図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2009年04月

雨にたたられた野毛大道芸

いつも晴れの日が多い野毛大道芸も、今年は大雨と強風に悩まされてしまった。
土曜日は一日中大雨。今日は青空と思ったら、強風。
何とか早く収まって、見に来た人たちが心から楽しめるようになってほしい。
ジャズ・ストリートと並んで、全国的に有名になった行事ですから。
当店にも、京都から大道芸を観に来た方が、大雨にたたられて立ち寄ってくださいました。

1986年から始まった野毛大道芸も今回で25回目。
最近は伊勢佐木町やみなとみらいでもやっているし、静岡ではもっと規模の大きなお祭りもあって、少しマンネリ気味か。
いま少し、往時の勢いがなくなっている気がする。
空中ぶらんこや、ドイツのサーカス、スペインの演劇集団、モンゴルや韓国の大道芸人を呼んだりした、熱気は今やどこに?

野毛の大道芸も、お祭りの日だけではなく普通に街の中に溶け込んで欲しい。
週末の土日には、いつも2〜3組の投げ銭のパフォーマンスが見られる街になって欲しい。
車を止めなくても、小公園や街角で気楽に、突然始めてもらいたいものだ。
たまには野毛坂通りを歩行者天国にして、イス・テーブルを並べてカフェテラスにして。
野毛お得意のジャズでも演歌でも、パントマイムでも講釈師でも良い。
それが本来の大道芸でしょうから。

野毛の年表を見ると「1876年、この頃より野毛不動の縁日が始まり、野毛坂から、本通りに見世物、大道芸、物売りが立ち賑わう」とある。
また、「1864年、この頃より、舶来軽業が興行され、街がお祭り騒ぎになる」とも、ある。
開港した横浜の、ことに野毛の下町は芸人の闊歩する街だった。
横浜版画にも大道芸を楽しんでいるシーンがいくつも見られるように・・・。
「1925年には、奇術師・松旭斎天勝が横浜喜楽座でジャズを演奏する」という重要なシーンも眼に浮かぶようだ。

ジプシーの源泉といわれるインドの大道芸、曲芸師、軽業師、絵解き師・・・。
モロッコ大道芸の基地、マラケシュのジュマ・アル・フナ広場の、楽師、手品師、蛇使い、猿回し、ダンス、講釈師。
すべて投げ銭対象の芸の洪水のような圧倒的な喧騒の世界、とまではいかないが、気軽に大道芸に出会える街の復活を願うばかり。
開国祭ヨコハマ150のパフォーマンスとして、フランスの巨大人形集団「ラ・マシン」の大クモがダンスを踊ったらしいが、これも現代の最大の大道芸だ。

ところで、4月23日はサン・ジョルディの日で、ユネスコ認定の「本を贈る日」「または、「子どもの本の日」だったのですが、何年たっても盛り上がらず、忘れられた日になっているのが悲しい?
男性は花(赤いバラと麦の穂)を女性に、女性は本を男性にと言うらしいが・・・。

今回も2〜3関連所を紹介します。
大道芸の一般書は皆無に等しく、朝日文庫から出ていた「旅芸人の世界」は貴重な1冊。

旅芸人の世界


アジアの旅芸人の写真が満載(絶版)


もう1冊は絵本「ぼくの村にサーカスがきた」(小林豊・ポプラ社刊)
アフガニスタンの村人と旅芸人との交流を美しい絵で描いた秀作。

ぼくの村にサーカスがきた


サーカスがらみでもう1冊。
小沢良吉(絵と文)「ほしのサーカス」(福音館書店刊・絶版)
これも絵が魅力。

ほしのサーカス











「象のいない動物園なんて・・・」とは、言わないで。

今日はシイク(419)の日(飼育の日)で、動物園ではイベントを行うところもあるそうです。
・・・ということで今週は動物園の話を。

当店前の路地を奥へ向かうと行き止まりかと思わせて、鍵の字様に曲がり、看板なし居酒屋「むさしや」さんの前を通って、動物園通りに出る。
この道はぐるっと廻ってまた、野毛通りに出て、当店のすぐ横へつながる。
なんのことはない、逆廻りですぐ野毛坂通りに出ればよいのですが、ちょっと遠回りして動物園通りを使いたかっただけの話。

野毛坂どおりを上り、交差点を進むと左側が横浜中央図書館。
ずんずん登って、野毛山公園を右に見て3〜4分で陸の頂に出る。
そこが野毛山動物園の入り口だ。



昭和26年開園の野毛山動物園は、昔も今も、ことに土・日は子ども連れの人気スポット。
入場無料になって平日も幼稚園や小学校低学年の遠足地の定番ともなっているようだ。
ゾウのハマ子はとうに亡くなって少し寂しいけれど、まだ、百種を超える動物をごく間近で見ることができるのがうれしい。
昔日本庭園だった起伏を生かして動物を配しているので、脚力を鍛えるのにはちょうど良い散策コースだ。

ここと野毛山公園を周遊すれば、俳人たちの句吟コースとしても仲々の魅力。
ここには中村汀女の「蕗のうたう おもひおもひの夕汽笛」、このほかの句作の句碑もあるし、動物の仕草も俳句をひねるにはもってこい。

また、動物園に戻って、ここにはゾウはいなくなったのですが、ライオンもアムールトラもキリンもいます。
人気のレッサーパンダもペンギンもただで見られるのですから、散歩好きにはこたえられません。
中央図書館で疲れた頭を休めるのにもおすすめ。
チンパンジーやオラウータンとご対面してみては・・・。
カメラ好きには桜の季節、あるいは夕陽のきれいな日、この入り口の歩道橋から眺めるランドマークや日没の光景もおすすめスポット。

珍獣や広々とした環境では最新のズーラシアや金沢動物園には及びませんが、町の散策コースにはなくてはならないところです。
無料だし!


