2007年02月

2007年02月28日

認知と購買が結びつく架け橋は、不思議な「からくり」で出来ていた?!

ヒトがモノを買う仕組みは実は、あやふやである。テレビや雑誌のCMは本当にその効果があるのだろうか?本書はホイチョイプロダクションのブレーンである著者がCM界の”パンドラの箱”を開けてしまう1冊。硬いビジネス本の要素とエンターテイメント性を併せ持つ、扶桑社ライトビジネス本最新刊。

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:扶桑社
  • 定価:1365円(税込み)
キミがこの本を買ったワケ
livedoor BOOKSで購入


2007年02月27日

人間はミスを犯す、利便性(=功利性)とセキュリティは相容れない、という単純な事実に、いかに多くの人間が気付いていないことでしょう。

私事で恐縮ですが、私は通算20年IT産業の片隅で生きてきました。その間、自分も含めて、何人もの人間が、実に単純なミスを犯すのを見てきましたし、何故こんな風になることが予見できなかったのか、或いは、何故誰も止めなかったのか、と思うようなことも多々経験してきました。

ロンドンで仕事をしたこともあるのですが、その時印象的だった出来事の一つに、某社を訪れた時、「(努力の結果)わが社では(指示書の)エラー率が5%まで落ちた」と先方が誇らしげに語っていたことでした。当初、「何だ、5%ということは、100件処理したら、5件間違えることか」と馬鹿にしていましたが、そのうち、英語には’within the range of human error’という表現があって、要するに「人間の犯すミスの範囲」ということなのですが、「人間はミスを犯す」という大前提となる考え方が背後にあることが分かってきました。ですから、前述した会社の人間も、「人間の犯すミスはゼロにはならない」という単純な事実を理解し、5%程度は仕方がないと判断していたのです。そして、この前提があると、ミスを犯した時に、どうやってその対応を行うのか、が次の策として自然に出てくる思考パターンになります。現在の日本の制度に広く欠けていると思われるのは、この思考パターンではないでしょうか。

本書は1999年9月30日に起こった、東海村臨界事故の犠牲者となった大内久さんの83日間の闘病と治療の記録です。優れた記録がすべからくそうであるように、書全体が、事実を、その時々に大内久さんの治療にあたっていた医師や看護婦の感情も含めて、事実だけを伝えようという姿勢で貫かれています。そうして、読者は、被曝がどういう結果を人体にもたらすのか、被曝者は死に至る前にどのような苦しみを受けるのかを、事実として受け止めざるをえません。詳細はあえて触れませんが、それが想像を絶するような苦しみであること、なおかつ、最新の医学と技術力をもっても、治療のしようのない病であることは、全ての読者が理解できます。この事実の前に、我々は慄然としますが、更に広島や長崎で被爆した多くの犠牲者の一人一人が、そして、詳しくは報道されていませんが、チェルノブイリ事故の犠牲者の一人一人が、大内さんのような苦しみを受けた後に死を迎えたことを思う時、怒りにも似た激しい感情が湧きあがってきます。その感情は、止めようもない涙となって、私の頬をつたいました。

「原子力防災の施設のなかで、人命軽視がはなはだしい。現場の人間として、いらだちを感じている。責任ある立場の方々の猛省を促したい」(本文より)これは、寝食を忘れて、治療にあたった前川東大教授の大内さんの死を発表した記者会見での言葉です。大内さんのご家族に直接病状とのその変化(悪化)を伝え、最後まであきらめなかった、否あきらめきれなかったご家族の思いに直接接してきた立場の方として、実は相当抑えた言葉だったのではなかったのではないか、と想像しています。この事故が、いかにずさんな管理と運用の結果であったものかは、本書を読むまでもなく、当時の記憶を呼び覚ますだけで十分なのですが、更に驚くのは、大内さんを始めとする作業員の方々が臨界事故の可能性について知らされていなかいまま、作業をしていたという事実です。可能性を知っていれば、或いは、気付いていれば、誰でもそれなりの対応を取るでしょうし、こういう事故は起こらなかったと思います。万一起こったとしても、死者は出さずにすんだのではないでしょうか。「馬鹿野郎!お前ら、人の命を何だと思ってるんだ!なんで、こんなになるまで、手を打たなかったんだ!」前川教授は、本当はこう言いたかったのではないでしょうか。

