図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2013年05月

大井川鐡道を100%楽しむ方法?

先週の日・月は、もうすぐ3歳になる鉄道マニア少年に付き添って、日本のSLの聖地・大井川鐡道に乗ってきたので、いくつか写真を並べてその簡単な報告をしたい。

出発駅は大井川下流の新金谷駅。
東海道本線金谷駅のお隣、旧東海道もすぐ近くを通っている。
新金谷駅者も立派なものとは言えないが、創業当初の建物を使っている。
レトロな外観だが、改札横にはモダンなカフェも併設されていて、そのアンバランスが合おもしろい。
新金谷駅

同じく、関東の鉄道マニアの聖地・鶴見線は木の床を持つレトロな茶色車両を簡単に捨ててステンレス車両に切り替えてしまった。
さすが、JR東日本は鉄道マニアになびくことはない。
暇な土・日の営業日くらいは周遊券やガイドなども用意してもよさそうなのに、それもない。

それとは正反対にレトロ路線を突き進んでいるのが大井川鐡道。
全国からお払い箱になった蒸気機関車や客車を集めている。
それ以外にも、通常運転にも近畿鉄道・京阪鉄道・南海鉄道のレトロな昭和の電車を走らせている。
今はほとんど消えた硬券切符もここでは健在だ。

SLは毎日運航されている。
SLsSL2















日曜のSLはまるで宴会場のようなにぎやかさ。
途中駅までSLに乗り、バスで戻ったり終点で寸又峡温泉などに行く人が多い。
何度も行き来する車内販売や記念写真屋さん、ハーモニカ車掌(女の人だが、ちょっと参ってしまう…)に団体さんや年配者が手拍子で答える。

しかし、平日はハーモニカ車掌さんも渋いおじさんで、雰囲気はずっと良いし静で好ましいが空席が目立ち気がかりだ。


また、土日でも人気はSLに限られていて、大井川源流に沿って登る井川線を乗り継ぐ人があまりに少なすぎるのが残念だ。
井川線井川線2





連結アプト式












すばらしい渓谷美と森林風景、数多い吊り橋、ダム、茶畑という観光資源がありながら、さらに日本では現在唯一のアプト式鉄道区間を持ちながら、観光客が少なすぎる。
 渓谷眼下










ダム湖ダム






何とかしたい。
ユネスコの世界鐡道遺産の登録を目指して、外国人観光客を増やしたい・
外国人観光客を意識した吊り橋を活かした駅からのトレッキングコースも充実させて、良質な宿泊施設も必要だ。
南アルプスの登山口でもあるから、本格的なトレッキングコースも用意して・・・。
歩くのが苦手な人たちには、簡単な散歩コースや名物川根茶によるお休み処も欲しい。
山―渓谷―吊り橋―お茶―温泉をすべて楽しみたい。
ついでに下流のギネス世界一の長い木造橋「蓬莱橋」や牧之原の大茶園も必見。

蓬莱橋2蓬莱橋






南アルプスあぷとライン「井川線」はアプト式車両の連結を見学させ、民間鉄道では日本一の高さを誇る関の沢橋梁(高さ71メートル)では1分間停車というサービスまでして頑張っているが、頑張りついでに昔のお茶(陶製土瓶入り・川根茶)も復活してほしい。

ヨコハマは観光地として生き残れるのか?

東京の活気は、日本中の元気を独り占めしたようにすさまじい。
次々と新しい場所が生まれ、人々を集めている。
4月2日の銀座歌舞伎座の開館がそれを祝うかのようだ。
スカイツリーが下町に観光客を呼び寄せている。
それを映す運河も見直されはじめた。
浅草・隅田川と浜離宮を結ぶ船の交通や屋形船には、ゲートブリッジの風景も加わった。
東京駅の完全復元やステーションホテルには、これだけを楽しみに来る観光客まで集めている。
新国立美術館をはじめ、六本木周辺には次々と美術館が生まれ、丸の内にも赤レンガ街を復元した三菱ミュージアムも誕生した。
品川、新橋、お台場、日本橋、新宿、池袋…と街の再開発も盛んだが、渋谷の街並みの大改造もいよいよ始まった。
東急は、完成した渋谷ヒカリエの地下に駅を異動させた。
旧東急渋谷駅には、巨大ビルを建てる計画が進んでいる。
このところの円安で、浅草周辺のホテルや旅館は外国人観光客が格段に増えているのも東京観光の後押しをしている。


