本の国のアリス ー図書の庭Ⅲー

2000冊以上の読書日記より 1996年から現在までに 読んだ本の感想&あらすじを 過去から順に紹介していきます。

・恒川光太郎

「私はフーイー」


「私はフーイー」・・・恒川光太郎 (メディアファクトリー)

内容(「BOOK」データベースより)
ヨマブリと胡弓の響き、願いを叶えてくれる魔物、ニョラの棲む洞窟、
林の奥の小さなパーラー、深夜に走るお化け電車、祭りの夜の不吉な予言、
転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは―。

私はフーイー

(2015年に読んだ本)
『転生を繰り返す少女フーイーが見た島の歴史と運命とは』
『夜市』の著者が紡ぎだす、新たな沖縄民話の世界。

「弥勒節」「クームン」「ニョラ穴」「夜のパーラー」
「幻灯電車」「月夜の夢の、帰り道」「私はフーイー」
沖縄怪談短編集とありますが、怪談というよりは異界?
不思議な世界を覗いた後味は、あまりよくなかったかな…
いつもの恒川ワールドの面白さが伝わらなかったです。
ただ、作者が読者のもやもや感を狙っていたのなら
私の感じた後味の悪さも、作者の思う壺ですね^_^;


「竜が最後に帰る場所」


「竜が最後に帰る場所」・・・恒川光太郎 (講談社)

(内容紹介)
風を、迷いを、闇夜を、鳥を。
著者はわずか5編の物語で、世界の全部を解放してしまった。
闇の中から一歩、また一歩と光射す方へ誘われる、
「夜市」の著者の新たな到達点にして最高傑作。

この世に潜むものたちを、5つの物語で誘い出す――。
――私たちは私たちだけ? ――進むってどこに行くの? どこに行けばいいの?
シンは少し考えてからいった。――<竜が最後に帰る場所>よ。

「竜が最後に帰る場所」

(2015年に読んだ本)
本書は幻想的で奇譚な5つの物語からなる短編集です。
先の読めない物語は、怖いもの見たさ?のようで
最後まで楽しませてもらえました。
1.風を放つ
2.迷走のオルネラ
3.夜行の冬
4.鸚鵡幻想曲
5.ゴロンド
それにしてもこの不思議な発想はどこから生まれてくるのでしょう?
恒川ワールド、ホント凄いです!

恒川さんの処女作『夜市』を読んでからというもの
恒川さんは、目の離せない作家さんの一人となりました。


「雷の季節の終りに」


「雷の季節の終りに」・・・恒川光太郎 (角川書店)

内容紹介
現世から隠れて存在する異世界・穏(おん)で暮らすみなしごの少年・賢也。
穏には、春夏秋冬のほかにもうひとつ、雷季と呼ばれる季節があった――。
『夜市』で鮮烈なデビューを飾った著者による、初の長編小説。

雷の季節の終わりに

(「2008年の読書日記」より)
現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。
彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。
しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。
姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。
風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、
穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、
賢也はその存在を隠し続けていた。
賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。
ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。
風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?

『夜市』のような鮮烈さはなかったのですが
不思議な世界観に惹き込まれ一気読みしました。
『夜市』と『風の古道』があまりにも凄い作品だったので
どうしても比べてしまい同レベルを求めてしまう
本書はそのレベルには達していないけれど、でも面白かったです。




「秋の牢獄」


「秋の牢獄」・・・恒川光太郎 (角川書店)

内容紹介
11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。
朝になれば全てがリセットされる日々。この繰り返しに終わりは来るのか──。
表題作他2編を収録、圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。

秋の牢獄

(「2008年の読書日記」より)
十一月七日水曜日。
女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。
何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。
悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会うが…。
世界は確実に変質した。この繰り返しに終わりは来るのか。

筑紫哲也さんが十一月七日に亡くなられました。
本書を読みながら筑紫さんのことが思い出され
沖縄問題にも正面から取り組んでいた筑紫さん
素晴らしいジャーナリストでした。(合掌)


「夜市」


「夜市」・・・恒川光太郎 (角川書店)

内容紹介
何でも売っている不思議な市場「夜市」。
幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。
野球部のエースとして成長した裕司だったが、常に罪悪感にさいなまれていた――。

夜市

(「2007年の読書日記」より)
『大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。
裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る
この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。
夜市では望むものが何でも手に入る。
小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は自分の幼い弟と引き換えに
「野球の才能」を買ったのだという。
野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが
弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。
そして今夜、弟を戻すために夜市を訪れたのだが―。』
幻想的かつ端正な文体、そして読む者の心を揺さぶる奇跡のエンディング。
第12回ホラー大賞受賞作。選考委員が驚嘆・畏怖した類い稀なる才能の登場!

表題作の『夜市』はもちろんですが
もう一作の『風の古道』もとても面白かったです。
両作ともホラーというよりは、ファンタジーに近いかな?
ノスタルジー感が漂うホラーファンタジー?
今までに読んだことのない作風だったので、
恒川さんの他の作品にもスゴク興味が湧いてきました。
今から他の作品を読むのが楽しみです。



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