2008年08月20日

橋内章『タバコは神様の贈り物』 −タバコすえ。

喫煙者は最近減ってきたけれど、タバコは素晴らしいんだから、もっと吸え、という本。

なんでこんな本を読んだかというと、タイトルと売り文句から楽しそうだと思ったから。
もちろん逆の方向で。

なぜ喫煙者は減ってきたのか。
その疑問に、まずは「出生率と喫煙者の減少に相関がある」という話を始める(グラフを見る限りそんなに相関あるように見えないのだけれど、統計的に危険率0.1%で有意と言っているから仕方ない。細かい数値はないし)。
この相関を説明する段階で、本書の結論は出る。

タバコを吸うと人は有能になるので、タバコは順位闘争に勝ち抜くための必需品である。ところが、裕福な世界になって、男が順位闘争をしなくなったので、タバコを吸わず、自分を誇示するための道具である子供も作らなくなった。

男は、本能的に他の男と順位を争う。
男の順位は、仕事ができるかどうかで決まる。
ニコチンは頭を冴えさせて仕事に有利なので、タバコは「仕事ができる=偉い」ことのシンボルとなっている(ブランド品が金持ちの象徴であるように)。
しかし、社会が豊かになって順位を争う必要がなくなったため、喫煙率が減ってきた。
子供を作るのも、同じように「その男がいかに優位か」のシンボルであるため、喫煙率と同じように下がっていく。

ということで、喫煙率と出生率の低下が結びつきました。
そこから話は広がります。
晩婚化が進んだのも、シングルマザーが増えたのも、闘争本能がなくなったからである。
上司にタバコをやめろといわれたら、自分よりも偉くなるなというメッセージだから、気をつけろ。
そうやって人を蹴落とそうとする後ろ向きなやつなんて、男らしくない軽蔑すべき男で、男を捨てた男である。
タバコが知的能力を高めることは証明できていないけれども、芸術家は医者が病気を発見する前にその病気を描いてたりするから、芸術作品で「タバコは知的能力を高める」と表現されていれば、それはタバコにそういう効果があるということである。
映画に出てくる世界制服をたくらむ悪玉は、たいてい冨と権力を得ているのになお権力を求める。
「もう十分権力があるのに」と誰もが思うのにわざわざ戦おうとするのは、知能が低いからであり、彼らが非喫煙者として描かれているのは、それを示すためである。
映画にもなっているのだから、タバコが知的能力を高めるのは間違いない。
今嫌煙運動が盛んなのは、順位を争わない人が勝たれると困るのと、人間は煙が苦手だからである。
しかし、どんなものでも最初は拒否反応が出るから、現在の拒否反応は浸透していくための過程である。
社会を動かすのは知識的に高度なタバコを吸う人間であり、それを吸わない人がそろそろ気づくので、きっと嫌煙運動は落ち着いていくだろう。

なに言ってるかわからないところがあるかと思いますが、僕にもわかりません。

全ては、男が順位闘争を放棄したから。
論旨展開を読んでいて、竹内久美子を思い出しました。
全部「利己的遺伝子」でかたをつける竹内さん(ちょっとしか読んでないけど)。
全て「順位闘争本能」でかたをつける橋内さん。
似てるなと思って読んでたら、途中でちゃんと竹内さんが出てきました。
左右対称の男性がもてるとか、タバコ全く関係ない文脈で出てきたので、きっと橋内さんが好きなのでしょう。

しかし、タバコを吸ってない(やめた)人の言われっぷりはすごいです。
「喫煙者がどんどん減っているということは、それだけライバルが減っているということです。タバコをやめた人はニコチンの薬理効果を利用していないだけではなく、もともと志の低い、男を捨てた男たちです。意外や簡単に勝てるでしょう」
自分は志が低いのか、とちょっとがっかりしました。
ほんのちょっとだけ。

あと面白いのが、「タバコを吸う人は寿命が短い」というデータについて。
著者はこのデータを認め、こう説明します。
タバコを吸うのは激しく順位闘争をしている男であり、寿命が短いのは過労で弱るためである。
タバコを吸うから早死にするのではなく、タバコを吸うような働きものは過労で病気にかかりやすくなるから、タバコと寿命に相関が見えるのだ。
この推論はかなり新鮮。

「『タバコが身体に悪い』というデータが捏造だった、というニュースが流れたのに、あまり話題にもならなかった→タバコが身体に悪いなんて誰も思っていない」という力強い論理展開を見せる一方で、他の場所では「ほとんど全ての人がタバコは悪いと思い込んでいる」「喫煙は身体に悪そうだと本能的に感じている」「自分もタバコは身体に悪い気がする」とか逆のことを言っていることもある。
ニコチンは依存性があるとか、集中力が上がるのは否定されているとか、肺がんのリスクが増えるとか、弱点には触れなかったりもする。
そんなところも愛らしい。

僕の結論としては、タバコはよくないと思う。
医学博士がこんな本を平気で書いちゃうようになるから。
でも、タバコよりパンの方が危険なんだよね。

犯罪者の98%はパンを食べている。
パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である。
暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている。
パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、後に水だけを与
える実験をすると、2日もしないうちにパンを異常にほしがる。
新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる。
18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった。
パンを食べるアメリカ人のほとんどは、重大な科学的事実と無意味な統計の区別
がつかない。


bookmanias at 00:00│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by ddr   2013年10月01日 08:44
2 ゲンダイの記事を読みました。
完全分煙に賛成ですが、タバコを吸う人のマナーが悪すぎます。
分煙にしても守らない人が多数います。
そうなるとやはり全面禁煙しかないんじゃないでしょうか。

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