図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2013年08月

再び三陸バスの旅

前回行けなかった三陸海岸の岩手県側を、鉄道とバスで廻ってきた。
三陸鉄道やJR山田線の不通区間のバス運転状況が、今一つはっきりした情報がないまま、宮古から津波被害の大きかった山田町―大槌町―釜石へ。
途中「道の駅やまだ」でバスの乗り換えをした。
こうした情報が盛岡でもつかみにくい。
山田町のカキ小屋や大槌町の復興食堂にも寄りたかったが、昼間のバス便、特に土・日はほとんどないので、途中下車はできない。
震災後の6月、我が家が古い車を提供した未だ仮説の平屋プレハブをつなぎ合わせて診療をしている県立山田病院の前を通ったとき、妻は感激していた。
そして、まだあの状態なの?とつぶやいていた。

釜石「橋上市場」がなくなり、その店を集めた「サン・フィッシュ釜石」くらいしかない釜石では1時間半の乗り継ぎ時間。

サン・フィッシュ

今日中に宿泊予定地の陸前高田に着けるだろうか。
土曜日だが、釜石に観光客はほとんどいないし、バスを乗り継ぐ物好きはいない。
釜石から普通の三鉄南リアス線をバスで、JR大船渡線終点の盛(さかり)駅近くのサンリアSC(ショッピングセンター)で降りると陽は落ちてしまった。
しかし、盛からは開通したばかりの心強い味方がある。
一部線路を使って走るBRT(バス)だ。

BRT

駅の構内に赤いBRTが入ってくると、鉄道復活のような安心感がある。
三陸鉄道の再開は来年4月というが、被災地の復興プランはもう確定したのであろうか。
大船渡を通り、越前高田に入ったのは夜8時半になっていた。

翌朝は高田松原の1本松を見てから、BRTで気仙沼に出て帰路へ。
BRTの臨時駅「奇跡の1本松」駅は、8月いっぱいで終了という。
日曜日なので、自家用車での見学者は結構多い。
壊れたユースホステルをバックに、1本松が復元されている。
細い枝や葉は何年持つだろうか。

奇蹟の一本松1


周辺ではクレーン車やトラックが往き来して、海岸線かさ上げ工事が始まっているようだ。

奇蹟の1本松2

山を切り崩し、高台への住宅地作りと山土取りの工事も始まった。
海が見えなくなる高さ12メートルの防潮堤(土手?)を自然を守る姿で実現できるだろうか。
各地区ごとに住宅の高台移転が進む中、湿地や入り海を取り入れた魅力ある公園はできないだろうか。
山寄りの奥地は盛り土して、公共施設や銀行をまとめ、店舗はそこを囲むようにして・・・。
街づくりのプランはまだ完全に決まったわけではなさそうだ。
復興名物「おつまみ板昆布」を買ってBRTに乗った。
気仙沼の乗り上げた船は撤去が決まったようだが、まだそのまま残っていた。

船


もうひとつ、
被災地大船渡印刷・発刊の「気仙語訳聖書」が見たかったが、どこにも見当たらなかったのは残念だった。

早矢仕有的という人物

もう、何年も十何年も来ることのなかった町でも、気に入った喫茶店や居酒屋の一つでも当時の姿をそのまま残しているのを見るとホッとして、その町が俄かに親しくなる。
街歩きの楽しさは、そうしたものだ。

横浜公園を歩いて、梅香亭が閉店しているのを再確認させられるのもちょっぴり寂しい。
ここのハヤシライスは、コッテリ、トロトロの少し後を引く味で、ファンも多かった。
ハヤシにこだわるなら、野毛のセンターグリルにでも行かねばならない。


ところで、ハヤシライスの名は早矢仕有的(ハヤシ・ユウテキ)からきているという説がある。
その証拠に、有的の興した書店「丸善」本店では、喫茶部の名物として今でもハヤシライスを残している。
ここのハヤシライスは正統的?ちょっぴり甘い味で、川崎ラゾーナ店の丸善でも味わうことができる。

木村毅の「丸善外史」によると、開港50年記念に横浜貿易新聞(新報社?)が募集した「横浜の功労者六大偉人」の一人に早矢仕有的が選ばれている。

早矢仕有的

有的が明治34年に死して8年後という時期だったからかもしれないが、有的の晩年は自ら興した銀行破綻をきっかけに丸善の経営からも手を引き、長年あれだけ親密だった福沢諭吉とも疎遠になっていた。
しかし、有的の残した事業の幅は恐ろしく広く、直接影響を受けた横浜人が相当いただろうと想像される。


元々医者だった有的が福沢と組んで横浜に興した「丸屋」(明治元年・後の丸善」は、書店と共に薬屋と診療所が併設されていた。

丸善

やがて、医学書や医療器具の輸入も始まり、西洋医学を学ぶ人々が集まり、野毛老松町「十全病院」につながる「横浜仮病院」の設立となった。
また、「丸屋」は欧米風会社経営を目指す「丸屋商社之記」をつくり、現代の株式会社組織の第一号となった。
他にも私立銀行、私立小学校、両替店、洋裁店、西洋家具など様々。
横浜にとっては、横浜正金銀行の設立に大隈重信らと力を尽くしたことが大きい。
また、「横浜瓦斯局訴訟事件」で高島嘉右衛門が多額の功労金を市当局から受けたことに喰ってかかったことは、当時の横浜市民には強い印象が残ったことだろう。