「人間はミスを犯す」、「利便性=功利性とセキュリティは相容れない」、という単純な事実に、いかに多くの人間が気付いていないことでしょう。悲しいことです。

(hacker)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 編集:NHK「東海村臨界事故」取材班
  • 出版社:新潮社
  • 定価:460円(税込み)
朽ちていった命―被曝治療83日間の記録
livedoor BOOKSで購入
書評データ


books_review at 13:00|PermalinkComments(0)TrackBack(2)clip!書評 

2007年02月23日

本編と作中作の異なる仕掛けが二重に楽しめるミステリー

檻の内側と外側を描いたミステリー長編。作中作の「内」に対して、その「外」ではいったい何が起こっているのか? 誰が何をしたのか。本編で明かされる「驚天の真相」とは……。

作中作「檻のなかの七匹の獣」
あらすじ:殺人を前提としたその建物ではあらゆる役割が伏せられる。七人の男女の役割は「殺人者」「被害者」「探偵」「共謀者」「傍観者」「邪魔者」「監視者」である。たがいに自分の役割しか知らない。だから誰にも気が許せない。やがて、ひとり、殺された。

※ケータイlivedoor小説(携帯電話)でこの本の「作中作」が読めます。
「nv@ld.tv」 宛に空メールを送ると、折り返しURLをメールで送ります。
詳細は、http://mobile.livedoor.com/novel/をご覧ください。

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:原書房
  • 定価:1680円(税込み)
晩餐は檻のなかで
livedoor BOOKSで購入


books_review at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(1)clip!ミステリー 

2007年02月22日

誌面リニューアルの第二弾!

“現代”が3時間でわかる情報誌「ダカーポ」が、誌面を完全リニューアル。これまでの内容から、20〜30歳代の男・女に向けて刷新しています。とくに女性向けの企画を大幅アップして、現在(いま)をタイムリーにキャッチアップします。

特集内容:
4/3年で会社をやめる時代のライフプラン
新卒採用の35.75%が3年以内に会社をやめている1
やめて成功する人、失敗する人。
業界別、会社のやめどき
▼年功序列が若者を早期離職へ走らせる!
▼データに見る「若者が3年で辞める理由」
▼3年で会社を辞めるのは損か得か?「山田昌弘」「山崎元」「梅森浩一」「金剛地千鶴子」
▼経験者が語る「わたしの転職成功体験談」「大桃美代子」「ますだおかだ」「高瀬武英」「渋谷高雄」「中尾治郎」「上村崇」「粟飯原理咲」「北村恵」「井戸川清香」「江原理恵」
▼いま、転職市場はどうなっているか?
▼転職のタイミングはどう考えればいい?
▼嗚呼、転職悲惨物語「辞めなきゃよかった」
▼女性の仕事復帰を有利にするための方法
▼チャートで診断!その転職は大丈夫?
46/取り戻す、余分に払わない・・・ためのCASE別ノウハウ集
最新サラリーマンの節税術
▼節税のキホン!確定申告書の書き方三角「生活」「医療費」「保険」「住宅」「投資」「贈与・相続・退職金」
108/「キレイ」を目指す母と娘が日本を変える!?
注目の新女性マーケット
Hahakoってなんだ?
▼クリエーターや企業が語る「Hahako」マーケット
▼「Hahako」世代の命名者が語る新しい母娘の形
▼「Hahako」マーケットを引っぱる団塊の母たちの気持ち
▼団塊の母と一緒に行動する娘の気持ち
▼一緒に行動して、一緒に選んで、一緒に買う「Hahako」の気持ち

