図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2014年06月

サルは森に返したい

しばらく本のことを書いていない。
図書館ネズミとしては、怠慢だ。
以前は関連書があると必ず書影もアップして紹介していたが、それも少なくなった。
店の閉店以後かなり時間が立っているが、まだ段ボール箱が積み上げられ、本があるのはわかっていても取り出せない現状が続いている。
少しずつ整理しているが、冊数も半端ではないこともあるのだが…色々あって…。
最近は、猿やタケノコ、クワのみ、雑草たちがそれを邪魔する。
梅雨時は湿度が高いので、段ボールを気軽に開けられない。
梅雨の晴れ間を見て一気にしようと思っても、積乱雲が出てくるともう要注意、真っ白な雲が少し暗くなり、ラジオに雑音が入り始めたら、もう、すぐ本を片付け始めないと大変なことになる。
部屋は、中途半端に広げられた本の山で動きが取れなくなる。
梅雨のない北海道でも、15〜17日連続の雨という記録を作ったように、今年の梅雨は長引きそうだ。

来月初め、昨年同様、娘がパリから幼児二人を連れて帰国する。
そのことが決まってからずっと、妻に、「小さい子たちが安全に過ごせるように片付けてください」と言われている。
妻は忙しくて最近は白州にほとんど来ていないが、この有様を見たら…怒るだろうな。
妻にはにらまれるが、孫たちにはせいぜい楽しい思いをさせてやりたい。

この二人がやって来る


4・5日前の朝、屋根をたたく音で目が覚めた。
トタン屋根に雨が降っているような、懐かしい音だ。
しかし、今朝は良い天気らしいが…風邪でバラバラとクワの実が落ちてくる音だろうか?
このところ黒く完熟したクワの実が美智也庭にどっさり落ちて、その甘酸っぱい香りに誘われては虫は寄って来るのに往生している。
それにしても大雨でもないのに屋根をばらばらと打つ音が波のように大きくなったり、小さく遠ざかったりするようだ。
「あ!ハクビシンでもやねうらにはいったのか!」と飛び起きて、良く調べると屋根裏ではなくて屋根の上の音だ。
また、その音が大きく騒ぎ出す。
外に出てそっと屋根を確認すると、猿が何匹も暴れ回っていた。
屋根上にいたのは、ごく若い猿ばかりだ。
先週クワの実を求めてやってきた同じグループの一群だろう。
また、遊び盛りの若い猿たちがクワの木伝いに「、屋根上に上がり追いかけっこをしている。
すぐ、人に気づいて大声をあげながら、皆、山へ逃げ戻って行った。
去年はクワのみに烏がたくさんやって来て、屋根の上でも大騒ぎしていったが、今年はさる年か?
猿もシカ同前、天敵はほとんどいないから、食料のある限り増え続けるのか。
シカやイノシシのように肉を利用できないし、猿の駆除は狩猟家が嫌がる。
のうちに人の目が行き届かない昨今、野生動物の問題は管理清国となる。
山に続く農地では、ブドウやモモなど、果樹農家の悩みは大きい。


野生動物の通る獣道には、以前これも書いたことのあるマダニ問題もある。
肌を出した格好でうかつに藪に入ることは許されない。
耕作放棄地が広がり、周辺の雑木林の手入れがされない山村は消滅してしまうのだろうか。
新緑の落ち着いた時期は、常緑樹の新芽の季節。
普段は地味で暗いカシ、シイの森も明るい新芽に彩られている。
モミや椿の新芽もやわらかく美しい。
モミツバキ



ヒメシャラの小さなツバキのような花は、落花を見て初めて開花を識ことになる。
ヒメシャラ


「町の小さなリアル書店(古書展も)はいきのびられるだろうか」について書こうと思っていたが、次回に。

ガーデニングの国のヘビイチゴ

ガーデニングの盛んなイギリスだったかアメリカだったかで、日本のヘビイチゴが人気になっていると聞いたことがある。
日本人ではなかなか思いつかない発想だ。
果実としての価値もなく、ヘビイチゴいう可哀相な名前を付けられた日本の草が、ガーデニングの国で喜ばれているのはちょっと愉快だ。
ワイルドストロベリーという小さいが味の良いイチゴがあるのに、甘味も酸味もなく果肉はスカのような日本のヘビイチゴになぜ人気が出たのか。
日本では嫌われる雑草の丈夫さが良いという。
日向でも日陰でも平気、少しくらい踏まれてもツルを伸ばし背の高い草花とも共存できる。
邪魔な場所では、簡単に引き抜くこともできる。
春先の黄色い花も可愛い。

