図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2014年01月

富士の名水が流れる町・三島

三島は三島大社の門前町、そして東海道の宿場町として発展した町だが、今の売りは富士山の伏流水=湧水だろう。
世界遺産に登録された富士山が自然遺産登録であれば、この湧水やお隣の柿田川湧水も当然加わったはずだ。
源兵衛川、蓮沼皮、桜川、四ノ宮川、御殿川のせせらぎが街中を潤している。
高度成長時代から汚れ始めた川も、消えたミシマバイカモもゲンジボタルもカワセミも、今では蘇っている。

先ず、バスで清水町・柿田川源流の遊水地を見てから、街の中心三島広小路駅近くに戻り、せせらぎの道を散歩してみよう。
途中、旧東海道を通って、三島大社にお詣りをしたい。
お腹がすいたら、三島名物うなぎ屋が待っている。

駅前は例によって、どの駅にも同様の雑然とビルが並び、すぐ近くにあるはずの名園・楽寿園の森が見えない。
駅前にこんなに自然を残した庭園があるのは珍しいのに、残念だ。
ここは明治3年、小松宮彰仁親王の別邸として造られたが、今では三島市が市立公園として管理している。
富士の湧水による庭園や、どうぶつ広場、郷土資料館などがある。
せせらぎ散歩の帰りはここを通って駅に戻ろう。


柿田川は一級河川だが、わずか1200mで狩野川と合流して駿河湾に流れてしまう。
一部は水道水として利用されているようだが…チョットもったいない気もする。
どの案内書にも東洋一の湧水量と書いてあるが、東洋一はあまりあてにならない代名詞だ。
富士の雪解け水が浸透して、2・3カ月の時間差で湧水となって湧き出るので、秋10月頃が一番水量が多い。
冬は少ない。
何か所も砂地が動いているのが見える。
アユもここで、産卵するようだ。
この源流一帯は市民の保護運動によって開発から免れ、柿田川湧水公園として残された貴重な場所だ。
国道1号線からこの地がえぐられたように一気に深い崖となって多くの湧水が湧きあがっている。
源流源流 (2)


ほとんど雑菌の無い、富士山の名水だ。
散歩道の木道「八ッ橋」が水辺近くまで整備されている。

この森はヤブニッケイ、ツバキ、アオキ、エノキなどの自然林。
水辺には、フキの群生、水中のミシマバイカモもよく見える。
気持ちの良い散歩道だ。

バスで市中に戻り、東海道・三島塾の復元された「時の鐘」から、源兵衛川のせせらぎの道に入る。
川沿いの細い散歩道は、道を採れない場所では川の中まで延びていく。

散歩道 (2)散歩道
街裏の静寂を進む。



柿田川から移されたミシマバイカモが良く繁っている。
ミシマバイカモ

久しぶりにジュズダマも見ることが出来た。
所々にベンチやトイレ処も用意されている。
伊豆箱根鉄道の「三島広小路駅」や[三島田町駅」近くは、可愛い電車や鉄橋と川とのコラボを楽しめる。

鉄橋 (2)


鉄橋下の川中の石に乗れば、真下からの電車風景を見ることができる。

鉄橋
鉄橋下

頭を鉄橋下に付ければ、電車の響きを直に感じられるのも楽しい遊びだ。

さて、東海道に沿った三島大社に向かって、下田街道を行く。
この道は三島大社の門前から発し、下田港まで繋いでいる古い重要な道だ。
門前町らしい店がないのが寂しい。
東海道を越えれば三島大社だ。
鳥居をくぐれば、すぐ参道の両脇は神池、いかにも三島らしい水と社殿の風景
さすがに格式のある代謝、総門も舞殿も本殿も立派で格調がある。