30/キーワード パスモ、被害者参加人ほか
32/キーパーソン 東国原英夫、蒼井優ほか
34/メディア時評 齋藤貴男
36/語録&数字
38/ゴシップ&三面記事
40/新聞の社説&週刊誌の目次頻度
42/テレビ時評 豊崎由美
43/雑誌時評 武田篤典
44/強飯にごま塩!? 塩田真弓
64/サイボーグサラリーマン メカ★アフロくん 「犬の鎖」の巻 花くまゆうさく
68/新ダカーポ探検隊 「女性に甘えられる”母体回帰”スポット」
70/仕事は芸術 中沢新一
72/Dacapo Book Store 続々登場、クラシックを読んで聴く本/『CHAMBER of CURIOSITI ES』『佐藤くんの柔軟生活』『ミステリアスセッティング』『持丸長者[幕末・維新篇]
●こんな本を読んできた・・・国重友美『カーライルの家』『白い黒人』『子守唄はなぜ哀しいか』
●Bookマトリックス[再脳ブーム]『マニュファクチャリング・コンセント(機Ν供法戞愡毀吋凜ンス』『失われた時間』『白疾風』
84/花粉症に立ち向かう
88/財部誠一の経済最前線リポート
90/業界展望 家電業界
94/実践! マネーテクニック ジム・ロジャーズ
99/ダカーポ商品学 アンダーアーマー パフォーマンスアパレル
103/ジャーナリスト入門 宮嶋茂樹
121/information
123/ことばのことばっかし 金田一秀穂
―dacapo forum―
124/Money 深野康彦
125/IT 吉田育代
126/Audio Visual 麻倉怜士
127/Car 金子浩久
128/Sports 相沢光一
129/Gulliver 山口俊明
130/Gastronomy 君嶋佐和子
131/Alcohol 山同敦子
132/Music 鮎貝健
133/Cinema 滝本誠
134/クイズ
135/次号予告

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:320円(税込み)
ダカーポ 2007年 3/7号 [雑誌]
livedoor BOOKSで購入


books_review at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(1)clip!雑誌 

2007年02月21日

「旅」が選ぶモード特集号

「旅」4月号(2月20日発売)
モード特集
この春はちょっぴりアート気分、
直島、台湾で旅のおしゃれ全開!


おしゃれをして、アートな旅先へ。

今月の特集は今シーズンのトレンド・クローズと、いま注目すべきアート・スポットを紹介します。
複雑に輝くホログラフィックな光、絵画のように緻密なエスニック・モチーフなど、今シーズンはアート感あふれるアイテムが目白押し。だからこの春は、アートがたっぷり楽しめる旅をしたいもの。
旅先のオススメのひとつは、香川県の直島。美術館とホテルが一体となった施設「ベネッセハウス」、建物のほとんどが地中に埋まっている「地中美術館」など、画期的なアート活動で海外にも知られている、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。しかも今月末から、草間彌生、千住博、大竹伸朗、ディヴィッド・シルヴィアンといった錚々たるアーティストが参加する大企画展「NAOSHIMA STANDARD 2」が催されます。美術館内だけでなく、屋外にも数々の作品が展示され、島じゅうじっくり歩き回ってみたくなります。
そして世界四大美術館のひとつにも数えられる、台湾の「故宮博物院」も見逃せません。改装を終えて今月、リニューアル・オープンしました。キュートなお土産屋さんや台北のニューホテル、話題のレストランも取り上げています。

とじ込み付録はニューヨーク特集。

さらに今号ではニューヨーク特集も収録。ニューヨーカーに愛されるショップ、レストラン、カフェ、スパ――。ショートステイ感覚を満喫する、新たな旅の楽しみ方を提案します。
また人気の連載「小さな町へ、小さな旅」は、静岡県の松崎。西伊豆の、この小さな町では川沿いにずらっと桜の木が植えられていて、春にはぜひ足を運びたいところ。港町ならではの新鮮な魚介も堪能できます。
そのほかにも、目元口元のアンチエイジング・ケアの方法、コーディネイトのポイントにしたいキーリング、あのコリーヌ・セローが魅せる話題作「サン・ジャックへの道」のご紹介など、気になる情報が満載です。

ぜひ、ご覧ください。

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:新潮社
  • 定価:700円(税込み)
旅 2007年 04月号 [雑誌]
livedoor BOOKSで購入


books_review at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(7)clip!雑誌 

2007年02月20日

「間違えたら、またやればいいだけのごとだべさ。大切なごとは“わかる”というごとなんだ。してな、それよりがもっと大切なごとは“考える”ってごとなんだ(本文より)」

この小説から連想するのは、当然アーサー・ペン監督の『奇跡の人』で描かれた、サリバン先生とヘレン・ケラー(赤ん坊の頃に、熱病の影響で、盲目で聾唖となった女性)の実話です。この映画の原題は「The Miracle Worker」で、「奇跡を起こす人」という意味からもお分かりのように、実はサリバン先生の物語です。彼女は自分自身も極端な弱視という障害を持っていたのですが、触感しかコミュニケーション手段を持たないヘレン・ケラーに、手話を通して、事物にはそれを指す言葉があり、言葉にはそれぞれの意味があることを伝えようとして、教え子と文字通り格闘する物語です。映画のラストで、ヘレン・ケラーはwaterが水を指すということ、万物には名前があることを理解し、いわば動物から人間へと蘇生するのですが、それは同時に、サリバン先生にとっても、自分でも誰かを救えたという事実による、自分が世の中に存在する意義の証でもあったわけです。実は、あまり一般的には認知されていないような印象があるのですが、これが教育という行為の本質なので、教育は教えられる者のためだけにあるのではなく、教える者のためにも存在するのです。この両者が「救われる」ことを目的に行うのが教育なのです。

