。ニワトリ - タマゴの関係であるが、円建ての日本国債の利回りが上昇する。つまり長期金利の上昇。製造業は円高と資金調達コストの上昇で打撃を受ける。日経平均は、先物から下がりだす。一方でローンと物価が家計を圧迫する。地獄のスタグフレーションだ。

ヘッジファンドは、以上のことを抽象化して1セットにして仕込み、攻撃を開始する。
1. 日経平均先物ウリ
2. 国債先物カイ
3. 円通貨先物カイ
このすべてがシカゴにある市場で完結する。口火は3.から切られるだろう。時期は夏ごろか。

失われた10年とはよく言ったもので、金利とは本来、時間の価値を兌換したもの。本来あるべき価値ある時間を、ただで外国にくれてやっていたわけである。
一方で、日本人は消費者金融から法定金利のグレーゾーンにあるまさに法外な金利でカネを借りたりもしている。24% の金利は、わずか3年で借入額が倍になってしまう。平均給与から割り出す給与倍増に要する時間は約20年。ドッグイヤーよろしく、約7倍の時間差を泳いでいるのだ。ゼロ金利の時代に。。

日本に取り戻さなければならないのは、時間。否が応にもゼロ金利は終わる。そして厳しい時代がやってくるが、それは代償であって、甘んじて受けなければならない。
研ぎ澄まされた個人投資家が、微力ながらも活躍できることを信じて。


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booboowambo at 04:32コメント(2)トラックバック(1) 

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1. 金利上昇とヘッジファンド  [ 国家破綻研究ブログ ]   2006年04月11日 01:50
では、金利が上がれば、ヘッジファンドの動きはどうなるのでしょうか? 「50万円から小豆御殿 ??商品先物取引ブログ」のbooboowamboさんは、以下のような可能性を指摘してします。 (引用開始) 仕掛ける隙は、売るほどある。まず、手近なところで円買いだろう。ニ...

コメント一覧

1. Posted by kanconsulting   2006年04月11日 01:50
こんにちわ。「金利とは本来、時間の価値を兌換したもの」は、本来当たり前といえば当たり前ですが、ゼロ金利に慣らされた個人投資家が多い中で鋭い指摘だと思います。
2. Posted by booboowambo   2006年04月12日 00:38
TBとコメントありがとうございます。
この記事を書いた後、量的緩和は解除され、既に長期金利が上がってきています。つまり、10年国債の値段が下がり、利回りが上昇してきていることになります。今の時期に国債を集めて、破壊的投機の準備が進んでいるのかもしれませんね。

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