三島大社

千年を越える?と伝えられる天然記念物のきんもくせいは、樹勢が衰えて心配だ。
根元の処置はこれでよいのだろうか?
樹木医の手当てが必要だ。

きんもくせい


三島大社の堂々たる絵馬をお見せしたい。
絶対倒れないこの厚さ(44ミリ)で名高い。

絵馬



日暮れはもう近い。
「三島暦師の館」は次回に回して、東海道を通って再びせせらぎの道沿いに楽寿園経由で駅に戻ろう。
途中に目当ての「うなぎや」もあるし…ところが「うなぎや」は本日閉店。
楽寿園は4時半閉門。
ついでに、門前のきれいなソバ屋「明月庵」(としておこ)は定休日。
*「明月庵」は「鬼平犯科帳」に出てくるソバ屋
三島のせせらぎの散歩道は、忘れられた街の裏側の景色を一変させた。
この道はどこからも出入り自由、繁華な道と交差すれば、すぐ街中に出られる気楽さが魅力だ。
川沿いの眺めのい良い場所に酒処「花の里」や御宿「かわせみ」(バー・カフェ併設)の小さなのれんやネオンを見つけたならば、入らずにはいられない道だ。

会津日帰り弾丸ツアー・十日市の起き上り小法師を求めて

1月10日、青春18切符の最終日。
日帰りにはチョットきついが、会津若松に行くことにする。
以前から気になっていた会津の十日市を見に行こう。
十日市と言えば、小さな「起き上り小法師」人形の顔が思い浮かぶ。
この目を細くしてニコニコしている人形が可愛くて気にかかる。
ぜひ欲しい。

十日市ポスター



始発に乗れば(5回乗り換え)昼前には会津若松駅に着く。
帰りは夕方5時14分発の「会津ライナー(快速)」が限度、滞在時間は5時間ちょっとだ。

市だけなら問題ないが、街歩きには忙しい。
少し離れた飯盛り山までは無理だろうか。
ここにある奇想の建築「サザエ堂」(サザエ型。二十らせん状構造の木造仏堂で、同じ坂を通らないで上り下りできる江戸時代の建築。重文)も、気にかかる。
鶴ヶ城までも到達できないのは構わないが、街の全景を見たい気もする。

郡山から「あいずライナー」に乗り換える。
座席はゆったりした急行・特急任用、テーブル付きでリクライニングできる。
得した気分がより高まるのが雪景色。
磐越西線、磐梯熱海駅に入るころ、雪は次第に深くなる。
右手に大きく磐梯山が見え始めると白一色の世界。
どこが猪苗代湖だかわからないほどの、まぶしい雪景色が続く。
台湾のワンさんを連れてきたならば、この60分だけでも大喜びしたことだろう。東京・横浜からの台湾・香港・東南アジアの観光客用の弾丸ツアーには、会津はぴったりだろう。
雪も城も日本の漆器や民芸品などもたっぷり楽しめる。
Samurai Spiritを知るには、会津藩校「日新館」も「会津武家屋敷」も復元された。
お泊りには東山温泉がある。

十日市の会津若松はどんよりした雪国の天気。
一日中雪が降ったりやんだりだから、見通しはきかない。
これでは、赤瓦になった天守に登っても意味はない。
街の全貌はあきらめて、街歩きに専念しよう。

「起き上り小法師の買い方をご存知ですか?」と、店の人が言う。
「?」
「ご家族の人数プラス1だけ選んで、転がしてちゃんと立つか確かめてください。そのうちの余分の一つが家族の訳をかぶってくれるんです。」
そうか、会津の起き上り小法師は厄除けの縁起物だったのか。

うちの起き上り小法師

土地の人はこれや風車を選んで買う。
ダルマや馬、天神様などの縁起物や郷土玩具の店、ソバ道具など木工の店、漆器の店、縁日に多く出るお菓子、アメ…など、食べ物屋台、その数300店。

十日市露天

起き上り小法師は米粒大の小さなものから、2〜30兮腓梁腓なものなどもある。

起き上り小法師

この日ばかりは赤ベコよりも小法師が、どこでも見られる。
雪だるまも小法師だ。

起き上り小法師雪だるま巨大起き上り小法師






以前車で立ち寄った会津若松は、絵ロウソクの店くらいしか印象はなかったが、
街は予想以上に広い。
そして立派な会津漆器の店が多いのに、少し驚いた。
代表的な漆器店「白木屋」に寄り、漆器の色々を堪能した。