北海道を舞台にした、この小説も作者自身の実話を元にしていますし、主人公西川司、通称かっちゃんと森田先生の関係は、『奇跡の人』のそれとよく似ています。主人公はひらがなも数字も満足に理解できず、知的障害児を集めた、ひまわり学級(昔は珍しい存在ではありませんでした)に小学校2年生から編入されます。しかし、5年生の時、転校がきっかけで、ペルーの小学校で教鞭を取っていて、日本に帰ってきたばかりの森田先生に出会います。森田先生はかっちゃんの視点で、かっちゃんの話を聞き、「なぜ、漢字とひらがなとカタカナが存在するのか」といったような、誰も教えてくれなかった疑問に答え、誰も教えてくれなかった跳び箱の跳び方や逆上がりのやり方を、分かりやすく教えてくれます。5年編入前の春休みの2週間、森田先生の特訓を受けたかっちゃんは、それまでぼんやりとしていた意識が、一枚一枚薄皮がはがれるようにはっきりしてきて、「普通の」子供へと生まれ変わるのです。当然ですが、かっちゃんは先生にいたく感謝します。ある時、「おれ、先生の生徒になれで、ほんとによがったと思ってる」と言うと、その先生から「なんもだ。先生のほうごそ、にしかわの担任になってほんとによがったと思ってる。ペルーから帰ってきて、まだ日本の小学校の先生やっていぐ自信づけてくれだの、おめだからな」と言われ、びっくりするのです。

実質的な物語はこれが全てと言っても良いでしょう。かっちゃんのライバルとの友情、淡い初恋、感動的な卒業式も語られるのですが、この物語が語るべき内容からすれば、むしろ蛇足かもしれません。と言うか、この物語が伝えたかったのは、結局のところ、前述した教育という行為の本質と、森田先生の次の言葉に集約されています。

「間違えたら、またやればいいだけのごとだべさ。大切なごとは“わかる”というごとなんだ。してな、それよりがもっと大切なごとは“考える”ってごとなんだ」

こういう先生に出会えたかっちゃんは、幸せです。実際に社会に出てみると分かるのですが、いかに「考えない」人間の多いことか。「なぜ、こういう風にするのか」という質問に対して、「そういう風にしろ、と言われたので」とか「昔から、こうしています」と答える人間が、いかに多いことか。更に残念なのは、そういう受け答えをすることに、何ら疑念を感じていない人間が多いということです。

「少年よ、大志を抱け」よりも、「大人よ、考えよ」の方が、今の日本にはふさわしそうです。

(hacker)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 著:西川 つかさ
  • 出版社:講談社
  • 定価:1365円(税込み)
ひまわりのかっちゃん
livedoor BOOKSで購入
書評データ


books_review at 13:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!書評 

「雑学の宝庫なれども、もう一歩!」

 「数学を勉強したって何の役に立つの?」とは子供が一度は口にするセリフでしょうか。中でも確率は、数学の中でも義務教育から大学の教養まで、どの段階でも「最後にちょっと」という扱われ方をすることが多いと思いますので、この問の格好の餌食かもしれません。

 本書は、著者が文系出身というだけあって、非常に分かりやすい文章で確率を復習することから始まります。そして、「ジャンケン必勝法」「お見合いで気に入った女性と結婚する方法」「なぜ二度あることは三度あるのか?」などなど、生活に密着した楽しい例題が、確率によって説明されていきます。

 例の選び方が身近で親しみやすく、取り分け男性諸氏には非常に興味をそそるものになっていると思います(そういう読者層を想定しているのでしょう)。なるほど!と思わず膝を打ってしまうこともしばしばではないでしょうか。

 ただ、雑学としてはすこぶる面白いのですが、「成功法則」とストレートに結びつけるのは、やや飛躍を感じてしまいました。当たり前のことですが、現実世界では、数学「だけ」ではうまくいかないからです。上の例で言えば、実際のお見合いでは女性にも断る権利がありますので、前提条件から成り立ちません。

