図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2008年11月

水について


当店のコーヒーと日本茶は南アルプスの甲斐駒ヶ岳の伏流水を使っています。
山梨県北杜市白州町に書庫があるので2週間に一度、水を汲みに出かけます。
この辺りは古くから造り酒屋があるように、水にめぐまれた土地で、武川米や白州米など、おいしいお米の産地でもあります。

水を汲むのは七賢の名で有名な造り酒屋。
こちらで仕込み水を頂いてきます。
(サントリー「南アルプスの天然水」もこの水と同じもの)

七賢











又、夏は若干殺菌された道の駅・白州の水も使っています。
どちらもまろやかな軟水で、お茶にもコーヒーにも、又、お米を炊くにも最高の水です。
(紅茶の水には汲みたての酸素たっぷりの水道水)


八ヶ岳南麗も昔から湧き水の多い土地で、これまた名酒「谷桜」の造り酒屋があります。
こちらも白州に近いので時々は大滝湧水の八ヶ岳の伏流水(名水100選)の水も使います。
どちらがよいかは微妙すぎてわからない。
七賢のお酒も谷桜も味見程度でしたら、ご用意しています。
週末にどうぞ。

名水めぐりの本も近頃いくつか出ていますが、この本が代表的な出版。
「全国名水めぐり」(昭文社2003年)当店常備本のひとつ。

名水めぐり

落語本のいろいろ


今月は近くのにぎわい座で小三治の独演会があったばかり、(チケットは発売即完売状態)、米朝と並んで、この噺のマクラ名人のまくらばかりを集めた文庫本柳家小三治「ま・く・ら」「もひとつま・く・ら」の2冊は当店の常備本。

まくら













桂米朝の「米朝ばなし」も切らさずに置くようにしたいのですが、こちらは絶版ですから仲々補充がききません。(これが古本の苦しいところ)

当店にはにぎわい座関連の人もたまに寄られますから、安鶴本や正岡いるる本「影絵は踊る」(大正12年刊)「寄席」(昭和17年)「寄席風俗」(昭和18年)「寄席行燈」(昭和21年)「円朝」(昭和18年)なども置いています。

かげえ













また、三遊亭金馬(先代)の「浮世断語」(昭和3年)も凝ったつくりで、釣り道楽で学者肌の師匠の面目躍如、この人もマクラ名人の一人。
他に円朝の作品集や志ん生「びんぼう自慢」なども欠かせません。

なにせ、小さな店ですから、棚にあるのはこんなもの。
文庫本の落語全集や速記本など在庫しているものもありますから、探求書もお問い合わせを。

今週よりクリスマスのプレゼント用の絵本や写真集を展示しています。お立ち寄りください。



昭和三十年代の美術書

前回の記事へのコメントありがとうございました。
レスが遅れてしまい申し訳ありません。
これからもよろしくお願いいたします。

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「昭和三十年代の本」展の終わりに際して、美術書についてちょっと触れたい。


30年代最後の平凡社版「日本の美術」や、講談社版「日本近代美術絵画全集」など一般向きのシリーズとして優れた出版もあり、筑摩書房の鉄斎画集、日本産経新聞社の芋銭画集、蕪村画集、竹田画集、また朝日新聞社の大冊「正倉院宝物」などの注目すべき仕事もあるが、この時期、全盛だった美術出版社の仕事が他を圧倒している。


「古代中国の美」全3巻、「河合卯之助陶磁集」「富本憲吉陶磁集」「國吉康雄画集」「日本のやしろ」「日本の寺」「日本の彫刻」「かたち−日本の伝承−」「古渡更紗」等々と、当時盛んであったモノクロームグラビア印刷(グラビア精光社)と、銅版による原色版印刷の重厚さ(光村原色版印刷)と、グラシンまきのフランス装製本(大完堂)を駆使した本造りは見事だ。


特に毎日出版文化賞を受けた土門拳「室生寺」(安井曾太郎装丁)
室生寺











そして田中一光デザインの「沖縄の民藝」の2冊が代表作。
沖縄の民藝








いずれも内容・造本とも見事の一言。

この2冊は「昭和三十年代の本」展終了後も常時、お手にとってご覧いただけます。

「おいしいコーヒーの真実」の真実

ドキュメンタリー映画「おいしいコーヒーの真実」は、コーヒー価格が暴落したままの価格に据え置かれた、エチオピアの小コーヒー生産者の不当さを訴えていた。

★












もともとコーヒー豆は生鮮野菜や果物とは異なって保存が利くから、農協のような大きな倉庫を持った組合組織であれば価値調整ができて不当な搾取はおきにくいのだが、暴落期間が長引き、組合が絶えきれず倒産してしまうと、小生産者は価格交渉力を失いたちまち路頭に迷ってしまう。


「オートバイや車を買いたいわけではない。
きれいな水や食料を買うだけの最低限の生活が出来る金が欲しい。」というコーヒー生産者。この声に応えて中間業者を省いて直接、生産者と焙煎小売業者を繋ごうとする若者も出てきたが・・・。


フェアートレードのコーヒー豆はアジアではかなり増えてきているし、特にこれを謳わなくてもインドネシアのトラジャやジャマイカのブルーマウンテン、キューバのクリスタルマウンテン、ハワイのコナなど人気のあるコーヒーは売り手市場だし、ラオスやベトナムなども生協を通したフェアートレードが盛んだ。


当店のラオス・森のコーヒーやペルー・オーガニックなどもこの一貫。
しかし、エチオピアの野生コーヒーはこの映画の影響もあるのか、生産量が少ないためか最近仕入れが難しくなってきている。
中国雲南のシモンコーヒーも中国食品の問題が起こってから、また、幻になりつつある。これは輸入業者の過剰反応と思う。


コーヒー相場はロンドンとニューヨークの市場で先物取引され価格が決まるが、スターバックスなどの大口業者は直接仕入れても多く、安く買いたたく現地の業者との取引も、暗に映画でも指摘されている。
「取材拒否・スターバックス・コーヒー」と。

昭和三十年代の本 文芸書ベスト5は?

白井晟一の中央公論本が一つ頭を抜きん出ている30年代本。
それに迫るのは「女ひと」「杏っ子」で復活した室生犀星や三島由紀夫など文芸書の旧舗新潮社本。
また、随筆本で他社を圧倒している文春本。

第三の新人をはじめ、大江健三郎などの初期作品を輩出した講談社、森茉莉、小山清など個性的な作品集を出していて筑摩書房がそれに続く。
文芸書では他に河出書房や東京創元社の仕事も注目される。


この昭和30年代の内容造本とも優れた文芸書のベスト5を選ぶとすると
順不動で
○棟方志功による谷崎潤一郎本4冊 特に 「過酸化マンガン水の夢」(中央公論社 昭和31)
○神西清 「灰色の眼の女」(中央公論社 昭和32)
○室生犀星 「女ひと」(新潮社 昭和30)
○永井荷風 「小説吾妻橋」(中央公論社 昭和32)
○宇野千代 「おはん」(中央公論社 昭和32)

★







次点としては
○山本周五郎 「落葉の隣り」(新潮社 昭和36)
○獅子文六 「可否道」(新潮社 昭和36)
○井上靖 「洪水」(新潮社 昭和37)
○子母沢寛 「ふところ手帖」(中央公論社 昭和36)
○内田百痢崚豎て惨谷驛」(新潮社 昭和35)
     

ということで・・・勝手に決めてみました。

この10点、すべて手にとってご覧いただけます。
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