ヘビイチゴの花

花後、すぐ赤くなり始めた果実は予想以上に大きくなる。

ヘビイチゴ

個体別で小さめのもあるが、大きなものは普通のいちご並みの大きさで、しかもワイルドストロベリーのように重たく垂れさがることはない。
果実はスカで軽いので、細い茎でもぴんと上に向いてよく目立つ。

ヘビイチゴ (2)

この実の付き方が最大の魅力となる。
緑のガーデニングの中で、この赤が美しく映える。
雑草ばかりの我が家の庭でも、シラーの青紫の花やハルジオンの終わった後はヘビイチゴの大きな赤い実ばかりとなる。

シラーハルジオン





以前ここに書いた「タケニグサ」もガーデニングの盛んな国では、その美しさを認められている。
荒れ地にいち早く生えるこの草はどこの空地でも高速道路沿いでも、その堂々たる姿を見ることができる。
日本では嫌われ者の代表と言ったこの雑草の美しさは植物学者の牧野博士も昔から認めていたが、ガーデニングに取り入れたのは偏見のない欧米の植物好きだった。
よく見ると大きな葉の色も、葉裏の白い色も美しい。
その雄大な花も実も個性的で、花壇のバックヤードに植えれば効果的だろうという気になる。

日本の「ギボウシ」の葉の美しさを古くから注目し、今やイングリッシュ・ガーデンに不可欠のものとしているイギリスでは、タケニグサもヘビイチゴも増えすぎて困ることもないだろう。
しかし、タケニグサもヘビイチゴも野生のギボウシも生え放題の我が家の庭を見たガーデニング好きの英国人はどう思うだろうか…知りたい。

猿・鹿の話

雨が降りやまない。
先週木曜日の梅雨入り宣言から一気に梅雨本番の雨続き。
3日間降り続いた雨で、庭仕事はほとんどできない。
傾斜地に生えるヤブカラシやヤエムグラのツルが這い上がってくる。
もう、この辺で引き抜かないと、斜面全体を覆いかねない。
竹林のタケノコも伸び放題。
先週きれいに採ったはずのタケノコが、大きいものはもう3メートル以上伸びている。
1日平均50cmくらい伸びている計算だ。
正に、雨後のタケノコ、これも放置してしまうと藪状態になってしまう。
道路にかぶさっているクワからは、完熟した黒い実が道一面に落ちている。

クワの実

今やクワの実は子供でも採らない。
興味を持つのは、野鳥や昆虫と小生くらいだと思っていたが、もう一ついた。

一時的に雨の上がった日曜日の朝、何となく騒がしいので外に出ると猿の群れがいた。
木をゆすって大騒ぎしている。
家の前で見たのは初めてだ。
1か月くらい前、近くの祠を除いて若い猿と鉢合わせして以来だ。
(5日前、中央高速のガードレールに座っている猿は見たが…)
エサの少ない冬にはたまに出会うこともあるがこんな季節にどうしたのだろうと動かずにじっと見ていると、若いオス猿はクワの木の高いところで両手を使って、クワの実を次々と食べるのに夢中だ。
このところ野生動物の動きが少し変だ。

この近くで見ることのなかった鹿も、まだ雨が降っていた土曜に家の前で遭遇した。
距離20mくらい。
すぐ森に引き返して行ったが、この鹿は1週間前にすぐ前のブドウ畑にいた鹿に違いない。
その時は、距離50mくらいで、互いにかなり長く見つめ合って別れたが、孤猿のようなグループから離れた鹿がいるのだろうか。

野生の日本鹿が最近増えすぎて困っている話をよく聞く。
丹沢でも奥日光でも、尾瀬でも冬期に樹林の皮をはいで食べてしまって、森を枯らしている。
高山植物も相当の被害を受けている。
一方、鹿肉はジビエ料理として(大鹿村が有名)、血抜きをすれば大切な食材になる。
鹿問題はこれ以上は触れない。

こんな村はずれにも出没してきたのは、よほどのことだ。
ここの里山は南アルプスの山麓と繋がるが、尾白川と釜無川を越えてまでは来きにくい。
八ヶ岳方面はかなり開発されているから、深い森ではない。
釜無川伝いに駒ヶ岳方向からやってきたのだろうか。

