2012年07月24日

これが望んだ未来か?


(source:Game club jpn)


ゲームユーザーがこれからの国内ゲーム業界に対して期待していないと言う結果が
[ガジェット通信]


こちらのアンケートを見てみると、「晴れ時々曇り」、「曇り」、「曇り時々雨」、「雨」、「暴風雨」という悪天候の回答が大半を占めており、71%のゲームユーザーが曇り以上の悪天候回答をしたことになる

 日々話題となる国産ゲームの今後なのだが、この議論になると必ず洋ゲー至上主義との混同が起きる。今回も海外と比較されており、中々に難しい。個人的には海外との比較というよりも国内ゲーム開発がほぼソーシャル寄りにシフトしていった弊害を挙げたい。

 本来のゲームをそのまま作り続け、新たにソーシャルゲームは別の会社、別の人間で作るというのであれば、この点はそれほど気にする必要はなかった。

 当初は既存のゲームとはあまりに違う分析、反映、持続というプロセスに加え、ゲームを作っているのではなく、課金を導く為にゲームがあるという感覚を掴むのに苦労したものの、現在、既存のゲームを作ってきた各社それぞれが上位のランキングを占めるタイトルを持つようになった。そもそも家庭用のゲームメーカーはIP商売が得意である。

 このようにソーシャルゲームの方でも実績が作れるようになった各社が次に行なうのは採算が合わない、または足を引っ張っているプロジェクト、タイトルの整理だ。これは企業なので、いかに売上を伸ばすかが第一目的であり、仮に10年計画として「○○を存続させる」というものがあったとしても、今期の売上達成の方を高い優先度にしてしまうのが普通だろう。かくして、既存のゲーム開発から何割かはソーシャルゲーム開発へと人は動いたと思われる。

 次に経営者判断。内情はともかく、これだけ目に見える数字で売上が取り上げられているソーシャルゲームがありながら、初動5万や10万といったビジネスを続けていく意義はあるのか。辛うじて採算は取れるが、ほぼギリギリであり、かつ殆どのものはブランドという名の焼き直し、続編ものである。

 この続編に縛られたラインナップも利益追求の結果であり、いかにロスがなく、利益を上げるため、既に実績があり、販売本数が見込めるタイトルを作るという判断から生まれたものである。このような判断基準ならば、もっと売れるものがあれば、そちらになびくのも当然だ。

 かくして、ゲームが作れない、または売れない国になろうとしているのだから、ゲームを遊ぼうとしているユーザーがこの国に期待しないのも当然の帰結だ。

 だが、決してソーシャルゲームがあったから没したというわけではない。無くても今までの作り方ならば同じ道だったと思う。むしろ救われている。彼らが居たお陰で自己満足のような開発ではいけないと現実が見えて、作りたいものは何かを自問する機会が得られたのだ。

最後に「海外のゲームソフトと日本クオリティ差」の項目では「日本をわずかに超えている」、「日本をはるかに超えている」と答えた人が会わせて64%もおり、日本のゲームクオリティは海外に負けていると思っているユーザーが大半のようだ

 海外は既に日本が勝負できないような規模での競争が続いており、この辺の競争がユーザーの体感するクオリティの差に響いている。しかし、市場は3桁を超える億での競争ばかりでなく、もっと安価にクオリティが高いものを作れる道も色々と生まれつつある。だが、日本ではそれらを追求しようとしない。

 何故か。それは前述したように市場が変わりつつある影響である。ここで小規模でもクオリティが高く、内容の濃いものを何とか作り上げても、今の市場でそれが売れるのか。仮に売れたとしても赤字にならない程度であり、その隣では何倍、何10倍もの利益でホクホクしている連中がいるのだ。

 経営者から見れば「ゲームを作っている場合じゃない」こんな言葉になるのだろうか。だが、これが間違っているのではないかと思う。到底海外の何百億とかけたタイトルには比較もされず、普通のパッケージにもボリュームは劣るかもしれない。それでも、ゲームを追及し、それが分かって買ってくれるユーザーを持続させていかなかったのが、今の状況を生んでいる。

 今はもっと状況は酷い。今回数字となって挙がってきたものの、では、この国のゲーマーと呼ばれる層の中で新作を出したらお金を払って買ってくれるユーザーはどれ位いるのだろうか。小規模で何とか苦労してゲームらしいものを作ったが、海外と比較して話題にもならずに消えるのではないだろうか。

 最も多くのユーザーが望むものを時代に合わせて作るからこそ、会社を存続させていたと、現在でも残るゲーム会社の経営者は語るだろう。そして消えていったゲーム会社は変化に対応できず、作りたいものを作ったりしてきたから消えたのだと。

