2008年04月21日

若者にしわ寄せする社会・会社 若者はなぜ3年で辞めるのか 城繁幸

「起業・転職・就活に効く」というタイトルなのに、ただ自分の好きな本を紹介しているだけのこのブログ笑。これじゃいかんと、キャリア系の本を集中して紹介してみます。

前エントリに引き続き、城繁幸氏。3年で辞めた若者はどこへ行ったのかの前作にあたります。



若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

いま、日本の雇用システム・慣行は変化の過渡期にあります。ほんの少し前まで存続した年功序列・終身雇用から、「次のシステム」を模索中。大きな社会的変化ですから、どこかにひずみが出ていまう。そのひずみを「入社数年の(または「入社できなかった」)若者」に集中して負わせているのが、今の日本社会と会社だ、というのが本書の主張。



年功序列とは、働く人にとっては「先に働き、あとで報われる」システム。若い頃に安い給料で会社を儲けさせ、何十年後に高い給料と年金で返してもらう、という構造。自分の会社を見渡してみて、「ああ、そうかも」と納得される読者も多いのでは。

でも、このシステムは企業が半永久的に存続し、かつ、もっと重要なのは「半永久的に成長しつづける」ことができて、はじめて実現できる。もはや、そんなことが望めないのは言うまでもありませんね。

そうすると、今の若い人は、労働力を先払いしながら、高給という報償を受け取れない可能性が高い世代だということ。一番割を食っているわけです。そのことに、若者自身がなんとなく気づいているので、「3年で辞めてしまう」という論法。もう、直属の係長や課長が何を言ったところで、引き留められるもんでもないですね。


会社辞めたい、とか、転職したいと思っている特に30代半ばくらいまでの人!読んでみたほうがいいです。あなたの閉塞感の正体がすっきり理解できます。

そして「逃げ切った」世代の方々。ぜひ読んでみてください。本書の「年功序列こそが格差を生みだしている」という主張。どうお考えになりますか?



最後にひとつ。本書のいう「昭和的価値観」。著者は日本独特のものだと言いたいようですが、これには疑問。たとえば、ダニエル・ピンクのフリーエージェント社会の到来では、「あれ?これアメリカの事例だよね?まるで昭和的価値観じゃん」と思ってしまう、旧社会の病弊がいくつも紹介されています。思うに、20世紀の先進国に共通の事象なのではないかと。
(ちなみにフリーエージェント社会の到来は近いうちに書評します)

 →フリーエージェント社会の到来(ダニエルピンク)の記事

とすると、ますます昭和的価値観に固執する理由がなくなってきます。日本人特有のものですらないのですから。積極的・意識的に捨て、新しいものを模索すべきです。

そのためには、敵を知るのが一番。これからキャリアを作っていく世代は、必ず読むべきだと思います。

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

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bookreader221 at 12:41コメント(0)トラックバック(0) この記事をクリップ!
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