2007年09月11日

こまつ座『ロマンス』 −しのぶ・松・生瀬

チェーホフの生涯と、周りの人々。
大竹しのぶ、松たか子、段田安則、生瀬勝久、井上芳雄、木場勝己。

チェーホフの幼少時代から死ぬまでを、男優が順番に演じる。
その周りをとりまく人々を、チェーホフの妻大竹、妹松を中心に、全員が複数の役を演じる。
ピアノ生演奏で歌う。
ボードビルが好きだったチェーホフを、ボードビルで描く。

舞台は、机が出たりソファーが出たり、細かい場面転換は多いけれど、大がかりなものではなく。
照明や音響も凝らない(ピアノ生演奏で十分だし)。
「演技」に集中した演出でした。

脚本はどうかなぁ。
役者が、このメンツをそろえるのに3年待ったとかで、なにしろ素晴らしいので、ちょっとそれに引きずられすぎたか。
遠慮しすぎたというか。
役者の魅力を出そうとしすぎて、ストーリーの「筋の通り方」が弱かった気がします。
もうちょっと、芯がほしい。
物語にも、人物にも。
面白いことは、面白い。
全体的にコメディータッチで大笑い。
しかし、「あの場面がよかったよね」と後々まで語れるか、という。

役者について。
まず井上芳雄。
知らない人でした。
芸大の声楽を出てミュージカルをやっているそうな。
歌は迫力ありました。
演技もなかなか。
幅広く活躍していきそう。

木場勝己。
この人も知りませんが、キャリア長いから、どこかで見てるかも。
周りが迫力ありすぎたため、ちょっとおとなしかったか。
あまり印象に残らなかった。

段田安則。
野田の舞台で何度か見ています。
手堅い。

なんかコメントがてきとうぽいですが、生瀬がすごかったからです。
他の男優が消えてた。
サラリーマンNEOで毎週見ているわけですが、生は迫力が違う。
声もいいし。
演技も切れてるし。
はじけてるなぁ。

でもまぁ、結局は松たか子と大竹しのぶなんすよ。
前に書きましたが(http://blog.livedoor.jp/bookmanias/archives/50264755.html#)、この2人はほんとすごい。
ちょっとしゃべるだけで、場がぴりっとする。
声が抜群にいいからかな。
大竹は、口を開くだけで、「なにをしゃべってくれるのか」って気になる。
松は、場を脇からまとめあげる。
演技の方向は全然違うのですが、違和感なく絡み合った。

というわけで、この2人が今のところ2大女優だと思うのです。
大竹しのぶは、あまりにすごすぎて、役を自分にしてしまう。
なにを演じようが、「大竹しのぶの役」になる。
誰も代わりができない。
松の方が、自分を押さえているもんで、「松じゃなきゃだめ」という感じはない。
幅でいえば、松の方が全然広い。
下手に大竹を使うと、舞台が全部持って行かれるので、全部持って行かれても大丈夫な役しか与えられない。
でも、自分の役ならば、魅力は全部出せる。
松は、どんな役でもこなせる分、「松の魅力が存分に出る役」となると、案外少ないかもしれません。
そういう点では、今回の芝居は他の人でもできそうだったし、『贋作罪と罰』ほどの魅力はなかった。
頭いい役の方が向いてる。

でも、かっこよかった。
松すごいっすよ。
あの気品。
あのオーラ。
カーテンコールで、舞台背後から出てきて、お辞儀して、戻る。
これだけで感動的にかっこいい。
なんだろうねあれ。
一人芝居やらないかな。

bookmanias at 23:24│Comments(0)TrackBack(0) その他 

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