 ならば、今の状況は彼らの望んだ到達点なのだろうか。自分は10年前にこんな寂しい未来は想像していなかった。更なる10年後はゲーム屋は廃業、ゲームではあるが、過去、自分が発売日を心待ちにして初日にワクワクしながら買って帰ったものとは違うものを作っているように思える。



この記事へのコメント

1. Posted by MIG-29   2012年07月24日 17:38
むしろこちらも挙げるべきだったかと。

2011年はソーシャルゲーム市場規模がオンラインゲームを逆転。JOGAが2011年のオンラインゲーム市場調査結果を発表
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120723038/

「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2012 発表会」レポート。ブラウザゲームがオンラインゲーム市場に与えた影響とは
http://www.4gamer.net/games/000/G000000/20120723061/

国内市場どころか輸出でさえソーシャル・ブラウザが「主力」になってしまったのは、喜ぶべきか、それとも…?
2. Posted by F   2012年07月24日 18:04
まぁアンケートの母集団自体が
偏っている層なので
この様な結果になるのは想定内でしょう。
これをもって日本国民全体がそう思っているとは
いえないと思います。
もっとも、大多数は「関心ない」でしょうけど。
3. Posted by 後藤   2012年07月24日 18:54
>これをもって日本国民全体がそう思っているとは
いえないと思います。

120%そうでしょう。これはゲーマーかつ、この場に答えた人のみなので。ただ、ゲーマーが現状をどう思っているのかに関しては、ウチの場で聞いているよりは母数はあったかと思っています。

>MIG-29さん

JOGAレポートは良い記事ですね。記事化しましょう。
4. Posted by MIG-29   2012年07月24日 21:37
>ならば、今の状況は彼らの望んだ到達点なのだろうか。

というか、むしろ「選択肢を尽く間違えた」が故の「自業自得・因果応報」の結果こそ「現状」だと思いますが。
5. Posted by M   2012年07月25日 11:21
低リスクで高リターンなソーシャルゲーがあり、大手家庭用ゲームメーカーもソーシャルゲーに手を出しているところが多数の現状で多少の自問自答が出来たところでそれを「救われている」というんでしょうか?

家庭用ゲームが作られる機会そのものが減らされているのは間違いないと思いますが。

クソゲーを作ったら売れないのは当然ですが、バカゲー(≒クソゲー)等、登場するチャンスが失われている現状では「ソーシャルゲーの台頭」が原因による家庭用ゲームの衰退は十分に考えられると思うのですが・・・。
6. Posted by 後藤   2012年07月25日 12:00
>大手家庭用ゲームメーカーもソーシャルゲーに手を出しているところが多数の現状で多少の自問自答が出来たところでそれを「救われている」というんでしょうか?

私も本心は分かりませんが、彼らは別にゲームでないものを売っても売上が上がれば良いのではないかと思っています。

ただ、我々は製造業やサービス業ではないので、資産はコンテンツと開発力にしかなく、儲かるからといってバナナ売りや風俗経営が出来るわけでもなく、既にコンテンツは過去に作ってきたものであり、開発力は外部に委託ばかりで商社としての機能を持つ会社ばかりになりつつあります。
7. Posted by :3   2012年07月26日 22:32
>儲かるからといってバナナ売りや風俗経営が出来るわけでもなく

風俗はさておき、バナナ売りって儲かるんですかね・・^^;;

それはさておき、4gamerに花魁道というソーシャルゲームの記事が出てて、ちょっと面白かったです。
http://www.4gamer.net/games/155/G015501/20120724076/
自分から見ると、記事中のキャラでは坂本龍馬が一番かっこ良く見えるんですが、土方の方が良いですかそうですか(-.-;)

個人的には、Mafia Wars(?)みたいなやつばかりでなくて、もっと違う方向性のが色々出てきて欲しい気がします。そこに、家庭用の技が生きる部分も大きいのでは、とか思ったりです。
8. Posted by 名無しの地球   2012年07月27日 22:04
開発力が「資産」になってるなら上のような悲惨な事態には陥ってなかったと思います…悲しいですが

テクノロジー的な技術力と言う意味でも、ゲームを面白くするための手法、つくりかた、ノウハウと言う意味でも

売り方もそうで、会社の都合ありきで、ユーザーを無視するような売り方ばかりになってきて愛想を尽かしつつあると言うのが本音じゃないでしょうか。

あるハードでしかできない出さないと言ったすぐ後で他のハードで出したり(その発言をした時点でやる予定が無ければ無理だと言うような速さで)

明らかにつまらないのが作ってる時点でわかってるけどパッケージで売れて(小売に出荷して)しまえばお金が入るのだから売っちゃえ!と言うろくでもないことをやってきた

まだ過去のタイトルを延々焼き直して代わり映えしないマンネリ言われてるのはいいほうで、大抵ダメな要素を付け加えたり、良いところを削除したりしてダメな作品になっていった。

