2012年02月01日

ガチャ考察その1


(source:official site Title:ドリランド)

 ガチャは日本が生み出した、オークションに次いで最も課金効果の高い、いや、有効範囲で言えば最高とも言える課金術と言える。それだけに日本以外の国では賭博として扱われる事が多く、オンラインでの賭博を禁じている国では採用できない課金術だ。

 元々は現物のガシャポンをPCのオンラインゲームで採用したものだが、ソーシャルゲームの主軸となり、急激にその課金術が発達した。もはや、単にガチャを置いているような段階から何段も進み、しかも、この瞬間も新しい内容になっているかもしれない。

 このガチャの課金術はそのままソーシャルゲームの開発術に直結するので、技術や制作めいた内容まで、この場で書くのを控えていたが、あまりの早さに自分でも整理がつかないので、この場を借りて、一定周期ごとにまとめていく。

○ハズレ、並、当たりを確率で払い出しするくじ引き(第一段階)

 最も原始的なガチャがこれだろう。このハズレから当たりの区分だが、ゲーム内での価値を示しており、そのアイテムが作られた工数はあまり関係がない。元々、MMORPGではMOBのレアドロップ率が決められており、1日どの位出現し、そのレアがどの位、ゲーム内に出現するかをモニタリングする事で、レアの価値を作ってきた。

 ガチャとは、そこから戦闘を無くし、その代わり、課金させているに過ぎない。

○並、当たりのみが入っているガチャ(第一段階)

 こちらは現金をある程度払って、ハズレという金額に見合わないアイテムを掴まされる不安から課金に進まない心理に対する施行。ハズレがない、何かしら金額に相応したアイテムが手に入るので、当たらなくても、損したという意識が少し薄れる。

○ダブルアップのあるガチャ(第一段階)

 ダブルアップ自体は原始的なポーカーの時代から存在していた。こちらはやり方は2種類あり、ハズレを引いても、次に課金すれば当たりの可能性が高い、または当選確実と調整するか、当たりを引いて、更に課金すれば、大当たりが引けるかもしれないという調整。後者は本来は外れた場合、全部失うのだが、最初の当たりは残す場合が多い。こうする事でダブルアップのリスク感を無くし、挑戦しやすいようにしている。 

○3ステップのガチャ(第一段階)
 
 1回のガチャで3回チャンスがあるというガチャ。2回までの結果を見て、その結果で止めるか、次に賭けるかを選べる。ユーザーが介入する部分が増えれば増えるほど、運という認識が減り、外れた事が自己責任という認識が増えていく。2回まで選べる事で通常のワンチャンスに比べ、チャンスが多いという印象を作る事が出来る。

○3択のガチャ(第一段階)

 上記の3ステップの新化系。1回引くと3つアイテムが出てきて、どれかひとつを選ぶ。賭博としてみると、1回ごとに賭けられる3ステップの方がドキドキするのだが、ユーザーが望むのは効率と結果であり、3ステップの場合、さっきので止めておけばという後悔が生まれる。それに比べると3択は単に3つのアイテムが並び、そこから選ぶのだから、3ステップよりも選択肢が広く、ユーザーに優しい内容と言える。

○まとめ買いガチャ(第一段階)

 通常は1回ごとに課金、1つのアイテムだが、5回分の課金をして、6つのアイテムが得られるなど、お得感をアピール。最近は11連、10連という単位が多く、1回ごと引くよりも当選確率が高いような事を謳っているが定かではない。

 一般的にガチャの相場は200〜300円であり、ジュース2本分程度、1日に2回くらいは試しで入れてもいいやと言えるような金額だ。だが、この10連や11連になると2000〜3000円になる。200円や300円を続けていたら1万円使っていたという事は良くあるのだが、この10連や11連に手を出した事はあまりない。

 内部的な抽選はどちらも同じだと思うのだが、自分としては1回ごとに金を入れ、運を試すような部分が楽しいのでプレイしているのであり、とにかく結果、金に糸目はつけないような心理でない限り、この10連や11連というものは使わないのではないだろうか。

 自分は以前、試してみたものの、あまりに当たりが少なかったので、これならば1回ごとの方が納得できるという結論に至っている。これも上記で挙げたように、ユーザーの介入が増えるほど、自己責任で納得できるという事である。


○2ステップ、スロット要素つきのガチャ(第二段階)

 ここで第二段階と呼んでいるのは、第一段階は単にガチャと課金という一対の関係だったのに対し、ここからはガチャと課金、そこから生まれる別の要素が加わった事を意味する。この別の要素が増える度に段階が進んでいく。

 ガチャ自体はオーソドックスなものだが、このガチャを引くとスロットの目が動く。スロットの目が揃うと特別なアイテムが得られるという内容で、例えば2回課金し、スロットの目が揃っていれば、それは後1回引きたくなるだろう。ガチャそのもので動機を作るのではなく、他の要素を加えて強化しているのである。