ひるがえって横浜はどうか?
みなとみらい、ベイブリッジ以来なにか観光客が楽しめるものは出来ただろうか?
あるいは計画はあるのだろうか?
街は美しくなっただろうか?
黄金町-日ノ出町の再開発は少しずつ進行中だが、横浜駅周辺の再開発は進むのだろうか。
東横線高架上の散歩道は実現できるのか?
クルージング人気で港が少しは復活できそうな気配はあっても、巨大船はベイブリッジをくぐれず、倉庫の並ぶ大黒埠頭にしか接岸できない。
本牧に新埠頭を作る案もあるらしいが、すぐにでも実現して欲しい。
外国人観光客をすぐ東京や箱根・日光に運ばせぬよう、横浜の一日を楽しんでもらいたい。
本牧埠頭―三溪園―山下公園―赤レンガ―桜木町の新しい新交通システム路面電車(トラム)が欲しい。
お帰りは観光船で本牧埠頭へ。
本牧と桜木町を結ぶのは地元住民にとっても、最大の願いだ。

東京のような巨大な観光施設は横浜には必要ない。
ただ、保存すべき建物はしっかり残して活用してほしい。
野沢屋ビルも、ビクター工場ファサードも・・・数少ない歴史的建造物をも守れなかった横浜市が、またまた遠藤於菟(おと)設計の帝蚕倉庫の消滅という危機を迎えている。

新聞記事


建物の表面だけを薄く剥がして貼りつけた様なファサード保存でお茶を濁してはならない。
神奈川新聞によると、所有者の森ビルは保存を前提に再開発計画を進めてきたが、景気動向を踏まえ方向を転換、解体も視野に住宅を中心とした超高層ビルを建設する方向で市と調整中という。
関東大震災後、生糸貿易復興の象徴的な存在だった建物を、守りながら再開発する当初の計画に戻していくことは、横浜市の都市計画を考えるうえでも最も重要なことだ。
これ以上歴史的遺産を消してはならない。
日本大通りに「三井物産ビル」という当時としては超モダンな鉄筋コンクリート造りの代表作を持ち、「越前屋」も野村洋三の「サムライ商会」も設計した横浜の建築家遠藤於菟については、別の機会に書きたい。

三井ビル
                        
(三井ビル)
          

三国庭園巡り

連休中の安・近・短なお楽しみは、中・韓・日の三国庭園巡りとなった。
いずれも入園無料。
大師公園の中国式庭園は、規模雄大な洞庭湖畔の庭とはいかないが、気持ちの良い庭だった。
中国庭園滝


さて次は、鶴見三ッ池公園の韓国式庭園にハシゴしよう。
元々鶴見は、横浜より川崎文化圏により近い。
大震災後の大横浜構想により、鶴見は横浜市に編入されたが、鶴見市場から尻手・矢向は鶴見川を越え、日吉も分割され横浜市に入るなど、この方面の境はかなり複雑に入り組んでいる。
依然、明治・大正生まれの方から川崎市鶴見区で年賀状が来たことがあったがが、無理もないことだ。
かつて総持寺門前から川崎大師まで路面電車が走り、臨港鉄道は川崎・鶴見の工業地帯を結んでいた。
鶴見操車場の大部分は川崎市にある。
かように鶴見と川崎は密接だ。
横浜の東の近郊は市電の終点・生麦だ。
(昭和19~20年の一時期だけ、市電は鶴見まで延びたが、終戦後すぐ廃止された)

さて、三ッ池公園に平成2年に作られたコリア庭園は想像以上に立派に整備されていた。
何が立派だといって、まず建物と土塀が朝鮮の美意識を体現している。
コリア庭園池壁










チャンスといわれる前苑の木彫も、建物の柱に掲げられた詩文も、屋根瓦も、庭の白い石土まで、いかにも朝鮮風で好もしい。

風が強く、屋根先に吊られた風鐸が心地よく響く。

コリア庭園の淵源は祖先を祀る立石や祭壇石、支石らを丘に立てることから始まったらしいが、山裾から流れ出る湧水を主庭の池や前庭に流すことで完成される。
池の上には木造の六角堂が建ち、後庭の一隅には醤油・味噌・漬物の大きな壺が並んでいる。(チャントッテ)
六角堂甕















李朝時代の特徴ある階段状の「花階」にはシャクヤクの花が美しい。
シャクヤク

そこには、「煙家」と言われるオンドルの煙突が立っているのも面白い。
オンドル煙突


もうひとつは三ツ池に程近い、同じく川崎・鶴見を走る臨港バスが通っている東寺尾・馬場町の「馬場花木園」。
横浜の和風庭園としては三渓園だろうが、規模が異いすぎるし、鶴見~川崎文化圏からといえばここに落ち着く。
ここには古い時代の和風建築がないので、すぐ近くの江戸時代の名主・沢辺家の長屋門(馬場の赤門と呼ばれている)を含めて、和風の池やサギソウなどの日本の山野草を楽しむ庭だ。
馬場花木園

池畔に建てられた東屋でお弁当やお茶でもゆっくり楽しみながら眺める、小さな庭も良いものだ
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