2014年01月02日

2013年総括

 昨年は後半に複数の案件が回ってきたせいで、あまりこちらの作業に取り掛かれなくなっていた。というよりは今までは調査から分析、そこから予想までそれなりに出来たのだが、昨年はその予測がことごとく外れた気がする。

・ドラクエ10


(source:togetter Title:DQX)

 過去シリーズの300万、400万本という売上から考えると100万にも届かない本数でとても日本を代表とする2大RPGとは思えない数字、そして、ハードもオンライン接続者が購入者の約4割という数字からしても成功するとは思っていなかった。PCのMMORPGからすれば出来損ないみたいな画面もネット的には評判が悪いものでプラスな予想が殆ど無かった。

 しかし、今思えばパッケージと比較しての話であり、MMORPGの同時接続者数という単位で見れば確実に10万越えからスタートするわけでその見方ならば成功か、失敗かと言えば大成功なのではないかと思う。同社の看板である「FFXIV」含め、異常なまでに先行投資するので初年度では猛烈な赤字になっても、5年10年という運営を見越してのビジネスなので、初動の数字だけで判断する方がおかしいのである。

 だが、5年近くPC市場を追ってきた身としては運営型のビジネスであっても、初動でコケた場合、復活する例は限りなく低かった。それは殆どの場合、そこに辿り着くまでで大半のコストをかけており、売り出してからは運営しながら中身を作るという、本来であれば2倍みたいなコストをかけて回さねば挽回は出来ない状況である。

 事実、「FFXIV」は一旦サービスを止めて、なおかつあれだけのコストを投じて逆転できた。あれがもし、サービスも止めず、普通のMMORPGのようなアップデートを続けていたら今日の成功はなかったと思う。

 経営的にそのタイトルにそこまでの投資をすべきかどうかは会社で異なるが、同社にとって、ドラクエとFFは会社そのものなので採算度外視で進んだ結果なのだろう。同じ戦略が取れる会社が少ないのは今も初動でコケて消えていくタイトルが大半という事が物語っている。

・FFXIV


(source:official site Title:FFXIV)

 このタイトルに関しては書く度に狂信者との謎の会話になり、それを含めての市場観察と思っていたが、自分の器量が小さく、着いていく事が出来なかった。

 本音を言えば、どんなに金をかけてテコ入れしようとも一度失敗、その時点で先入観がついた場合、PCゲーマーとは保守的であり、受け入れる事はないと思っていた。だが、今思えばこれがそもそもの間違いだった。双方の意見を取り入れる、中立的な姿勢でいるつもりだったが、自分は過去のジンクスから失敗する側で見続けていたのである。

 そのため、自分は同作品が新生エオルゼアと打ち出す辺りまで、緻密に着実と作り上げてきた信頼関係作りのプロセスに気がつかなかった。図式は非常に簡単であり、今までの成功パターンと同じく、ある一定層を確実な信者に置き換え、外部に発信、啓蒙させて場を形成するという、広告屋の基礎、イノベーター理論の変形に過ぎない。

 しかし、FFのブランドがあってもマイナスの要素は根強く、その払拭と信頼関係の構築はこの2年を頭から振り返るだけで膨大な資料になるのではないかと思われる。開発にそれだけのコスト、広報戦略にそれだけのコストを支払ってきたのである。

 この上記2タイトルに関してはスクウェア・エニックスというお化け会社が形振り構わず全力を投じたという事で普通の流れでは失敗で終わるところが捻じ曲げられたと言い訳も出来るかもしれない。

 だが、そこまでを見て考える事が出来なかったのは事実であり、まだまだ視野が狭く、極論に向かいやすいと反省すべき内容だった。

・パズドラZ


(source:official site Title:パズドラZ)

 上記2つは多少の言い訳も出来るが、これはもはや予想する資格などないと叩きのめされた気がする。

 「パズル&ドラゴンズ」に関してはもう説明が不要なほど、ソーシャルゲームでは追随するタイトルがないほどに大成功したタイトルである。自分も遊びやすさや課金をさほど強いらない内容から1年近くプレイしていたが、2年前に育成の壁にぶち当たり辞めていた。

 DL数からすれば、おおよそ遊んでいない人は居ないほどの数であり、また家庭用では常にソーシャルゲームを遊ぶ価値がないという意見が主流だったので、あれをどうグラフィックを変えたり、ポケモンみたいな味付けをしようとそれほど数字は伸びないのではないか…などと思っていた。

 しかし、結果は100万本を超える大成功となった。いかに自分が世間とずれているのか、それは家庭用などで遊ばず、かつテレビも見ない生活を何年もしてきたのがこのズレを生んでいるのだと思い知らされた。

 「キャンディクラッシュサーガ」も出来は良いが、あそこまでの数字になるのはCMの功績なのだろう。民放は死んだと言われているが、未だに普通の人は毎日テレビを見て、情報源にしているのである。だから未だにCM数の多いアプリやタイトルが売れるのだ。

 目利きを元に戻すには単に情報ばかりでなく、自分の生活を近づけなくてはならない。実体験でなければ本当の事は分からないと行動していた自分をいつの間にか忘れて、触りだけの情報で何でも分かった気になっていたのを思い知らされた1年だった。

(c)2012 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.
(C)2010-2013 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
(C)GungHo Online Entertainment,Inc. All Rights Reserved.

