February 20, 2011

爪 ゚Ⅳ〉禁じられた契約のようです

3 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:37:19 ID:f3XKS80g0
人の欲は尽きない
金を 富を 地位を 権力を
人を 心を 体を 命を

“永遠”という 夢物語すらも
人は欲する
人は手を出す

たとえそれが 禁じられたものだとしても




爪 ゚Ⅳ〉禁じられた契約のようです


禁じられた契約/フレディ波多江とエレハモニカ





4 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:38:05 ID:f3XKS80g0
ここに在って ここに無い
在ってはならぬものであり
同時に 在らなければならないもの
私は人の“夢”であり 私は現実の“敵”である

私は此処にいる
“何処にも無い”此処にいる

“何処にもない”場であり、“何処にでもある”場

それは人の心の奥底 深層心理の海の底
人の心理は一番深い処で一つに繋がっている


私は そこに居る


時折 ここまで堕ちて溺れてくる人間の 望みを叶えてやる
望みを叶えてやることに、意味はない
私は“叶えるもの”だから
叶えるに値する望みを持つ者だけが、此処にくる



今日もまた、ほら……



5 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:39:19 ID:f3XKS80g0
闇 闇 闇

そこには夜色の闇しかない
そこに ぽつり 白い影
否 白く長いワンピースを着た 小柄な少女


まだ幼い彼女の目は虚ろで どこか含みのある笑みを称えている

今日の来訪者は彼女のようだ
私はいつものように 丁重に挨拶をする


爪 ゚Ⅳ〉「こんばんは お嬢さん ようこそ 闇の果てへ」

(*゚―゚)「……あなた だぁれ?」

彼女は形式を無視する
私は気にしない

爪 ゚Ⅳ〉「私に名はありません。
存在自体も実にあやふやなのです。
強いて名をつけるというのなら………“アンノウン”と、お呼びください」

(*゚―゚)「…アンノウン……?」



6 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:41:38 ID:f3XKS80g0

爪 ゚Ⅳ〉「えぇ。此処に在って此処に無い
意味があって意味がない
在らなくてはならないもので、同時に在ってはならないもの
それが、“私”  …なので“アンノウン”」

(*゚ー゚)「よく意味がわからないわ」

爪 ゚Ⅳ〉「…それで、いいのですよ」

左半分を仮面で覆った顔で、そっと微笑んでみせた


爪 ゚Ⅳ〉「さて、貴女は今回、此処へ―望みを叶える闇へ―…何をしに来たのですか?」

(*゚ー゚)「……?」

爪 ゚Ⅳ〉「どんな願いがあるのですか?
……勿論対価は戴きますが私はそれを 叶えてみせましょう」


私の話を聞いた彼女は、白い花のようにふんわりと笑い
無邪気な望みを口にした


(*゚ー゚)「永久の、生命を」



7 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:43:16 ID:f3XKS80g0
彼女は語る
幼い瞳をきらきらと輝かせ
夢を語るように 望みを語る


(*゚ー゚)「私ね、もうすぐ死ぬの。
心臓の病気なんだって …でも私はね、まだ生きたい」

(*゚ー゚)「私には、好きな子がいるの ギコ君ていうのよ。
ギコ君といっぱい遊んで、ギコ君の彼女になって、
ギコ君といっぱい愛し合って、ギコ君と結婚して、子供生んで、
……ギコ君を最期まで、見送りたいの」

(*゚ー゚)「だから、期限はわからない
だから、ずっと、ずっと生きていたい」

浅はかな望みだ と、思った


爪 ゚Ⅳ〉「その為に、“永久”を望むのですか?」

(*゚ー゚)「えぇ ギコ君と一緒に居たいもの」

爪 ゚Ⅳ〉「そのギコ君とやらがもし、亡くなってしまったら?」

(*゚ー゚)「生まれ変わったギコ君に、会いに行くわ」



8 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:45:19 ID:f3XKS80g0

いたいけな幼い少女は まだ絶望を知らないのだろう
残酷なまでの結末を 知らないのだろう


それでも 彼女が望むのならば   私はそれを 叶えてみせましょう


爪 ゚Ⅳ〉「……そう、ですか。 …では、私と契約をしましょう」

ぱちん と、指を鳴らす
目の前に現れたのは、猫足の丸テーブルと、白の羽ペンと蝙蝠の血のインク
そして羊用紙の契約書

それらを彼女に勧める

爪 ゚Ⅳ〉「さぁ、ここにサインを。
私は貴女のその望み、叶えて差し上げましょう」

(*゚ー゚)「本当!?」

爪 ゚Ⅳ〉「えぇ、本当です   ただし、対価は必要になりますが、よろしいのですか?」

(*゚ー゚)「ギコ君と幸せになる為なら、なんだってあげるわ!!」

彼女はなんの躊躇いもなく、ペンを手に取った



9 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:46:48 ID:f3XKS80g0
にやぁり
口元に笑みが滲む 悪い癖だ
幼い 儚い
まだ何も知らない 無知でいたいけな少女
しかし言質は取った
彼女は対価も聞かぬまま、稚拙な筆跡で契約書にサインしていく
これで契約は完了

あとは彼女に 残酷なまでの“生”を与えるだけ



爪 ゚Ⅳ〉「ククク……あはははは…………」


おかしくて たまらない

狂おしくて たまらない

無知は罪だ
此処が闇だと 彼女は知らない



10 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:48:02 ID:f3XKS80g0


此処に在って此処に無い
意味があって意味がない
在らなくてはならないもので、
同時に在ってはならないもの
それが、“私”   “アンノウン”=“未知数”


