"敗者のゲーム"
チャールズ・エリスの著書であり、『ウォール街のランダムウォーカー;バートンマルキール著』と並び、(株式)投資のバイブルとされています。その根底に流れている理念は、"「プロは得点を勝ち取るのに対し、アマはミスによって得点を失う」…私たちはミラクル・ショットを決めようとするのではなく、とにかくミスの少ない、確実なテニスを目指すべきである。"そのために、徹底的にコストを削減し、個別の株式ではなく市場全体へ投資(=インデックス投資)を行う事を強く推奨しております。
インデックス投資を行ううえで認識するべき"ゼロサムゲーム"と"プラスサムゲーム"という概念があります。その要諦は、一人が勝てば一人が負ける。勝つ人がいる分、負ける人がいるゼロサムゲームと、ゼロサムではなく、利害関係の調整により、全ての人が競合しつつも勝つことが出来るプラスサムゲームというものです。
なぜ、釣りに全く関係ない上記内容を書いているのかというと。
勿論、投資をおすすめしているわけではありません。
(これはこれで面白いので興味がある人はこそっと聞いてください。)
それは。
エギングを始めた当初、こと僕がやっている釣りは、周囲にいらっしゃる上手な釣り人に釣れて、僕にはつれないという、まさに"ゼロサムゲーム=敗者のゲーム"であると感じていました。こういった釣りは、『素人でも一発で釣れる条件を探る』という僕の基本的なスタンスから遠いところにあり、"僕にとってエギングは少し違う"などと考えていた時期もあります。
第3回釣行記録
日付 2017.09.05
時刻 00:30~5:30
天候 曇り/晴れ
潮回 大潮
干満 上げ-満潮
潮位 47
水温 26℃
風向 南東1m
波高 50㎝
月齢 14.4
前5日間合計累積日照時間
38.2hr
前10日間合計降水量
41.0mm
前5日間平均気温
22.4℃
アオリイカ 35杯(7杯/hr)
タコ 1匹
この日も朝マズメ短時間勝負の予定であった。
19時に仕事を終え、1時間で夕食・入浴後、20時に就寝。
・・・
うずうずして眠れない(笑)。
0時起床後出発予定であったが、結局22時に家を出る。
途中30分ほど車内で仮眠をとろと試みたが、やはり全く眠れない。
『眠ないと明日が苦しいのだが・・・ええぃ、何とかなるさ!』
僕は基本的には"石橋を叩いても渡らない"ような慎重な性格をしている。しかし、こと釣りになると、自分を制することが出来ない。仕事は集中できるので眠いことによる影響はないが、家事や育児に大きなダメージを追う事になる。結果として、美しい奥様や子供たちに『釣り行っちゃだめ!』と怒られ、家族の中での父親の威厳が大きく低下することになる。でも行きたくなるほど、釣りには奥深さがある。
第2回釣行で最大胴長13㎝を獲ったとき、ぺスぺでは抜き上げが厳しかったため、今回はCA-86Lを選択。
車内で急いで身支度&セッティングを行い、足早に移動。
まずは、実績ポイントと言われる場所へ入る。
この時先行者はいらっしゃらず、この場所を独り占め。
雰囲気はとてもいい。
2.5号の餌木をキャストすると一投目から反応がある。
とても小さな個体だが、テンポよく5匹程度釣った後沈黙。
条件からするとより大型が出てもよいのだが・・・と思い移動。
いくつかの立ち位置でアオリイカを積み重ねた後の移動先で。
風は右斜め後方から優しい。
煌々と輝く月明かりが時折雲間に隠れながらも海面に光を落としている。
海面は比較的騒がしく、周期的に大きなうねりを伴って僕に波しぶきを浴びせる。
干潮からの上げにあたる時間帯であったためか、潮が良い具合に動いている。この立ち位置に特有なのだが、大きく払い出すであろう流れと主に左方向から楔上に入ってくる潮流。さらに、それら二つの流れにストラクチャーが絡み、複雑な反転流や潮のヨレが形成されている。
久々のナイトシチュエーション。
潮の流れ具合を確認するため、2.5号Normal餌木をキャスト。
カウント15で着底し、1回ジャーク後餌木を流している最中に。
グッ・・と竿先に重さが加わる。
なるほど。
意識すべきは、ベイトとアオリイカの存在及びアオリイカが捕食態勢をとる場所へのアプローチ。さらに、アオリイカが捕食したくなるような餌木姿勢と適切なサイズ/カラーのローテーション。うねりが入るときは、餌木を落とし込みボトムのアオリイカにアプローチ。
光量と濁りのあるナイトシチュエーションでは、使用する餌木は決まってくる?
