第2回釣行記録
日付 2017.08.29
時刻 03:30~6:30
天候 曇り/晴れ
潮回 大潮
干満 上げ-満潮
潮位 30
水温 27℃
風向 南東1m
波高 0-50㎝
月齢 7.4
前5日間合計累積日照時間
28.8hr
前10日間合計降水量
122.0mm
前5日間平均気温
23.6℃
アオリイカ 25杯(8杯/hr)
キジハタ 1匹(35㎝)
朝4時30分に開始できるように3時に目覚ましをセットし、子供たちと20時に就寝。
気持ちが高ぶってしまい、なかなか眠れない。
それでも何とか眠る努力をして・・・ふと目が覚めるとまだ22時。
まだまだ寝なければ・・・今度は妻が動く物音で目が覚め、23時30分。
イライラしながら眠ったのか眠らなかったのか分からないが時間は0時30分。
そこから1時間眠れない。
しょうがないから、ごそごそと起きだして海へ。
途中ガソリンを入れつつ、なんだかんだで3時に海に到着。
いつもの場所へと思ったが、少し車を走らせて、いわゆる"鉄板"ポイントへ。
立ち位置を探りつつ周囲を見ると、あたり一面墨跡だらけ。
期待値は大だったが、まだ周囲は暗い。
一投目。
赤テープの餌木を選択し、カウント10からの柔らかいダートに。
グッ。
竿先が重くなり、上がってきたのは小さなアオリイカ。
幸先がいいなと思いながら、そのあと2投続けて新仔を釣る。
その後、潮が動かなくなるのに伴って、全く反応がなくなってしまう。
移動。
いつかメバルで打ちたいと思っていたポイントに入る。
まだ暗い時間にもかかわらず、コンスタントにアオリイカからの反応がある。
徐々に周囲が明るくなってくる。
入ってくる潮流が凝集する場所に出来る潮のヨレに向かって、餌木をフルキャスト。
テンションを掛けながら、ボトムへと餌木を落とし込んでいく。
カウント20を超えたところで、餌木が潮流を受けて重くなる。
小さいジャークを加えた後の違和感に竿を立てる。
ググッ。
今シーズン一番の重量を感じながらアオリイカを寄せる。
水面まで50㎝ほどだが、アオリイカを持ち上げるのにPEspecialだとつらい。
先週は釣れなかった、比較的良型の個体。
潮の中、ボトム付近に定位した、活性の高い個体群。
このアプローチで5匹程同程度のサイズの個体を追加し、沈黙。
餌木をエメラルダスダートⅡに交換。
昨シーズン購入した、僕の中での鉄板餌木の一つ。
任意の動作に対して美しくダートする性能に優れていると感じる。
この餌木を選択するときは、サウンドジャーク等の強いアクションは不要。
三回ゆっくりとダートさせ、フリーフォールカウント10。
その後ゆっくりとあたりを聞きに行くと、アオリイカが乗っている。
反応が無くなれば、カラーをローテート。
そんなこんなで一杯ずつアオリイカを釣り上げていく。
そんななか。
よりタイトにストラクチャー周囲を攻めていると。
トン。
『恐らくこのあたりの出方はRock fish、エギング最中に釣れるのはキジハタだ』そう考えながら反射的に竿を立てるが、勢いよくドラグがうねる。とっさにスプールに手を添えて、ドラグを締め、テンションを緩めないように竿をスウィープ。竿でキジハタの向きを何とかコントロールしながら、ふと顔を横向けると、周囲には目がオレンジに光るベイトフィッシュで満ちている。
そうか、アオリイカも、キジハタも。
重要なことはメバルと同じなのかもしれない。
そう思いながらも、断続的なキジハタの突っ込みに耐えつつ最後はハンドランディング。
僕にとってキーパーサイズのキジハタ。
とても嬉しいと同時に、40㎝、そして50㎝のキジハタってどんだけ大きいのだろうと思う。
その後もあの手この手でアオリイカを積み上げ、6時半に竿を納める。
一つ気になることがある。
暗闇に光るオレンジの目。
あのベイトフィッシュは一体何だったのか。
話はかわって。
『激渋さん、新仔いじめじゃないですか?』
釣友のごっちゃんにご指摘を受けました。
激渋家の家族は、柔らかく・食べやすく・美味しいアオリイカを食べることを楽しみにしています。でも、アオリイカは胴長15㎝を超えると甘味は増しますが、食べづらくなります。魚の居場所を追い求めそして釣る事だけではなく、釣った魚を美味しく食べる事も趣味にしている僕にとっては、新仔を釣ることをいじめと捉えられると何とも悲しい気持ちになります。
柔らかく、食べやすく、美味しいのだけれど・・・
やはり、情操的に新仔を釣る事には後ろめたさを覚えます。
でも、そういった感情的な点からではなく、新仔アオリイカを釣っても良い/悪い理由を可能な限り論理的に考えてみたいと思いました。そのために、『新仔アオリイカを釣ってはいけない理由』にたいして、肯定的意見、否定的意見を僕なりに考えて評価したいと思います。