○ガチャアイテム溶解→ガチャポイント獲得(第二段階)

 ハズレ、もしくは不要なガチャアイテムを溶かし、次回のガチャを引く足しにするもの。250円で1回引いたとして、溶解する事でガチャポイントを30ポイントもらえ、100ポイントでまたガチャが引けるような内容である。大量にガチャを回すユーザーからするとお金を節約できた印象がある。

○ガチャアイテムで更にガチャ(第二段階)

 上記に似ており、ガチャアイテムを入れる事で引ける特別なガチャである。上記のものは正規のガチャのポイントが得られるという内容だったが、こちらは特別なガチャでしか手に入らないものを用意すれば、新しい動機を作る事が出来る。

○コンプでスペシャルなアイテムを(第二段階)

 そのガチャで集めるべきアイテムのリストがあり、そのリストをコンプする事で、コンプでしか得られない特別なアイテムが得られるという内容。殆どのゲームが採用しており、このコンプアイテムがイベントで最高の価値を作る。

 上記に挙げた10連、11連よりも圧倒的に金がかかる。コンプする数、確率にもよるが、この類の内容では大体5000円〜5万円近くコンプまでに投資しなければならない。中にはコンプ数で得られるアイテムが変わるというものもあり、その場合、上記の金額が倍々に増えていく、想像を絶する課金レースとなる。

 意外にもガチャ自体にはコミュニティ要素が薄い※1。仲間の協力や支援という部分があまりないのである。これは実際、プレイしている身としては他人をアテにするよりも、金の力でとっとと解決してしまう方が楽であり、この辺でコミュニティを持ち込むと関係を悪化させる可能性もある。

 大体のガチャの仕組みは上記のものが多いが、ガチャに誘導する部分こそ、ソーシャルゲームの本懐となっており、いかにガチャで金を払ってもらうか、そしてガチャで得られる価値を高め、かつ、非課金者を辞めさせず、ガチャに導く、高額課金者の優越感を維持する事を両立させねばならない。

○コミュニティ支援ガチャ(誘導)

 挨拶や仲間の救援などで得られるポイントを使い、課金とは違う専用のガチャを回す。ソーシャルゲームは張り付いて遊ぶ仕様はあまりなく、それぞれのユーザーが隙間時間を繰り返し遊ぶ内容が基本である。なので、構造的に誰かが居ないと遊べないという要素は不向きだが、持続を作るには目に見えない人の絆が必要不可欠であり、非同期ながらも他人との交流、協力の要素を盛り込んでいるものが人気が高い。

 挨拶という機能は最初からあったが、何の見返りもないせいか、誰も使わなかった。ここに第三通貨的なものを盛り込み、ガチャに誘導する事で挨拶が積極的になった。

○初回無料ガチャ(誘導)

 これも定番になりつつあるもので、課金ガチャの最初の1回を無料でプレイさせるものである。ガチャは収集要素が高く、半端に手に入ると揃えたいという欲求が生まれる。または課金アイテムの有効性を味あわせる事で通常プレイとの格差を教え、課金へ導く。

 この他もいかに告知を出すかというレベルまで書くと、実に多岐に渡る導線があり、それらも成功しているもの、失敗しているものが存在する。自分の性格上、横に広く試すよりも狭く深くプレイしてしまうので、足りない部分は多いが、随時追加していく。

○初回割引ガチャ(誘導)

 金を払う分、無料よりも効果性が低いのではないか?と思われるかもしれないが、この割引には意味がある。課金とは、1円でも課金するのと課金しないのは大きな差がある。そんな無課金を貫いているユーザーは無料コンテンツだけを遊び、課金はしない。

 この課金をしないというポリシーは金額が高いからなのか、それとも1円でも払わないと決めているからなのかは人によるが、高いから課金しないというユーザーには割引は大きな訴求になる。通常300円だったものが50円になったら、手を伸ばしたくなるだろう。そういう心理を狙っている課金術だ。

 課金は一度払えば制限がつけにくい。ゲーム内では幾ら使ったか見せてくれず、誰も金を使い過ぎていると止めてくれないし、むしろ、ゲームはもっと金を使えと煽る。課金術にはこの制限に働きかけるものがあり、その人が持っている制限の基準を曖昧にしたり、書き換えるテクニックである。

※1
挨拶の変形として仲間の支持のようなものを使うガチャもあるにはあるが、ガチャの目的はいかに課金させるかなので、そんな面倒臭い導線を作るよりは、いかに即座に金を出させるかのポイントを増やした方が良いように見える。

この記事へのコメント

1. Posted by puny   2012年02月02日 12:56
初回無料ガチャに類似しますが、初回割引ガチャも独立して追加してはいかがでしょうか? これには無料と違い課金未経験ユーザーに対して課金に誘導しやすいという特性があります。
2. Posted by 後藤   2012年02月02日 13:40
>punyさん

なるほど、意図する部分が異なりますね。追加してみます。

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