この記事へのコメント

1. Posted by D   2014年01月02日 16:22
キャンディークラッシュサーガはCMうつ前からすさまじい数字を出していましたけどね。
あの成功は、他のゲームよりFacebookとの連携をうまく使って、本当の意味でのソーシャルゲームだったからではないかと予想しております。
2. Posted by 後藤   2014年01月02日 18:37
>Dさん

それは海外の話ではないかと思います。半年以上遅れて日本で火がついたかと(確か記憶が正しければ2012年の10月あたりからやたら名前が出ていた気がしました。自分はパズル、落ち物が嫌いなので試しませんでした。パズルもので続いたのはパズドラとパズルだまとパズルクエストでいずれもパズルが面白いから続けたわけではないので、自分にはパズルを楽しむセンスが欠落しているのでしょう)
3. Posted by D   2014年01月02日 23:01
>>2
なるほど
私の周りでは半年以上前から海外での噂から派生して流行っていたのでそう思っただけかも
私も人に面白いゲームと聞かれたら勧めていたのですが、自分ではパズル系は楽しめないのですよ・・・
4. Posted by 後藤   2014年01月02日 23:21
>Dさん

TVCMの力が大きいとは言ったものの、黎明期、ソーシャルゲーム業界は腐るほどCMを打ちましたが、売れないものもそれなりにあり、自分はそこから金を積めば売れるわけではない、という結論を出したわけですが、正確には売れるポテンシャルを持っているものがCMを通じて爆発的な成果を発揮するというべきでしょうか。
5. Posted by MMO放浪者   2014年01月04日 22:53
昨今のゲーム業界は何がヒットするか解らないというのが正直な所ではないでしょうか?

成功事例を分析しても、移り変わりの激しい状況ではすぐに古くなってしまう。
ユーザーが望むモノを作れば売れるかといえば、賞賛はあっても売れないし・・・。
解らないで済ませてしまっては思考停止なんですがね・・・。

今年は一体どんなコンテンツが名乗りを上げるのか、とても楽しみしています。

これからも後藤さんの記事を楽しみにさせて頂きます。
6. Posted by 後藤   2014年01月05日 01:21
>MMO放浪者さん

ありがとうございます。来年で始めてから10年になります。当時は廃人で毎日10時間以上プレイしていた頃から、複数のオンラインものを仕切るようになった今、まったく見方や考え方、使う時間も異なっており、初心を忘れぬように…と思っていても、もはや別人ではないかと自分で思うほどです。

その溝がこの結果だと思っています。そして、昔のように廃人に戻ったとしても、あの頃の自分には戻れないでしょう。今の自分で思う事を書いていくしかできないと思っています。
7. Posted by 半可通   2014年02月02日 06:13
【激怒】ドラクエ課金にブチギレして鳥山明に手紙「女子高生に覚醒剤を売る手法と同じ」「バカの射幸心をあおってる」
http://rocketnews24.com/2014/02/02/409797/
漫画家というより「お騒がせ文化人」な人です。
【今更】感がありますが、こういう主張でも
話題として、広く取り上げられるわけで……

「売り方」「金のとり方」が下手というのは同意します。
8. Posted by :3   2014年02月03日 20:55
ドラクエ新作のガチャの確率がヤバ過ぎるとネットで大炎上
http://www.yukawanet.com/archives/4617884.html

この前リリースされたドラクエでガチャが1回500円(?)とか見かけてまさかと思ってたんですが、例によって黒い課金ビジネスやってるという事なんですかねえ・・。まさかドラクエでやるとは、という感じなんですが。

この記事にコメントする

名前:
 
 
Recent Comments
Monthly Log
Web Ring
 
 
 
 
Links
 
 
 
 
TalesWeaver
 
 
 
 
 テイルズウィーバー韓国公式
Service end
 
 
 
 
 
 
Board
 
 
Translation
Privacy Policy
当ブログに記載されている会社名・製品名・システム名などは各社の 登録商標もしくは商標です。利用している画像及び、データに 関する知的財産権は、各社、各情報サイトに帰属します。
当ブログはリンクフリーです。当ブログからの引用、転載は 自由ですが、各社及び各情報サイトの許諾が必要な場合が あります。
研究、考察に無関係、または思慮に欠けるコメントは一方的 に削除する事があります。
QR Code
QRコード