図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2009年09月

日本の秋を彩るヒガンバナ、マンジュシャゲ、カエンソウ、キツネバナ、シビトバナ

9月の連休の後半は例によって、水汲みで山梨行き。
お彼岸時はヒガンバナの季節。

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当地のマキの巨木や石仏が魅力の古刹清泰寺は、この時期ヒガンバナの隠れた名所となる。
六地蔵や如意輪観音の石仏には、ヒガンバナが良く似合う。







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ちょうど花の最盛期でしたが、例年より少し花の数が少ないような気がする。
ヒガンバナはあまり密集しすぎると球根が大きくなれず花芽が出来にくいのでは・・・。










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我が家の赤・白のヒガンバナも数年立つと上へ上へと出来ていく小球根が密生して、地面から盛り上がって、頭が出ている状態。
同じように今年は2〜3本の花しか咲いていない。
植え替えが必要と思われる。



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白花は九州地方ではよく見られると、どこかで聞いたことがあるが、ヒガンバナの名所は福岡でも大分でも赤花で、野生の城花の自生地は見たことがありません。






今時分、新幹線で車窓を見ると、田んぼの畦はどこもヒガンバナの赤が良く目立ち、日本の田舎の原風景を見るようだ。
畦に意図的に植えたのは、ネズミやモグラの侵入を防ぐためとか言われるが(ヒガンバナナの球根はリコリンという毒素を含んでいる)、やはり飢饉のときの食料と言うのが本当のところと思われる。
(球根を砕いて水に晒して毒を抜くと、良質のでんぷんが取れる)

こんなに華やかな形と目立つ色からして、万葉の昔から各地方で色々の名前が知られている。
万葉集にも歌われたようであるが、未だその名前が特定されていないようです。
(牧野富太郎は、イチシという説を方言の一つとしてあげている)

基地にもよく見かけることから、ユウレイバナ、シビトバナ、ジゴクバナ、ステゴグサ、ヤクビョウバナなどの名もあり、忌み嫌う人もいるが、この花の色も形も純粋に美しく立派だ。
子どもの遊びで、ヒガンバナを首飾りにして仏像の瓔珞のように石仏にかけたりするが、この花にふさわしい典雅な使い方を子どもの方が知っていたと言うべきか。
テンガイバナ、キツネノアイサツ、ジュズバナ、という名もある。

さて、関連書としては次の3冊。
1.哲学者で古代史や民俗学、万葉集などに造詣が深い山田宗睦さんが以前、ヒガンバナの方言集をまとめたいと言ったことがあると記憶しているが、「日本植物方言集」には412の名が記録されていると言う。
山田さんの「花と文化史」は「花の日本人の交渉史」を目指した注目の書。
(無論、絶版)

花の文化史


2.柳田國男「野草雑記」(角川文庫)
「野鳥雑記」と共に一冊に。
特にその中の「狐の剃刀」(キツネノカミソリ)ヒガンバナの章。

3.牧野富太郎「植物知識」(講談社学術文庫)

植物知識


ビールの季節はこれから

昨日、今日は大桟橋ホールで地ビールの試飲会「ジャパン・ビア・フェスティバル2009」が開かれている。
200種以上の国内外の地ビールの試飲が出来て好評だが、土・日だけでは仲々行けそうもない。
4300円も少し高めだけれど・・・。
日本の地ビールのほとんどが味わえるのが魅力。
この会場は日本酒のお祭も開かれているが、海に囲まれた気持ちの良い場所で、試飲会やファッションショーなどにはピッタリの雰囲気を持っている。
いつか、ベルギービールやドイツビール、イギリス、チェコなど世界各国のビールのフェスタが開かれないかなあと夢想している。
ビールの輸入業者さんに期待。

当店でも、珍しいビールを見つけるとすぐ試飲と称して店に置くことにしている。
味はもちろんですが、ビンにもラベルにも色々個性的なものがあって楽しい。
現在ドイツビールが一番多いが、ベルギー、チェコ、フランス、オランダ、イタリア、イギリス、ケニヤ、タイ、インド、メキシコなど、20種くらいは常時置いてある。

白ビール、黒ビール、酸味のあるもの、甘いもの、、アルコール濃度9%以上のもの、各種スパイスやハーブの入ったものなど、日本で入手できるビンビール、缶ビールの種類も200種を超えていると思われる。
これに着目してビールごとに料理を考えた本が勝身利子さんの「ビール好きの料理ノート」(晶文社・1997年)
ビンビールの写真と料理のイラストが見開きページに載っていて、見るだけでよだれが出てしまう快作。
ビールの他に日本酒とワインの本も揃ってっていてさすが。

ビール好きの料理ノート


世界中のビールを扱った入門書としては渡辺純「ビール大全」(文春新書)が良くまとまっている。
この新書も「チーズ図鑑」「中国茶図鑑」も出していて、優れた入門書となっている。

ビール大全


ビールの歴史を扱った「ビールと日本人」(河出文庫・キリンビール編)がよくまとまっていて、これ1冊で、日本のビール普及史を読むことが出来る。もう品切れですが・・・。

ビールと日本人


もうすぐ、ドイツ(ミュンヘン)ビールの祭典「オクトーバーフェスタ」が、横浜でも赤レンガ倉庫で広場にもテントを張って開かれる時期になった。
一年は早いこと。
同時にジャズストリートも開かれますから、横浜へどうぞ。
ビール・イン・ヨコハマについては、また、書きます。