白木屋漆器店

さすがは蒲生氏郷の作った城下町だ。
氏郷が奨励した漆産業が、400年以上たった現在も盛んなのはうれしいことだ。
街の中心にある氏郷の墓には寄らねばならない。
神明通り、十日市の雑踏から横にそれ、興徳寺の境内へ。
少し大きめの姿の良い五輪塔が氏郷の墓だ。
辞世の歌碑と共に大切に守られているのがわかる。

氏郷の墓蒲生氏郷の碑











会津若松も山都らしく、水も良い。
磐梯山の湧水を使った珈琲店もある。
会津のソバも地酒も、良い水があってこそだ。

七日町酒蔵

もう一度、5月上旬の桜のころ、会津を訪れよう。
名桜、石部桜を始め、この辺には名桜も多い。
杉の糸桜、虎の尾桜、大鹿桜…。

古い漆喰の蔵店が多く並ぶ七日町(なぬかまち)通りをぶらついて、駅に向かおう。
もう、3時を過ぎている。
赤べえバスに乗れば15分と言うが「さざえ堂」は次回にしよう。
2月7・8日は鶴ヶ城では絵ロウソク祭りが開かれるらしい…。

「遠くとも一度は詣れ」の善光寺を行く

明けまして、おめでとうございます。
出歩いているうちに、はや10日もたってしまった。
昨年は凶事続きの都市だったので、お祓いをしてもらおうと、長野・善光寺、詣りを決めた。
4日、もう人出は落ち着いた頃だろう。

パンフレットを見ると「善光寺は宗派に拠らず、すべての善男善女をお迎えする」と、ある。
すなわち無宗派だが、善光寺派の大本山と言うことだろう。
全国の善光寺はもとより、浄土宗や天台宗の寺がグループ内に入っている。
これはこの寺が、浄土宗・天台宗からも護持されていることを示している。
横浜・南区や港南区にも千手院などその流派は多い。

長野市は善光寺市と言いたいほど、今でも善光寺を中心にした門前町で、とても長野の県庁所在地だとは思えない。
これほど善光寺におんぶに抱っこの長野市だが、古い寺院風の駅舎をモダンな駅ビルに変える工事が続いて、駅前は迷路のようだ。
駅周辺は高いビルが乱立して、周りの山はほとんど見ることができない。
街の玄関口ともいえる駅前の風景を大切にしない街づくりはおかしい。
これは日本全国の都市に言えることだが…。

長野の山都らしさは、小高い丘の上に立つ善光寺山門の楼上に登ると、やっと確認できる。

楼上から楼上から (2)






ここは、受験生の聖地ともなっているようだ。
転げ落ちそうな階段をよじ登ってくるのは、智恵の神・文殊菩薩像にお札を納めに来る若者たちだ。
四天王に守られ、獅子の上に文殊様が座っている。
500円の拝観料がたたって一般の人たちの参拝は少ない。
四国八十八ヶ所の御分身まで祀られているから、お安いともいえるかも。

拝観券


この山門、高さ20メートル、間口20メートルの堂々たる建築。

山門

国宝・本堂の高さ26メートル、間口24メートル、奥行き54メートルの大伽藍にふさわしい貴重な遺産だ。(江戸中期のもの)

本堂

山門と本堂

これまで善光寺には何回かお詣りに、本堂床下の真暗闇で、極楽の錠前にも触っているが、(お戒壇めぐりと言うようだ)山門楼上に上がるのは初めてだ。

長野駅にも善光寺にも外国人観光客が目立つのは、NAGANO冬季オリンピック効果だろうか。
NAGANOの知名度もかなり高くなったものだ。
参道脇の釈迦堂(世尊院の七福神めぐりでは毘沙門天)で珍しい銅製の釈迦涅槃像を公開していたので、拝観して帰途についた。

涅槃像

無論、信州名物・戸隠蕎麦と野沢菜のおやきもお腹に収まっている。
プロフィール
ウェブサイト
お店のウェブサイト
http://home.netyou.jp/33/fushin/
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