このあたりでおすすめの本をご紹介します。
いずれもお子様連れの(動物園帰りか?)お客さんにおすすめしているものです。

1.動物園を描いたもはや古典「かばくん」岸田衿子さく・中谷千代子え(福音館書店刊)
同じコンビで「かばくんのふね」も

かばくん



2.動物がの第一人者、薮内正幸氏のこれももう古典「どうぶつのおやこ」(福音館書店刊)

どうぶつのおやこ


この本は文章がないのでお子さん一人で楽しめます。
ページめくりの練習にも良い。
乱暴にページをめくると破れてしまいますから。


3.動物園好き、競馬好き(というよりは、馬の走っている姿が好きなのでしょうが)の幸田文さんの「動物のぞき」(新潮文庫)。
土門拳の写真も立派。

動物のぞき



4.室尾犀生{動物詩集」昭和18年刊の復刻版(ほるぷ出版)
どんな小さな生きものたちにも詩人の眼を注いだ詩篇・春夏秋冬。
「虻のうた」「蚊とんぼのうた「なめくじのうた」「ぼうふらのうた」「こほろぎのうた」「冬の蝿のうた」など。
恩地孝四郎の絵。

動物詩集



いずれもお店でご覧ください。 
当店も動物園も、月曜日は休みです。























ブエナビスタ圧勝

やはりブエナビスタは強かった。
絵に描いたような追い込みで差し切って今年の桜花賞を、ものにした。
波乱は起こらず、当店前、JRA・B館も落ち着いた人たちの動き。
今日はブエナビスタの優勝を祝って、ヴィム・ヴェンダーズ監督の「ブエナビスタ・ソシアル・クラブ」のビデオを流したい。
キューバの老ミュージシャン達の名人芸を楽しもう。
それが終わったらCDも静かに流し続けるとするか。
いつも落ち着いて澄ましている名馬のために。

CD


当店では、会話の妨げにならぬ程度の音量でCDを流しています。
(レコードもかけたいのですがプレーヤーが故障で聞けない状態です。残念!)
バッハ、モーツァルト、シューベルト、ブラームス、ドビュッシー、ラベル・・・などからバロック、ルネッサンスのリュートやリコーダーの曲まで、気分しだいでいろいろかけています。

ジャズが似合いそうなお客さんには、ジャズギターの名人の演奏を、(特に最近10枚組みCDを入手したジャンゴ、ラインハルトを掛けまくっています)、女性客にはシャンソンやカントリー系の女性歌手など、あまり目立たぬよう流しています。

若者たちが来たときにはケルト・ミュージックやブルース、フォークミュージックの古典カーター・ファミリーやウディ・ガスリーなども流します。

本当は美空ひばりや三橋美智也、エノケン、ついでに古今亭志ん生の「大津絵」の流したいのですが、未だ実行できずにいます。
(一度、平原綾香の唄う「蘇州夜曲」やグレープバインの「It was raining」を流したことがある。)

また、バド・パウエル、ビル・エヴァンスなど大音響で流したい気分になることもあるのですが、これも未だ無理、自分の家じゃないんですから・・・。

無音もいいのですが、お客様と1対1のときは緊張感を緩めるために低音の美しい音が必要でしょう?
また、お客様同士の会話が筒抜けになるのも気になるでしょうから、バックグランドミュージックと称するムード音楽などは大嫌いなのですが、軽い音楽が不可欠では?と思ったり、試行錯誤の毎日です。


今週は競馬の先達お二人の文庫になっている名著をご紹介します。
山口瞳「草競馬流浪記」(新潮文庫)
草競馬流浪記


寺山修二「競馬への望郷」(角川文庫)
競馬への望郷


どちらも、絶版です。





















花見の最長コースは弘明寺から

今週末、土日は、咲きかけていて開かずにいた桜も一気に満開に、競馬の人も相まって、野毛はかなりの人手。
春休みの子ども達をつれて、野毛の動物園も久しぶりに賑わいを取り戻したでしょう。


お花見の最長コースは、まず、京急弘明寺を降り、横浜最古の寺で鉈彫りの平安仏の十一面観音を拝むことから始まる。
鉈彫り



境内で花祭りの甘茶を味わってから、観音通りから大岡川沿いの桜道をひたすら下り、黄金町・日ノ出町・都橋に出る。
都橋のたもとの小、ぶりだが格調ある枝垂桜を干渉してから、野毛本通りを野毛坂へ進み、野毛の公園か動物園の桜の下で花見弁当で一休み。
これで半日コース。

余力があれば、さらに野毛の切り通しを抜け、井伊掃部頭の銅像のある掃部山公園へ。
ここは陽が落ちればライトアップで夜桜が楽しめる。お酒はここで。
酔った足取りで不謹慎ながら、伊勢山神宮の桜を楽しみつつ、成田山へ。
お不動さんに祈願して、石段を踏み外さぬように注意しながら下りれば、桜木町駅はすぐソコ。

こんなに歩きたくない人は、三渓園か野毛山公園でお気に入りの桜を決めて、花見で1杯。
つまみは花びら1、2片。

今月は花の季節ですから、日本の山野草を中心に花の本を展示しています。
ボタニカルアートや写真で日本の野生の花をお楽しみください。

今週のおすすめの文庫は、宇都宮貞子さんの「春夏秋冬の草木」(新潮社文庫4冊)
小さな名著です。熊田達夫さんの写真も良いし・・・。
冬の草木


ほかに宇都宮貞子さんの植物民俗学や野の花エッセイ本などいろいろございます。
草木覚書


ご来店をお待ちしています。





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