2008年08月10日

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筒井康隆がライトノベル(以下ラノベ)を書き下ろすってんで購入してみた。

「ビアンカ・オーバースタディ」
筒井康隆 イラスト:いとうのいぢ

さらっと読んだ感想。

文章は主人公ビアンカの一人称を中心としており、ラノベ的な表現で綴られているが、文章の言い回しがどうにもラノベらしくない。というより文章的にシッカリしていて上手いと言うべきか。
昨今のラノベは言い回しのクドイ作品が多いが、この作品については主人公が理屈を捏ね回さないので読みやすい。逆説的に言えば「ラノベ」としてのフィルターを通して読むと少々物足りない、とも言える。


主人公ビアンカはオタク向けに書かれている一般的なラノベの登場人物と比較して、極めて「萌え」という要素が少ないキャラクターだ。
もちろん特徴的な、独特な性格付けはなされているが、その性格付けの方向がどう考えてもオカシイ。あえて読者に嫌われようとしているような、明後日の方向に尖がっている。
端的にこのキャラクターを説明するならばこうだ。
『一般的なラノベに登場するキャラクターを皮肉ったような人物像』


主人公を含め登場人物はいのうのいぢが関係する某有名ライトノベルと被り気味……というより明らかにこの作品+αのパロディである。恐らく筒井作品のセルフパロディも含まれている。
ただし、登場人物の性格付けは酷い(褒め言葉)し、ともかく物語は明後日どころか明々後日方向にブッ飛んでいる。


この作品は筒井康隆が仕掛けた壮大な釣りだ。
そして、みな釣られたのだ。

釣られた仏陀はきっとこの作品が完結するまでファウストを買い続ける羽目になるだろう。

くやしい!でも!ビクンビクンッ!


以下、微妙にネタバレ

見つかってはならないモノを隠すバリアーが「ウブメ効果」で不覚にも吹いた。
「姑獲鳥の夏」のトリックをさらっと説明……というより、未来には姑獲鳥の夏を参考にした技術があるんだな。すごいぜ!


(19:54)

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