「地歌舞伎」と「栗きんとん」の街、中津川には、近年人気が出たもう一つの名所がある。
苗木城跡だ。
SNSの山城部門で第一位になって、外国人観光客まで訪れるようになった。
この秋、9月から11月までは人気に応えて直行バス(土・日・祝だけ)まで走り始めている。
木曽路トレッキングを楽しんだ外国観光客は、駅から歩いても4〜50分で行けるインスタ映えする、この特異な山城にまで立ち寄るようになった。
イメージCGまで作られたちょっとアニメチックな映像が効果的で、山城ゲームと相まって、人気沸騰したのだろう。
苗木藩は極小、一万石の小藩だが、この城を作り維持することができたのは、軍事上重要な場所だったからだ。
西日本方面から長野―山梨・東日本に行くには、どうしてもこの地を通ることになる。
この東濃地方は織田信長と武田信玄・勝頼との常に領地・陣取り合戦の地だ。
信長は尾張、美濃から近江へと西へ勢力を延していく中で、美濃の一番東が武田方に侵略されやすい。
信濃を制した信玄が西へ進出するには、諏訪から美川方面に出るか、基礎から東濃方面に出るしかない。
前に書いた岩村藩も立派な石垣を持つ山城を持っていたが、常に織田・武田の争いに巻き込まれ苦しんだ。
岩村の女城主の悲劇も同様だ。
岩村も苗木も遠山一族が支配していた。
苗木藩の遠山直廉は信長の妹を正室に迎えていたが、娘を信長の養女にしてから、武田家三代の勝頼に嫁がせるという苦しい選択をしている。
二大勢力に挟まれた小藩はつらい。
苗木藩は木曽川の岩山を巧みに要塞化している。
岩山の自然の巨石はそのまま石垣の一部となり、土台となる。
平地の少ない曲輪（くるわ）に少しでも広い真所を作ろうとすれば、柱を外に伸ばして懸作り（かけつくり）の建物となる。
柱の土台は岩石に穴を穿つ。
この城跡の唯一の木道建築物は店主の土台穴を使って、本丸床面を復元した木組みの展望台だ。
ここにたてば、木曽川と恵那山、その間の中津川の宿場町が一望できる。
本丸から眺める城主気分で東濃地区を見渡せば、この城の重要性が明らかだ。
山城は町から少し離れているから、廃城となれば打ち捨てられただの小山となる。
平城のように都市化で姿を変えることもないから、遺構はそのまま残る。
本丸の眺望を妨げる樹々を切り、（城下町からも白が見えるように）崩れた石垣をもどし、草を刈り、礎石や縁石を出し、土塁や空堀を明らかにすれば、あとは頭の中でイメージするだけで当時の姿が出現してくる。
自然石を多く取り入れた苗木城はユニークで、小さな規模で山城の魅力を楽しめる格好の場所だ。
信長が武田勝頼を追い詰めた甲州街道沿いの我が白州にも、中山砦という山城がある。
統治は諏訪から信濃を越えた甲斐の国の国境だ。
白州の台ケ原宿に攻め込んだ信長勢の動静は、中山砦からは一望できたはずだ。
当時中山砦を守っていた武田衆は烽火（のろし）を上げて、新府上の勝頼に伝えただろう。
現在、中山の頂上はすべての樹々を刈り取り、砦の天守の眺望を確かめることができる展望台が作られている。
烽火の実験もされたようだ。
白州は戦国時代は武田武将の四天王の一人馬場信房が治めていた土地だから、築城にもかかわっていたと思われる。
新府城も中山砦（城）もよく似た構造を持っている。
築城の名手と言われた馬場氏の手が入っていても不思議ではない。
書き忘れていたが、苗木城の麓には「遠山資料館」が用意されている。
ここで、遠山家や苗木の歴史を詩ってから登城？するのは当然だろう。
ここにはこの城に遺されたほとんど唯一の木造建築物を見ることができる。
入り口近くの風吹門だ。