今週のシルバーウイークはお店はお休みになります。
22/23/24日は臨時休業。
山梨へ水汲みに・・・です。

ゾーヴァからアンリ・リヴィエールへ

短かった夏も過ぎると、9月は展覧会のシーズン。
注目すべきは横浜で開かれている二つの童画・挿絵の展覧会。
挿絵と言うよりは文学作品と共演する絵画作品というべきか。

その一つは、前にも触れたことのあるミヒャエル・ゾーヴァの展覧会。
(横浜そごう美術館 9月4日〜27日)

ミヒャエル・ゾーヴァ展

「描かれた不思議な世界」と副題に添えられた、ドイツのイラストレーターのヨコハマ初登場。
「ちいさなちいさな王様」や「エスター・ハージー王子の冒険」に添えられた作品や、映画「アメリ」で使われた小道具としての絵やランプ他、代表作品130点が並んでいる。
いずれも静かな画面から物語が広がって心の中に染み入るようなゾーヴァのイメージの世界。
アニメーションの「ウォリスとグルミット」の背景を手がけたり、たくさんのカードも描いている。
ゾーヴァの名前を知らなくても、どこかで眼にしたことがあるのではないでしょうか。

もう一つ。
日本の生んだ最も秀でた絵本・挿絵画家の「子どもたちへの贈りもの」茂田井武展。
(県立近代文学館 9月27日まで)

茂田井武展

有名な「セロ弾きのゴーシュ」の挿絵原画や、パリ滞在中の画帳、日記、装丁画、「キンダーブック」に発表された原画など、ちひろ美術館に寄託された作品を中心に集められています。
いずれも、子どもたちへの愛情にあふれた作品群。

茂田井を楽しんだなら、ついでに横須賀まで足を伸ばして横須賀美術館へ。
ここには茂田井と並ぶ童画家・谷内六郎の特別室が作られているし、今開いている「パウル・クレー 東洋への愛展」が必見の展示。
(10月18日まで)

ここまで来れば隣の葉山は近い。
神奈川県立近代美術館では、フランスの浮世絵師・アンリ・リヴィエール展が始まった。
(10月12日まで)

アンリ・リヴィエール展

ヨーロッパで19世紀末に一大ブームを興したジャポニズムに強い影響を受けた、写真家・版画家アンリ・リヴィエールの木版画作品は日本人の作品とみまごうばかり。
広重の「東海道五十三次」や北斎の「富嶽三十六景」の世界が、パリやヨーロッパ・アルプスに移され「エッフェル塔三十六景」「美しき国ブルターニュ」シリーズに結晶されている。
ほとんどが日本初公開、オルセー美術館、パリの国立図書館所蔵の品。

ひばり映画祭にお出かけを。

先週から今週にかけて、店の合間を見て映画4本を観た。
学生時代は3本立て名画座を観てから、オールナイト興行(人生座)「人間の条件」全巻?(5部作)「大菩薩峠」全巻?「宮本武蔵」全巻?など続けても普通のことでしたが、今は無理。

4本中3本は美空ひばりの旧作映画。
1.悲しき口笛 2.鞍馬天狗・角兵衛獅子 3.お嬢さん社長の3本。

J&B(シネマ ジャックアンドベティ)で始まった「ひばり祭」は3〜4日ごとに作品を変え2本立て興行、美空ひばりの代表作品を連続上映している。(9月18日まで)
付録として「力道山物語」(1995年・日活・ひばりの登場する1シーンもあり)も、5日より18日まで、朝1回だけ上映とのこと。

ひばりファンは全部観れば良いのですが、ひばりに関心がない人でも映画ファンならば「リンゴ園の少女」「山を守る兄弟」(大佛次郎原作)の清々しいシーンや、「ひよどり草紙」の大活劇シーン、和風ミュージカル「恋すがた狐御殿」(中川信夫監督)にはワクワクすること請け合い。
川島雄三作品の「お嬢さん社長」も会社乗っ取りを絡ませて、よく出来た映画。
「悲しき口笛」(1949年 家城巳代治監督作)もひばりの12歳の役者としても一流のところを見せた会心作。 
ラストのシルクハット、燕尾服にステッキ姿で歌う有名なシーンにはゾクゾクさせられた。
戦後すぐのヨコハマの桜木町〜港の焼け跡やバラックの建ち並ぶ光景も貴重。
「鞍馬天狗・角兵衛獅子」(1951年)は山田五十鈴と張り合うほどの子役「ひばり」の杉作少年が見事。
画面は薄くぼやけた状態があるのが残念だ。

ひばり祭


ところで、後一本はと言うと、ハンガリー映画「人生に乾杯」。

人生に乾杯!


今、話題の(?)老年銀行ギャングのお話。
年金生活の81歳と70歳の夫婦、年金はあまりに少なく、電気は止められ、ダイヤの結婚指輪までかたに取られて・・・。
愛車ロシア車「チャイカ」が主役のような活躍ぶり。
ラストの少し古いブルース風のロックミュージックも魅力のおすすめ映画。
(J&Bで18日までロード・ショー。もっと続くかも。) 
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