鹿も猿も写真に撮れなかったので、今、雨の中で咲いている白い花を紹介したい。
雑木林のエゴの木の白い花は、雨に打たれてバラバラと落ちているが、ヤマボウシ(山法師)の花は雨に良く似合って元気だ。

ヤマボウシ

道端に多いスイカズラ(忍冬)の白花も、この季節らしい花だ。

スイカズラ

白く咲いて黄色に変化するので、金銀花とも呼ばれている。

6月の白い花とバラ、そして旧古河庭園へ

6月に入った。
ダービーを外して、白州へ戻ろう。

1週間前の白州は水田に水が入って、田植えを待っていた。
もう、ほとんどの田は田植えが済んで、カエルも鳴き出しているだろう。 その他の上には、ツバメも飛び交っているに違いない。

この季節の山麓は白い花が目立つ。
川沿いのニセアカシアの花は、もっと高い標高に移っているだろう。
ウノハナもの茨も田舎の道を飾っているだろう。
森では、ホウ、ミズキ、トチも咲き始める季節だ。
白い花たちの勢揃い。
白州の家に、先週からナニワイバラの白い大き目の花が咲き始めている。

ナニワイバラ

白花ではないが野生のバラでは、箱根周辺の山中に多いサンショウバラ(ハコネバラ)も淡いピンクの花をたくさんつけている。

サンショウバラ

バラは横浜市の市花だから、山下公園、港の見える丘公園、子供植物園でも多く見ることができるが、本格的なバラ園や研究施設はない。
是非、欲しい。
観光の目玉ともなるだろう。
野毛山に本格的なバラ園を持つ植物園ができないだろうか。
このことは前にも書いたな。


バラ園の似合う洋館に行こう。
東京北区西ヶ原にある旧古河邸だ。

旧古河邸

ここにはジョサイアア・コンドルが設計した石造りの洋館と洋風庭園がある。
バラの庭園には大輪の有名な品種ばかりではない。
品種改良に役立った日本のノイバラもナニワイバラやモッコウバラも植えられていて、大切にされているのがわかる。
元々、この土地は陸奥宗光の別宅があったが、大正3年古河家の所有となった。
大正6年、この建築と洋風のコンドルによって作られた庭が、そして武蔵野台地から斜面を落ち込んだ低地にはかなりの規模で和風の庭が作られているのが特徴だ。
洋風庭園日本」庭園







この和風の庭を作ったのが、庭づくりの名人・植治こと小川治兵衛だ…というのも、古河庭園の魅力。
小川は台地の上から井戸水を流し滝として、低地に大きな心字池を作った。
その中間には蛇行して流れる渓谷も枯山水も作った。
池の端にはモミジが多く植えられ、大名庭園のような巨大な石灯籠の色々な形が見本帖のように次々と現れるのも楽しい。
それにしても、池の向こうの白いマンション・ビルが目障りだ。
和風庭園の周りにはカシやシイの高木で覆われているが、白いビルは高すぎる。
庭園を眺められるのが売りのマンションを規制できないのが、日本の現状だ。


ここで半日楽しんだ後には、もう一つ楽しみがある。
歩いて10分ほどの飛鳥山には、渋沢栄一の別邸があった。
主家の和と洋風の家や茶室などは戦災で失われたが、ステンドグラスや家紋の柏葉とドングリをデザインしたタイルが美しい「青淵文庫」と、談話室として使われていた「晩香蘆」(バンガローから来ている)の二つの大正期の建物が残されている。
青淵文庫応接間
らせん階段カシワタイル
窓のタイル


邸跡に新設された「渋沢資料館」のチケットでこの二つの建物も見学できる。
二つとも小さな建物だが、細部にまで神経が行き届いた魅力的なもの。
特に、田辺淳吉が心血を注いだ「晩香蘆」は小さい宝石のような建物で、晩年の栄一が最も気に入っていたのもうなづける。

晩香蘆晩香蘆 (2)

灯灯 (2)

プロフィール
ウェブサイト
お店のウェブサイト
http://home.netyou.jp/33/fushin/
クリックして応援!
どちらのボタンもクリックしていただけると応援になります。よろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 古本・古書へ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ
記事検索
携帯電話からもご覧になれます
QRコード
  • ライブドアブログ