 著者もこういった限界については多少触れてはいるのですが、実際には「個人の自由意志」が大きな影響力を持っているという点について、やはり確率から説明することもできるのですから、その点に一章を充てるくらいの構成にしてもよかったのでは、と思います。

 例えば、「納豆を食べてダイエットに成功した」(笑)ということが連続して5人成功したとします。さて、この場合のダイエット法が本当に有効な確率はどのくらいだと思いますか? 正解は、54.9%以上(信頼区間95%)です。例え捏造が無くても(笑)、大して信用できる結果ではないのです。

 また、本書で扱う確率の範囲からは外れるかもしれませんが、「デンタルフロスを使って歯を磨く人は、肥満が少ない」という疫学調査があります。この研究は、数学的に検討すれば、どこから見ても正しいものです。しかし、この結果から「デンタルフロスでダイエットができる!」なんていう結論を導き出す人はいませんね。

 これは無論のこと、きちんと歯を磨く人は体全体の健康にも気を遣っている確率が高いのだから、自然と肥満者も少なくなる…という「個人の自由意志」が影響して、まったく関係ない因果関係が導き出されたに過ぎません(これを「偽りの関係」と言います)。

 残念ながら世の中に氾濫する情報は、特に「健康情報」は、この程度の価値しかないことが多いものです。このような「嘘」を見破るためには、数学を勉強することで、論理的思考を身に付けることが大いに役に立ちます。しかし、同時に数学「だけ」ではいけない、ということも分かるようになる…というのが、最初の問いへの答えにもなるでしょうか。

 いっそのこと「数字遊び」に徹した方がすっきりしたような気がします。「成功するにはワケがある!」という副題を付けるには、ちょっと苦しいかな、という印象ですが、飲み会の話題を仕入れたい、という向きには絶好の、楽しい小話満載の一冊であることは間違いないと思います。


他の著作も読みたい度 ★★★☆☆
古書店には売らない度 ★★★☆☆
これは使える!度   ★★★★★
心が揺さぶられます度 ★☆☆☆☆

(シルフレイ)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 著:野口哲典
  • 出版社:ソフトバンククリエイティブ
  • 定価:945円(税込み)
知ってトクする確率の知識 成功するにはワケがある!
livedoor BOOKSで購入
書評データ


2007年02月19日

フランス語で卵という意味の文芸誌

マガジンハウスのPR誌「ウフ.」は、フランス語で卵という意味で、同社書籍編集部が作成する月刊誌です。

ウフ.2007年3月号

目次

宮崎あおい「あおい歳時記」
米田郷之/中島京子「面白い本が読みたい」
『私のスフレ』刊行記念 林真理子さんインタビュー 多感な青春時代があった
から今がある
『空中スキップ』刊行記念 妄想王国にようこそ。気になる翻訳家・岸本佐知子特集
夏石鈴子「長生き奥さま」
ほしよりこ「ボナペティ日記」
斎藤美奈子「世の中ラボ」
大島美幸「ブスの瞳が恋されて」
吉田篤弘「小さな男*静かな声」
朝倉かすみ「タイム屋文庫」
山本幸久「美男子考」
辛島美登里「半熟女日記」
川島誠「スタート・イン・ライフ」
鴻巣友季子「孕むことば」
三砂ちづる「タッチハンガー」
いましろたかし「釣行記06〜」
玖保キリコ「ヒメママ」

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:マガジンハウス
  • 定価:250円(税込み)
ウフ.2007年3月号
livedoor BOOKSで購入


books_review at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(2)clip!雑誌 

2007年02月18日

禁煙運動に徹底抗戦を宣言する問題の書!

分煙さえ認めず、全面禁煙を主張する昨今の禁煙運動は、まさにファシズムの様相を呈してきた。
単に「たばこを吸わせろ」というような問題ではない。禁煙運動がひた隠す秘密と危険に迫り、徹底抗戦を宣言する問題の書!