おまけに中津川の名物、すやの栗きんとんの箱をお見せしたい。
苗木城跡だ。
SNSの山城部門で第一位になって、外国人観光客まで訪れるようになった。
この秋、9月から11月までは人気に応えて直行バス(土・日・祝だけ)まで走り始めている。
木曽路トレッキングを楽しんだ外国観光客は、駅から歩いても4〜50分で行けるインスタ映えする、この特異な山城にまで立ち寄るようになった。
イメージCGまで作られたちょっとアニメチックな映像が効果的で、山城ゲームと相まって、人気沸騰したのだろう。
苗木藩は極小、一万石の小藩だが、この城を作り維持することができたのは、軍事上重要な場所だったからだ。
西日本方面から長野―山梨・東日本に行くには、どうしてもこの地を通ることになる。
この東濃地方は織田信長と武田信玄・勝頼との常に領地・陣取り合戦の地だ。
信長は尾張、美濃から近江へと西へ勢力を延していく中で、美濃の一番東が武田方に侵略されやすい。
信濃を制した信玄が西へ進出するには、諏訪から美川方面に出るか、基礎から東濃方面に出るしかない。
前に書いた岩村藩も立派な石垣を持つ山城を持っていたが、常に織田・武田の争いに巻き込まれ苦しんだ。
岩村の女城主の悲劇も同様だ。
岩村も苗木も遠山一族が支配していた。
苗木藩の遠山直廉は信長の妹を正室に迎えていたが、娘を信長の養女にしてから、武田家三代の勝頼に嫁がせるという苦しい選択をしている。
二大勢力に挟まれた小藩はつらい。
苗木藩は木曽川の岩山を巧みに要塞化している。
岩山の自然の巨石はそのまま石垣の一部となり、土台となる。
平地の少ない曲輪（くるわ）に少しでも広い真所を作ろうとすれば、柱を外に伸ばして懸作り（かけつくり）の建物となる。
柱の土台は岩石に穴を穿つ。
この城跡の唯一の木道建築物は店主の土台穴を使って、本丸床面を復元した木組みの展望台だ。
ここにたてば、木曽川と恵那山、その間の中津川の宿場町が一望できる。
本丸から眺める城主気分で東濃地区を見渡せば、この城の重要性が明らかだ。
山城は町から少し離れているから、廃城となれば打ち捨てられただの小山となる。
平城のように都市化で姿を変えることもないから、遺構はそのまま残る。
本丸の眺望を妨げる樹々を切り、（城下町からも白が見えるように）崩れた石垣をもどし、草を刈り、礎石や縁石を出し、土塁や空堀を明らかにすれば、あとは頭の中でイメージするだけで当時の姿が出現してくる。
自然石を多く取り入れた苗木城はユニークで、小さな規模で山城の魅力を楽しめる格好の場所だ。
信長が武田勝頼を追い詰めた甲州街道沿いの我が白州にも、中山砦という山城がある。
統治は諏訪から信濃を越えた甲斐の国の国境だ。
白州の台ケ原宿に攻め込んだ信長勢の動静は、中山砦からは一望できたはずだ。
当時中山砦を守っていた武田衆は烽火（のろし）を上げて、新府上の勝頼に伝えただろう。
現在、中山の頂上はすべての樹々を刈り取り、砦の天守の眺望を確かめることができる展望台が作られている。
烽火の実験もされたようだ。
白州は戦国時代は武田武将の四天王の一人馬場信房が治めていた土地だから、築城にもかかわっていたと思われる。
新府城も中山砦（城）もよく似た構造を持っている。
築城の名手と言われた馬場氏の手が入っていても不思議ではない。
書き忘れていたが、苗木城の麓には「遠山資料館」が用意されている。
ここで、遠山家や苗木の歴史を詩ってから登城？するのは当然だろう。
ここにはこの城に遺されたほとんど唯一の木造建築物を見ることができる。
入り口近くの風吹門だ。
おまけに中津川の名物、すやの栗きんとんの箱をお見せしたい。