いやいや、上記表はあくまで参考程度。
餌木本体、サイズ、カラーは絶対的指標ではない。
アオリイカの都合を考えれば、より重要な事がある。
それは・・・。
3時30分に月の入り時刻を迎え、アオリイカからの反応がガクッと減る。
それでも、あの手この手で数杯アオリイカを釣り上げる最中。
"ふと横を見ると、この場所でもオレンジ色の目をした小魚が群れていた。"
そこからは良いペースで。
結果的に、合計35杯のアオリイカとタコを一匹。
帰り際。
最初に入った実績(があると言われている)ポイントへ立ち寄り、先行者に挨拶をして釣果を教えていただくと、「昨日は40杯釣れたんだけど、今日はダメだね。」というご意見を伺った。
そのポイントは実績ポイントだけあって、
足場はとてもいい。
足元には多数の墨跡。
沖へと払い出すカレント。
ストラクチャーと周囲のウィード。
アオリイカを釣るには絶好の立ち位置。
昨日40杯のアオリイカが釣れたという実績。
実績を知ってか知らずか、ここだけ釣り人が多い。
アオリイカが釣れる条件に満ちていたにもかかわらず、この日はそれほどの釣果は無く、その場にいらっしゃったAnglerは、釣れていたとしてもアオリイカ3杯だったそうだ。
僕は数投でその場を後にした。
先行者と話をしていく過程で、自分自身も過去の実績ポイントにこだわった結果、結局は大した釣果が得られなかったことが多くあったことを思い出した。一晩寝ずにシャクリ倒したのに、釣れたアオリイカは小さい個体が数匹。一方で、ペティグリーチャム師匠は、数も型も出していらっしゃった。自分に何が足りなかったのかを自答した日々だった。
今年はたまたま調子が良くて僕にもアオリイカが比較的多く釣れてくれるが、厳しい年もあるだろう。
毎年常に、そして厳しい条件下ではより強く、僕が念頭に置いている言葉がある。
・"人がアオリイカの回遊をまつ場所ではなく、アオリイカがベイトの回遊を待つ場所で打て。"
毎年書いていることですが、改めて、ペティグリーチャム師匠が僕へ投げかけてくださった言葉の意味がより強く僕の頭に入ってくる。とても重要な意味を持つ言葉だが、細かく書くと色々バレるので、以下にSchemeを示す。
そして、ペテ師匠が僕に投げかけて下さったもう一つの言葉。
・"少ないパイを釣り人が奪いあうような釣りは、激渋さんはやってはいけない。"
この言葉こそが今回の主題である、敗者のゲームの意味を端的に示している。
アオリイカの絶対数が少ない場合、少ない個体を巡って多くの釣り人が競合してしまう。Schemeに示したように、一匹のアオリイカを釣ることが出来たAnglerと対象的に一匹も釣ることが出来ないAngler(=僕)が存在する。つまり、ゼロサムゲームとなっている。
残念ながら、敗者のゲームのプレーヤーは僕だ。
僕は今も技術・知識にすぐれない釣り人であり、悔しい思いをよくしてきた。その時僕が釣れないのは十分な理由があったように思う。適切な餌木の選択、レンジの選択、アクションの選択、キャストするポイントの選択etcが出来ない僕に、一匹のアオリイカを捉える事は出来ない。
では、どうすればいいのか。
活性の高いアオリイカを釣りればよい。
では、活性の高いアオリイカをどうやって釣るのか。
これこそが、僕が追い求めていくアオリイカなのだと強く感じる。
活性の高いアオリイカがいる場所を捉えるためのアプローチというのが、アオリイカを釣るうえで本当に正しいのかどうかは、経験も技術も劣っている今の僕には分からない。おそらく正解は無いのだろうけど、正解を求めていく過程こそが、僕が求める釣りの"趣深さ"を支える基礎であるような気がしてならない。
でもまあ。
とりあえず35杯。
僕的には大満足なんだけど。
ペテ師匠には、"まだまだ釣れ"って言われんだろうね(笑)。
コメント
コメント一覧 (2)
9/5 0:30自分も姫川のメジャースポットにいました。
ただ左の奥に入ってしまったので、、、(汗)。
お会いしたかったです!。
自分はその後
先端に移動して二杯→沈黙→次のメジャースポット
(初の単独釣行の為 心細くてメジャースポット回り)
三杯追加→明るくなってサーフに→26時間営業の為
集中力が切れて終了、、、(涙)。
師匠(勝手に思っている)にはコスパ最悪!。
と罵られますが、良いのです。
「パパの釣ってきたイカ美味しいね」と言って
くれる家族の笑顔を見ることが出来て父は
また群馬~新潟釣行を計画中🎵。
毎回文章がまとまらず済みません。m(__)m
コメントをいただき、大変ありがとうございます。
9/5に行かれましたか。
姫川。とても良いポイントですね。僕も2年くらい前までは足しげく行ってました。アプローチが簡単で足場もいい。でも、ここで釣れる事って、多いですか?
良い潮にあたって、良い立ち位置を得れた時だけ、良い思いをすることが出来るのではないでしょうか。逆に言えば、良い立ち位置を得られなかった時やタイミングを外した時は、釣果は落ちてしまいます。烏賊が入ってくるタイミング、場所、海況など、勉強するためにはとても役に立った場所ですが、たまにチェックをするだけで、既に僕のポイントではありません。
良い位置をとれた釣り人にだけ釣れる=敗者のゲームのような気がします。
たぶん僕やピーチさんは今後も釣りをすると思います。今シーズン、特に10月満月は既知のメジャースポットを捨ててみませんか。エリアは無限大です。たぶん、探せばピーチさんだけの1級ポイントを得られると思いますよ。
新月が終われば再度光量が出てきます。さあ、本番ですね(笑)。