丸善はかなり早くから日本橋に出て行ったが、明治10年代には横浜の主要5書店の一つとして「師岡」「大誠」らと並んでいる。
特に西洋書籍では有名であったという。
有的の仕事があまりに拡がったため、また、丸善本店が早くに横浜を離れたため現在の横浜では忘れがちな名前になっているのは残念だ。

サービスエリアの階段を上ると、そこは博物館

夕暮れになるとあれほど騒がしかったヒグラシの声は、今回は少し寂しげに鳴く。
ミンミンゼミも少し交えて、暗くなる直前の1回だけだ。
無理もない、今年は7月の盛夏の気候だったのだから・・・そんなに長くは続かない。
二度目の盛夏が今週から始まったようだが、果たして千年の酷暑となるだろうか?
38度、39度、40度が1週間も続けば平安以来・・・と言われかねない。
ツクツク法師の出る幕はないのかもしれない。
7月初めに咲き終わったソバナの花が、穂を伸ばして二度咲きしている。
狂い咲きでも返り花でもないだろう、8月が正常の花期だから。

ソバナ

8月の中央高速はキョウチクトウ(夾竹桃)の白や濃ピンクの花ばかり目立つ。
勝沼から昭和インターにかけて一番元気なのがこの花だ。
排気ガスにも乾燥にも強い。


ここの釈迦堂サービスエリアには、全国的に珍しいものがある。
サービスエリアから直接歩いて行ける博物館だ。
下りのサービスエリアからは階段を登ればすぐ、登り方面でも扉を開け高速上の陸橋を渡れば、歩いて7分くらいで着く。
釈迦堂遺跡博物館だ。

石碑
博物館
中央高速建設に先立って調査、発掘された主に縄文大集落から出土した土器・土偶・埋甕・土鈴・土笛などが収蔵展示されている。



国の重文指定だけでも5千点を越えるが、なかでも1116点の土偶が出土したことが重要だ。
多くは破壊された状態で発見されていて、祭祀用に使われたようだ。
出産土偶、妊娠土偶、足形土偶、顔面土偶・・・土偶の取ってにも顔面・ヘビ・カエル・シカ・イノシシ・カワセミが表現されている。
有名な東北の遮光器土偶(縄文晩期)や、三内丸山(中期)の土偶のような完成された立体ではないが、土偶研究の書き換えを迫った重要な出土群だ。
入場料200円、安い!

しばらくは消費税を上げないで済む方法

横浜市旧市街の某所。
今では珍しくなった料亭が残っている古い落ち着いた住宅地に、新しい安手の建物が建った。
その壁面がこのあたりでは恐ろしく目立つスミレ色に塗ってある。
とおりを歩く人々があきれ気味に見ていくのがわかる。
すぐ近くの生垣や黒板塀に囲まれた純日本家屋を見ていた目には異様な風景に映るのだろう。
カラフルな新しい家が多い新興の住宅地では、これほど目立たなかっただろうが、ここではとんでもない行為に思える。
あの「まこちゃんハウス」はその後どうなっただろうか。
あのユニークな真っ赤な家は、木々の茂った森の中にこそふさわしかっただろうに、整然と区画された住宅地では反対運動が起こって当然だろう。
日照権をうるさく言うわりに、これほど景観におおらかになってしまった国も珍しい。
日本人も観光に来た外国人も、日本の美しさを知っている。
それなのに、なぜ・・・

街の郊外を車で走ると、恐ろしいほどの看板や色彩の洪水で頭がクラクラする。
少しでも目立ったほうが勝ちとばかりに、派手な色を使い文字を大きくする。
窓前面を広告に使っている店まである。
高級車のディーラー・ベンツやボルボや、スターバックスなどはさすがに店舗デザインに気を使っているが、飲食ドライブ・インなどは、ひどいものが多い。
街の景観などクソクラエといった輩には、対抗する強い規制が必要だ。
街を必要以上に汚しているものには、規制を作って倍返しをしてもらおう。

7月の酷暑・大雨災害・・・そして値上げの夏、消費税の8%も間近に迫っている。
しばらくの間だけでも消費税を抑える方法があるとすれば、看板広告などを規制する「道路景観環境税」の導入だろう。
アフガントラックの装飾も地味に見えるほどの中古車センターの派手さは、思わず笑ってしまうくらいだったし、店舗全体を黄と青で塗った不動産屋(このグループの本社が近くにあるが、普通のビルなにがセコイ。不動産価値を考えてのことか。)などは、十倍返しと言いたい。

中古車センター中古車センター2
不動産屋

派手な色彩で街を汚している店舗だけにかける税だ。
目立っても、廃業してつたで覆われている建物や、補修を繰り返しマンガに出てくるようなツギハギ建築になってしまったものは目を楽しませてくれるから、無税か。

ツギハギハウス


この税は税収が少なくなるほど、街が美しくなるのがうれしい。
県の条例だと税の不公平を云々する声が上がるから国の政策として、国道とそのバイパスから出発したいが、自民党でできるか?どうか。
プロフィール
ウェブサイト
お店のウェブサイト
http://home.netyou.jp/33/fushin/
クリックして応援!
どちらのボタンもクリックしていただけると応援になります。よろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 古本・古書へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
記事検索
携帯電話からもご覧になれます
QRコード
  • ライブドアブログ