図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2012年10月

海の見える駅は可能か?

10月14日は鉄道記念日。
明治5年、新橋→横浜間に鉄道が開通して、今年は140年。
新橋は元々の駅舎の基礎部分がほぼ残されているのがわかり、駅舎も復元されている。
東京駅は1914年創建当時の姿を取り戻した。
ドーム屋根には宮城県雄勝産の天然石スレートが使われ、見事に復元された。
(この資金のほとんどが近隣ビルへの地上権(空中権)売却から出ていると聞いて違和感を覚えた。都市景観のために作った高さ制限を、お金で買った地上権で簡単に破っていいのか?当然のことのように地上権を売買できるものだろうか?気にかかる)

この東京駅は、丸の内のランドマークとして絶対的な人気を得るだろう。
東京観光の目玉ともなる魅力的な建築遺産になるだろう。

翻って、横浜はどうか。
横浜駅(三代目の駅舎)は、スクラッチタイルを使った震災後の重厚な駅舎は取り壊され、何の特徴もない駅ビル商業施設となってしまった。
「港が見える駅」構想は、実現できるだろうか。

桜木町駅(旧横浜駅)は、駅舎ともいえぬプラットホームだけの施設となった。
日本初の駅らしいものと言えば、モレルのプレートだけだ。
情けない。
待合室はおろか、まともなイスさえ無い。
人待ちの人は、改札前に立っているか、柱にもたれているばかりだ。
ご老人は座る場所もないので、モレル碑前のチョイがけバーによりかかることしかできない。
桜木町は、港ヨコハマの玄関駅。
みなとみらいの駅として重要な駅ではないのか?
ヨコハマ観光の拠点駅はこのままでよいのだろうか?
横浜市はJR東日本と話し合ったことはあるのだろうか?
気にかかる。

駅裏には、道路を挟んで鉄道発祥の地の立派な記念碑があるが、だれも行くことのない(行きにくい!)場所になってしまっている。
駅全体のプランを直して、近代的でスマートな駅舎を作る必要がある。
(それにしても、高島町にあった二代目駅舎の立派なことよ)

駅


今の横浜市は意外と都市景観や(港の景観)や、歴史的建造物の保存に消極的だ。
林市長の発言はなかなか聞こえない。
震災戦災にも耐え抜いた旧野澤屋ビルは取り壊され、野澤や外壁のレプリカ(というのも恥ずかしいようなお粗末なレプリカ)を貼りつけた、安っぽい建物に変わった。

産業遺産として重要だった新子安のビクター工場のファサードも、移転資金のめどが立たず壊された。
いずれも横浜市の歴史的建造物として、指定されていたものだ。
関東大震災と第二次大戦という2度の壊滅状態を経験した横浜市の歴史的遺産はそれでなくても少ないのだから、まずは残す方向で活用しなくてはならない。

平塚市では、横浜ゴム記念館(明治の洋風木造建築)を公園に移築、ギャラリーやコンサート会場として活用を図った。
藤沢市では、放火で焼けてしまった横浜の建築家モーガン邸と庭を公園+防災拠点としても使えるようにして、一部の復元も考えているようだ。
小田原市では、政財界、文人、茶人の別荘を多く再利用、観光施設として活用している。
茅ヶ崎も大磯も同様だ。

横浜市ではかつて野毛山からは港の風景や花火が良く臨めたが、今や市長公舎からも港の風景が見えなくなってしまった。
これは林市長のせいではないが、これでは市長公舎を訪れた海外の賓客たちに、庭のガーデンパーティーは開けない。
港の見えない庭では恥ずかしくて説明がつかないだろう。

港周辺の活用と景観がいよいよ重要になっている。
私の施設(結婚式場)に港の景観にとって重要な場所を与えてよいのかどうか。
問題は大きい。

富士山が冬服に着替えた日

19日(金)山梨行き。
いつものように勝沼インターで降りる。
ここから南アルプスの山梨側全貌が見られる。
衝立の一番の高見は白峯三山。
一番右にピラミダルな山容の甲斐駒も見える。
ここからは摩利支天のコブはあまり目立たないスマートな山容だ。
白峯三山が白く光っているのは冠雪か?どうか、はっきりしない。
韮崎のセブンイレブンで、ふと振り返り富士を見ると堂々たる冬の姿。
五合目近くまで冠雪している。
一夜にして、冬の富士に変貌した。
やはり、白峯三山も雪だったと確認。
甲斐駒も初冠雪だったようだ。

今年の紅葉はかなり遅れ気味、遅れているというより、紅葉しないで枯れて落ちてしまう樹々も多い。
山荘のカシワの葉など新緑と見間違うほどまだ夏の葉のママだ。
快晴の青空を見上げているとレースのような葉の形で飾られたネムノキが騒がしくなった。
この木には、冬の日光の力が弱まってくる3時から4時ころに、カラ類の野鳥がやって来る。
冬の楽しみはもう、始まっている。
シジュウカラを中心に、コガラ、エナガなどが混じっている。
20羽くらいの野鳥が5・6分、このネムの枝で虫を探している。
この様子を見ながら焚き火をするのも、晩秋〜冬の楽しみ。

日本の夏は9月まで長引くと湿度が少なく清澄な空気の快適な季節は、ほとんど一ヶ月もなくなってしまう。
10月下旬のこの頃では、昼間は良いとして、朝晩は15度を切り、10度の以下に近づく初冬の気候だ。
夜は指先が冷たく室内でもこわばってくる。
これは落葉がほとんど落ち切る気温のはずだが、まだ緑が多いこの頃。
夏から冬に一直線、快適な日本の秋はどこに行ったのだろうか。
焚き火はすでに始まっているが、落ち葉焚きとはいかない。