〈猖獗(しょうけつ)をきわめる昨今の禁煙運動の根源にあるのは、特定の集団を差別したいという心理である。現在の先進社会では、性別、人種などによって人を差別することは、たてまえ上とはいえ、許されていない。そこで、他人に害を与えるという理由のもとに、喫煙者を「汚い」ものと認定し、差別しようとしているのである。
これは、かつて肺結核患者やハンセン氏病患者が受けた差別と、ほぼ同質のものだ。
二言目には「喫煙者のマナーが悪い、国や自治体が規制してほしい」と言い出し、分煙さえ認めず、全面禁煙を主張する禁煙運動家は、再び全体主義を招来する、恐るべき国家依存症にかかっているのだ。〉(カバーより)

〈目次〉序 文
     第1部 禁煙ファシズム・闘争宣言(小谷野 敦)
     第2部 「禁煙ファシズム」の狂気(斎藤貴男)
     第3部 嫌煙と反‐嫌煙のサンバ(栗原裕一郎)
     第4部 反・禁煙放談(小谷野 敦 × 斎藤貴男)
     国家依存症の危険――後記にかえて

[付録]エンストローム論文「カリフォルニア在住者を対象とした計画研究における環境中たばこ煙とたばこに関連した死亡率、1960-98年」

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 出版社:ベストセラーズ
  • 定価:893円(税込み)
禁煙ファシズムと戦う
livedoor BOOKSで購入


2007年02月17日

化粧は「身だしなみ」から「自己表現・教養」へ

なぜ、女性たちは電車の中で化粧をするようになったのか。それは単にウチ・ソトの区別がなくなったからではない。化粧そのものが変わったのだ。身だしなみというプライベートなものから自己表現というパブリックなものへと。

今や化粧は、自己表現であり、立派な趣味の一領域であり、教養ですらある。「化粧が上手いですね」は褒め言葉であり、意のままに外見を操れる女性はインテリジェンスならぬ、「ビューテリジェンス」の持ち主として賞賛される。そして、「コスメフリーク」と呼ばれる彼女たちの化粧への熱中ぶりは、まるでアニメやマンガに対するオタクのそれを思わせる。何しろコスメフリークは私というフィギュアに「萌える」のだから。

電車男と電車内化粧女。オタクとコスメフリーク。それは、一見正反対の存在に見えても、90年代の日本社会が生み出した表裏一体の文化現象なのである。

「萌え」をキーワードに現代化粧文化の核心に鋭く迫る、目からウロコの快作。

〈目次〉
プロローグ――電車内化粧はなぜ非難されるのか
第1章 化粧のお仕事――「トータルライフ・アドバイザー」叶姉妹の謎を解く
  叶姉妹はどこから来てどこへ行くのか
  「トータルライフ・アドバイザー」――化粧のお仕事
  美は一日にしてならず――獲得される美
  「メイク魂」に火がついた!――90年代「化粧ブーム」
  大人の身だしなみからウチらのはやりモンへ――化粧行為の変容
  プチ叶姉妹の誕生――コスメフリークという「受け手」たち

第2章 化粧は人なり――「メーキャップ・アーティスト」藤原美智子の謎を解く
  藤原美智子という教祖(カリスマ)
  美人道という宗教
  化粧は人なり――人格に結び付けられる化粧
  聡明な女は化粧が上手い――教養としての化粧
  美人の「民主化」

第3章 趣味は化粧――「カリスマ主婦」君島十和子の謎を解く
  君島十和子はなぜ「美のカリスマ」なのか
  化粧の「読み書き」
  自己目的的化粧――化粧を「語る」
  化粧道楽――「読む」、「書く」、「語る」の諸相
    〈「読む」――すべては化粧文法から始まる〉
    〈「書く」――物語(フィクション)の主人公(キャラクター)になる〉
    〈「語る」――「私」のスタイルを表現する〉
  究極の化粧道楽――「読む」「書く」「語る」を越えて

第4章 男より化粧が大事と思いたい――「さすらいの女王」中村うさぎの謎を解く
  「プチ整形」はセレブの証――コスメフリークの「お直し」事情
  中村うさぎという勇者――そのさすらいの目的地
  私という人形〔フィギュア〕に「キャラ萌え」

エピローグ コスメフリークという「オタク」――内面不在の1990年代
  「モノ語り」の人々とコスメフリーク
  コスメフリークというオタク
  内面不在の時代――「電車男(オタク)」と「電車内化粧女(コスメフリーク)」

(書誌データより引用)

この本の感想(書評)を書いてみませんか? 詳細はこちらです。

★この記事が参考になったら、クリックしてください
ブログランキング

  • 著:米澤 泉
  • 出版社:ベストセラーズ
  • 定価:819円(税込み)
電車の中で化粧する女たち―コスメフリークという「オタク」
livedoor BOOKSで購入


books_review at 05:00|PermalinkComments(0)TrackBack(4)clip!社会・政治