図書館のねずみ

南アルプスの伏流水を使った香り高い珈琲を啜りながら、じっくりお気に入りの本が選べる本好きのためのささやかなサロン、ブックギャラリー&カフェ風信。現在は店舗移転の為、日々奮闘しております。書店では扱っていないような古書、絶版文庫を集めています。

2015年04月

枝垂れ桜に埋もれる村

蕾のたくさんついた白花の枝垂れ梅を植えたのが3月、花が咲き終え一か月以上たっても冬樹のように新芽が出てこない。
普通、梅は花が散り始めればすぐ新芽の緑が見えてくるはずだ、おかしい。
もしかして最後の花を一気に咲かせ枯れてしまったのではないか。
あまりに遅いので、枝先を少し切ってみたが、枯れてはいないようだ。
その梅の新芽が先週やっと出てきた。
まだ、2、3か所芽吹いただけだが、これで一安心。


当地ではソメイヨシノの桜は散り終えたが、山桜はきれいに咲いている。
今週の開花は1週間くらい早く進んでいるようだ。
先週の日曜日(19日)、今年最後の花見でもしようかと思い立って、お隣富士見町(長野県)の枝垂れ桜を見に行ってきた。

有名な桜には人が集まる。
富士見の古い枝垂れ桜は、村の人々が守ってきた全国的には無名の桜たちだ。
思う存分に、ゆっくり静かな花見ができる。
標高900〜1000mのこの地ではまだソメイヨシノやコブシでさえも咲いているし、枝垂れ桜も山桜も連休近くまで楽しめるというものだ。

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富士見高原の田畑がなだらかに下っていく、その奥には白州とは少し表情の変わった甲斐駒が眺められる。
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この山の雪形はまだ確認されていないから、田植えなどの農作業は昔からコブシや古桜の咲き具合ではじめられたのだろう。
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富士見の古木となった枝垂れ桜は寺社の境内に植えられたものを除けば、すべて墓地に残されたものだ。
田畑の一番眺めの良い一等地に小高い丘を作り、この地区の墓地とした。
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その中央には寿命が長く美しい花をつける枝垂れ桜を植えたのは、江戸時代の農民たちだろう。
中には、桜とともに農作業の目印となるコブシも抱き合わせたように巨木となった墓地もある。

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特に枝垂れ桜の多い高森地区は、村中が枝垂れ桜の桜色に染まる。
みな、この村の観音堂に立つ立派な宝篋印塔と並んだ樹齢三百年を超える枝垂れ桜の子供たちだろう。
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この村の2番目に古い大きな枝垂れ桜、この根元にも古い墓石がいくつかある。
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隣の敷地には「井伏」という名札があった。
作家・井伏鱒二の別荘が富士見のこの辺りにあることは知っていたが、この枝垂れ桜の古木を眺める村はずれにあったとは、いかにも井伏さんらしい土地を選んだものだ。
富士見高原の別荘地ではなく、草屋根の多く残る古い集落の村はずれに夏用の小さな家を作っていた。
桜の季節に枝垂れ桜に埋もれるようなこの地を見て、桜好きの井伏さんは一目で決めたのだろう。
第二の故郷となった山梨もすぐお隣だ。

春は足早に過ぎていく

白州に長くいた。
その間に何回も旅をした。
ちょっと横浜に帰ってきたとき、パソコンが不調とかで(妻が)買い替えた。
そうこうしていて一か月ぶりの、更新だ。


日本の季節まで、欧米化してしまったようだ。
気持ち良い秋が恐ろしく短くなったように、春もまた、一瞬のうちに通り過ぎていく。
冬の翌日に夏が来る。
三寒四温を繰り返し、春の大風を何度か経て来るはずであった日本の春は、ほとんど消えてしまって、すぐ初夏に入ってしまう。
北国の春のように、ウメもコブシもサクラもモモも一斉に咲いて、一瞬の春は通り過ぎ夏へなだれ込んでいく。
これでは春の山菜の楽しみもなくなりかねない。
今までは2月末ころから始まるフキノトウ、そしてツクシから連休杉のワラビまで3か月近くあった、山菜の季節もうっかりするとなくなりかねない。
と、いう訳で、白州ではもう遅くなりかけたフキノトウやツクシの残りを採り、一つまみのカンゾウ、ミツバやナンテンハギ(アズキ菜)を味わった。
サラダにはほろ苦いタンポポの柔らかい若葉、酒のつまみにも少し苦みのあるアケビの弦の太い先端がほしい。
タンポポカンゾウ






タラの芽やウドも今年は早い、もう採り時だ。
忙しい芽生え時が過ぎようとしている。
ヨモギやナズナ、ゲンノショウコのロゼットもきれいに出そろった。

ゲンノショウコ

もう、2〜30年も前に野生植物の芽生え図鑑を出したいと思ったことがあった。
本葉とほとんど変わらない芽生えなら問題ないが、ちょっと変わった芽生えや特徴ある芽生えの場合は簡単な小図鑑があると便利だ。
(つい最近、ハンドブックが出版された)
大きく拡がってしまうヤエムグラやカナムグラは芽生えのうちに摘んでしまえば楽だ。

ヤエムグラ

アレチウリやヤブカラシも芽生えのうちに摘んでおかないと大変なことになる。
ヒメオドリコソウも芽生えてすぐに摘まないと面倒になる。
カキドウシと芽の形が少し似ているが、カキドウシには葉裏の紫色が少し見えるから区別できる。
畑作りの人たちにとっては同じ厄介な雑草だが、小生はヒメのほうだけを積んでいく。

ヒメオドリコソウとカキドウシ

時々、ニリンソウと間違えて死亡事故となるトリカブトの芽も出始めた。
これもニリンソウの花芽がなくても新芽だけで見分けなくてはならない。

草の名も運、不運がある。ハクソカズラ、ママコノシリヌグイ、ジゴクノカマノフタ、イヌノフグリ、ドクダミ、ヘビイチゴ…など可哀想な名をつけられたものだ。
どれも小さな可愛い花をつける小生の好きな草花たちだ。
反対にヒメムカシヨモギ、ヒメオドリコソウなど名の印象が良すぎて、気に入らない。
ヒメはただ単に少し小さめという意味だが、印象が違う。
セイタカアレチヨモギやオドリコソウモドキにしたい位だ。
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