私は此処にいる
“何処にも無い”此処にいる
“何処にもない”場であり、“何処にでもある”場

私は此処まで堕ちて溺れてくる人間の 望みを叶える
私は“叶えるもの”だから
叶えるに値する望みを持つ者だけが、此処にくる
相応の対価を引っ提げて、此処に来る
愚かな愚かな人間達


契約をした瞬間から、絶望は始まるというのに…………



11 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:49:51 ID:f3XKS80g0
蝋燭の灯火に遮られる闇
薄暗い部屋には 華奢で豪奢な一つのベッド

爪 ゚Ⅳ〉「どうぞ こちらへ」

雪のようにしんしんと冷たいシーツ
その上に 白いワンピースを身に纏った 色白のいたいけな少女
微かに震えているのは 期待か 不安か


爪 ゚Ⅳ〉「では、始めます。
     契約の内容を、絶対に忘れてはなりませんよ」

(*゚ー゚)「…………はい」

爪 ゚Ⅳ〉「まず、この契約は 破棄することは出来ません。
     …それも覚悟して、サインをしましたか?」

(*゚ー゚)「……はい」

爪 ゚Ⅳ〉「よろしい。では次に、この契約については 他言無用です。」

(*゚ー゚)「はい」



12 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:50:49 ID:f3XKS80g0

爪 ゚Ⅳ〉「契約内容についても、私の存在についても、ですよ」

(*゚ー゚)「…はい」

爪 ゚Ⅳ〉「では契約の証として、その胸に紋章を刻ませていただきます」

(*゚ー゚)「…刺青?」

爪 ゚Ⅳ〉「いえ、紋章です……まぁ、墨みたいなものですが」

(*゚ー゚)「…それも、見られるとまずいの?」

爪 ゚Ⅳ〉「ご心配なく。」

にこりと微笑んで見せる
内心で 考える必要すらなくなるのだから と、ひとりごちながら



13 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:52:52 ID:f3XKS80g0

爪 ゚Ⅳ〉「では、よろしいですか?」

(*゚ー゚)「…………はい。 …お願い、します………」

契約完了
頷いて、ベッドに 彼女に覆い被さる
まだ蕩けそうに柔らかい唇を吸い、右手の指先で、繊細な首筋を弄ぶ
そして左手を彼女のワンピースに手をかける
彼女は恥じらい、私の手に小さな冷たい手を添えてくる
恥らっていられるのも 今のうちだけだ
片手で釦を外していくのを、彼女の碧い瞳は虚ろに追って行く
これから行われる“契約”  その穢れのない瞳に 映してしまっていいのでしょうか…?



爪 ゚Ⅳ〉「……悔いることなど、許しません」

(*―)「ぁっ……………―――――― 」



ワンピース上から 小さな小さな双丘の片割れに、強く爪をを突き立てた



14 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:54:19 ID:f3XKS80g0


薄れてゆく頬の紅 鋼のように

その痛みに耐え忍ぶ叫びは 闇に融けて儚い

永久にに続く生命を得る為に差し出したもの

胸に刻む禁じらた契約

戻ることはできない

…… ―


15 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:55:40 ID:f3XKS80g0

高揚が止まらない
笑みが絶えない
喜びが抑えられない
我ながら自画自賛してしまう
“彼女”は、最高傑作だ

爪 ゚Ⅳ〉「どうでしょう?素晴らしいでしょう?きっと 気に入って戴けましょう」

その胸に今印された   黒い薔薇の紋章



(*ー)「……………………」

彼女に鏡を向ける
出来栄えを見てもらう為だ

彼女はぎこちなく微笑んでいる
古くくすんだ鏡の向こう側で、
壊れそうな儚さを孕んだ 真っ白い肌を晒した彼女
淡い黒髪だけが 彼女に色を与えている
造り変わった身体はまるで人形のようで…



その実 人形である



16 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:56:51 ID:f3XKS80g0

彼女は知らない
永久に得た生命の意味
ヒトであることをやめてしまう 禁じられた契約
彼女に残されたのは ほんの僅かな 幼い頃の記憶
彼女は今後 その記憶の中だけで生きていくだろう

抜殻のようになった彼女に、私は糸 ― 意図 ― を括り付ける
これで人形の完成

悔いる時間など許されない
今の彼女にはもう 己が意志などないのだから
戻ることは出来ない
彼女が望んだことだから
誰もそれを知らない
これは 禁じられた契約だから



17 : ◆zynqho4iRI:2011/02/19(土) 19:58:28 ID:f3XKS80g0

私は嗤う
彼女は踊る
…私の手によって
可笑しくてたまらない
滑稽でたまらない
実に浅はか
実に愚か
残酷な結末
彼女はもう 絶望を知る術すらない
それはある種の 幸せなのかもしれない

彼女は知らない
彼女は気付かない
私に釣られていたことを

爪 ゚Ⅳ〉「……おいで 『ギコ』」

闇から現れる 残酷な真実

(,,゚Д゚)「…………」


誰もそれを 知らない

禁じられた契約

爪 ゚Ⅳ〉禁じられた契約のようです  終



boonkei_honpo at 10:29│Comments(1)TrackBack(0)シリアス | 音楽短編フェス

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この記事へのコメント

1. Posted by Download ashlee simpson la la   December 15, 2011 18:52
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