汽水域の旅」などでたびたび言及していた食べることの哲学について書いた書評が週刊金曜日6月8日号に掲載されました。
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捕食者と被捕食者とが入れ替わりうるような反転可能な曖昧な事態を例に挙げて「食べること」を文字通りに「哲学」の対象に据えようとする野心的なエッセイの、特に印象的だった部分を取り上げました。

本書の中では明示的に取り上げられてはいませんでしたが、著者の檜垣立哉氏は最近の新しい人類学の中心人物の1人であるヴィヴェイロス・デ・カストロの食人の形而上学や、「死を妊娠する」という特殊な幻想に駆動されるベアバッカーを論じたベルサーニ親密性の翻訳に関わった人物。

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『食べることの哲学』は自己破壊的な嗜好(酒やスイーツや麻薬)や行為を「自分を食べる」内向きのカニバリズムとして捉えていて、とても興味深い1冊でした。

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