そして偉大だった過去の売れ筋タイトルもどんどんブランドも売り上げも落ちていった

>>4
イエス。
結局彼らは最後までユーザーの事なんかこれっぽっちも考えず、焼畑するだけしてやせこけた土地をユーザーのせいにして、もっと儲かる土地があるからもういらないといって去っていくだけだった
9. Posted by MIG-29   2012年08月13日 11:59
任天堂ドラクエ10で課金制 ゲーム業界の止まらぬ“拝金主義”

>しかし、ゲーム業界全体の闇は深い――と、前出のアナリストは手厳しい。

>「コンプガチャが怖いと思っている消費者は、グリーやDeNAだけでなく、携帯ゲームを提供しているコナミやバンダイナムコ、スクウェア・エニックスも含まれるソフトメーカー全般を怖いと思っている。ひいては、そうしたメーカーのゲームを提供している任天堂やソニーのオンラインゲームそのものに警戒感を持っているのです。
>今後、ゲーム業界は課金ビジネスの基準を設けるだけでなく、ゲームの質とそれにともなう“適正価格”をいまいちど見直す必要があるでしょうね」

一応ドラクエネタですが…
モバイルゲームの「負のイメージ」が家庭用機にも波及するという「負の相乗効果」が出来てしまってる様な。
10. Posted by 後藤   2012年08月13日 12:31
>MIG-29さん

普通の人でもそう思うでしょうね。もう金払ってゲームを買って遊ぶ事から、良く分からないものに一緒になって遊んで、続けるのに金を払い続けるのが普通になる、、、というか。

何の為にゲームをするかも変質していきます。多くの一般人が感じているように暇潰し、良く分からないが誰かとつながっている、社会のどこかにはまっている安住感、連帯感みたいなものを求め、その中でセコい見栄の張り合いをするだけです。
11. Posted by :3   2012年08月13日 13:18
任天堂ドラクエ10で課金制 ゲーム業界の止まらぬ“拝金主義”
http://www.news-postseven.com/archives/20120802_134866.html

この記事かと思いますが、ちょっといい加減な記述が多い気が・・(発売前の記事+ポストセブンということもあるかもですが)。

>ドラクエとともにRPGの盛隆を極めた『FF(ファイナルファンタジー)』シリーズの一部の作品も、既に定額課金のオンラインゲームとして認知されてはいるが、「オンライン会員数はピークの50万人から、いまは30万人程度に落ち込んでいる」(前出のアナリスト)と、決して成功しているとはいえない状況だ。

の部分とか・・。FF11ってトータルの売上では相当収益に貢献してるのでは。(「オンライン廃人」を社会問題としてクローズアップさせた、という意味で「成功しなかった」、というならまだ意味も分かりますが。)

また、月額オンラインMMOとして、月1000円の課金が「拝金主義」とはとても思えないのですけどねえ。。

オンライン全般については、ガチャみたいなものを通じて沢山お金を払ってしまうかも、という漠然とした警戒心がユーザー側にある(内容を詳しく知らない人もニュースなどを通じて警戒心を持つ)、というのは、その通りではと想像します(統計とかないので想像ですが・・)。
12. Posted by MIG-29   2012年08月13日 13:36
>11
すみません、URL付け忘れてました…
まさにその記事です…

ゲーム関係者とそれ以外との乖離も垣間見られたと思いますが。
13. Posted by F   2012年08月13日 16:24
>いまは30万人程度に落ち込んでいる

30万もいれば、十分成功と言えるとおもいますがねぇ。
DQXは初週44万本の売り上げだそうで
これもDQ9に比べて大幅ダウンだとする向きも
ありますが
オンラインゲームパッケージとしては
相当売れたとも思えます。
FF11が初週16万でしたからね
それにWiiをオンライン接続させようとしていた
任天堂にとっても、結構貢献したんじゃないですかね。

>拝金主義
どうもこの言葉、好きにはなれないのです
中国文化革命時に資本家を攻撃して
金を没収して、私腹を肥やしていた
時の権力者が使っていた言い訳なので

また、ユーザー側にもこういった意識が
あるんじゃないですかね
「金多く払ってるんだから、自分は良い客なのだ」
などとのたまう人もまたそういう事なんじゃと
14. Posted by MIG-29   2012年08月13日 22:57
「ゲームが有料なんて詐欺です!」ソーシャルゲームの出現によって現れた新しい価値観
http://www.gamecast-blog.com/archives/65700977.html

もはや「ゲームに金を出す」事自体異端化してしまいそうな。

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