クロツグミはここヒノキの林と後ろの雑木林を定住と決めてしまった。
ツガイの姿をよく見かけるようになった。

この日は年に一度の骨董市、旧街道は賑わっている。
露天のバックになる白壁と横に伸びたアカマツの巨木やコウマキの姿の良い古木が良く似合う。

松


わが町内の清泰寺の金銀のモクセイと、このアカマツを白州の名木としてご覧いただきたい。

きんもくせい


キンモクセイ








「同じ星を見ている・・・」の記

足元にゲンノショウコの白い花が咲いている。
空気は澄んで甲斐駒を中心とした山並みの輪郭がくっきりと見えるようになった。
手前の里山はまだ緑だが、少しずつ黄味が加わっている。
ここ山梨県北杜市白州町は稲刈りも済み、キノコ狩りの季節となった。
今年は雨が降らず、収穫は少ないようだ。
カラマツ林に出るジコボウを少し見かける程度だ。
昔の白秋はアカマツ林が多く、マツタケ狩りの名所でもあったようだ。

星の作家でハマッ子の野尻抱影と俳人・山口誓子とのコラボ「星戀」を読んでいたら、白州白須の松林でキノコ狩りをした話が出てきた。
県立公布中学に英語教師として赴任していたころだから、明治の終わり、明治40年代頃と思われる。

星まんだら


ひとつぼし



そういえば、今でも白州近辺には松の名木巨木が多い。
旧蹟には必ず松の巨木を見ることができる。
しかし、案の定、この辺りもマツクイセンチューの被害は大きく、名木は次つぎと枯れてしまった。
我が家の裏山の天辺にも見事なアカマツの巨木が何本も生えていたが、次つぎと枯れ、切り倒されて、残る巨松は1本だけとなった。
切り株には巨大なキノコ、マツオウジが生える。
このキノコ、食用キノコか毒キノコか、微妙なところだ。
少々注意を要すると言ったところか。

毎晩、この裏山のアカマツのシルエットから月が昇り始めるのを見るのも、秋の楽しみの一つだ。
抱影が愛したオリオン座も、すぐそばに控えている。
「同じ月を見ている」のフレーズ「異う場所で同じ月を見ている人がいる・・・一生会うこともない人が・・・」と、谷山浩子のNHK深夜便の歌が飛び出してくる。
谷山浩子はデビュー40年と聞いた。
恐るべき年数だ。
小生が、「谷山浩子童話館」という谷山最初の本を編集したのが37〜8年前と言うことになる。
谷山サンや中島みゆきがもうすぐ60歳になろうとしているとは・・・驚きだ。

閑話休題、山口誓子の「オリオンが出て大いなる晩夏かな」を過ぎ、「オリオンが枯木に光る宵のほど」に近づきつつあるこの頃、抱影が信州往還(甲州街道)の宿場町で一番好きだった白州台ケ原では今週、金・土・日(19・20・21日)の3日間、台ケ原宿市が開かれる。
今年で10回目となったこの市は200店以上のクラフト・骨董・農作物の店が集まる白州最大の市となった。
美しい星空や甲斐駒にかかる金星も見られます。
是非おいでください。

(この白州から望む甲斐駒の山容は、摩利支天の大岩壁が目立つ魁偉な風貌だが、裏の南信州から見るとピラミッド形のすっきりした山容となる)

野毛よ、さらば!

仲秋の名月の日、台風17号の強風の中、当店は閉店いたしました。
7年という短いような、長いような時間でしたが、ご来店いただいたお客様に感謝申し上げます。


「いつまでもあると思うな・・・」が現実となりました。
大量の本や書架は十数回にわたって山梨の家に運び、やっと一息入れたのが10月2日、山梨ではまだミンミンゼミの鳴き声がして驚いた。
しかし、これはラストソングだったようで、3日4日はもう声を聞かない。
おそらくこのセミは仲間がすべていなくなっているのを知って、絶望したのではないか。
収穫の終わった田んぼの空はすべてアキアカネの群れでいっぱいだ。
ヒガンバナも盛りを過ぎている。
9月中旬には初めてクロツグミのオスを確認した。
マックロだ。
やはり茶色のメスが、2羽近くにいる。
いつもの美声ではなく、グェッグェッとカエルのような地声だ。
これですっきりした。


今後は甲斐駒ケ岳山麓の北杜市白州町唯一の古本屋をめざして、書庫整理の日々が続く。

白州夕暮れ



この本の山がすべて書棚に収まるだろうか?かなり疑問。

本の海3本の海2

本の海4本の海1


とりあえず、ネット通販を充実させていかねば…。
とうとう、野毛をおさらばするのですが、ブログで書き残したことも多い。
ジャズ喫茶「ちぐさ」は書いたが、「ダウンビート」を書いていない。
野毛に取りつかれて通い続けた、故平岡正明のことも書いていない。
野毛浦の切り立った崖と海、石垣の色々も…書けなかった。
昭和の街の雰囲気を少しは残している野毛地区だが、もっと素敵な家並みを残す町が人知れず残っている。
その町のことも少しは紹介したい。気持ちもある。
ブログはもう少し続けたい。
(野毛・秋の大道芸とジャズプロムナードの初日の日に記す)

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http://home.netyou.jp/33/fushin/
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