★新仔アオリイカを釣る/釣らない/キープする/キープしないには、釣り人それぞれ多用な意見があります。以下は、あくまで僕の意見であり、新仔を釣らない、釣ってもリリースするという考えを持っている人のポリシーを否定するつもりは全くありません。
何故、新仔アオリイカを釣ってはいけないのでしょうか。
少し調べていると、おおむね以下の3点が理由として挙げられています。
①水産資源としてのアオリイカが減少してしまう。
②小さいうちに釣ると、アオリイカがいなくなる。
③小さいアオリイカはリリースしてください。
では、上記①~③に対して、Pro(肯定的)&Con(否定的)な見解をそれぞれ考えてみました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①水産資源としてのアオリイカが減少してしまう。
Pro(肯定的意見)
淡路島では、アオリイカを増やすために漁業者が産卵床を設置するなど、アオリイカ資源増大に取り組んでおり、淡路島内沿岸でアオリイカ釣りをする人に次に該当する場合はアオリイカをリリ-スするようにお願いしている。(1)7月1日~9月30日の期間(淡路市・洲本市管内は7月1日~9月30日の期間。南あわじ市管内は7月1日~9月20日の期間)
(2)胴長15センチ未満のアオリイカ
淡路島では、漁協が水産資源としてのアオリイカを増やす努力をしております。こういった努力を行う背景には、
・アオリイカを増やそう
・豊かな漁場を育てはぐくみたい
・こういった努力を無駄にしないために釣り人の協力を仰ぎたい
という思いがある事がその背景として考えられます。
漁業関係者は、アオリイカの減少を肌で感じているのかもしれません。新仔アオリイカは釣らない、もしくはリリースすることで、アオリイカの減少を防ぐことが出来、将来に向けて豊かな漁場を形成することこそ、今後も長くアオリイカ釣りを楽しめる事になるかもしれません。
Con(否定的)
以下に、アオリイカの漁獲量と米収穫量のグラフを示します。
少しデータが古いのですが、アオリイカの漁獲量と米の収穫量に相関関係があります。元論文によれば、アオリイカの漁獲量と米の収穫量に相関がある事は、夏、特にアオリイカの産卵後孵化する6-7月の気温/水温と密接な関係があると考察されていました。
つまり、水産資源としてのアオリイカの減少があるとすれば、それは釣り人が新仔アオリイカを獲る/獲らないなどの些末な問題ではなく、気象等の自然現象だとするほうが理に適っていると考えられます。
上記より。
水産資源としてのアオリイカの増減は、気温水温等の自然現象に相関します。また、新仔アオリイカを獲る事による水産資源量としてのアオリイカの減少は因果関係が証明されていません。以上の根拠から、新仔アオリイカを獲る事は、水産資源としてのアオリイカの増減に関係はありません。
②小さいうちに釣ると、アオリイカがいなくなる。
(=釣りたい時に釣れるアオリイカがいなくなる。)
『新仔を沢山釣られると、大型化した釣れる個体がいなくなる』
重要な問題提起だと考えています。
メディア、雑誌、SNS、ブログなど同じような意見を多数拝見します。
まあ本心を言えば、僕は小物釣り師です。
新仔を釣りたいから釣って何が悪いのでしょうか(笑)。
まあ、そんな風に言っては元も子もありませんね。
では、小さいうちに釣るとアオリイカは本当にいなくなるのでしょうか。
まず、僕が釣っているアオリイカはどこから来るのかという事を考えました。
1.上越糸魚川で産卵後成長した個体群
上越糸魚川での親アオリが釣れる事はないわけではないが、特殊な状況なためまとまった産卵は無いと予測される。つまり、上越糸魚川で産卵後成長した個体群は多くない。釣り人に釣られて、あっという間に少なくなるか、上位捕食者に捕食される。
2.富山以西の日本海沿岸で孵化成長した個体群が沿岸部を北上
富山で産卵後成長した個体群の一部が北上し、上越糸魚川へ。
同様に、上越糸魚川で産卵後成長し、生残した個体群の一部は北上。
同じことが日本海沿岸で西から順に生じながら、各沿岸で釣られたり、リリースされたり、捕食されたり、留まったり北上したりしながら回遊行動を持続。結果的に、上位捕食者や餌木、釣り人の危険性を学習し、釣れにくくなっている個体(=スレた個体≒釣れない個体)が生残。
3.対馬列島以南の通年分布水域で孵化成育した個体群が北上
上記1.2とは全く異なるのが対馬列島近辺以南の通年分布水域で孵化成育した個体群。アオリイカの最大の産卵孵化場である対馬列島近辺以南で孵化産卵した個体群が、沿岸に近寄ることなく対馬海流に乗って北上後、水温15℃を境に南下(避寒回遊/死滅回遊)。
回遊時に、月齢に従いShallowへ捕食のために断続的に流入。これら個体群は沿岸部で人のプレッシャーに晒されていないので、比較的容易に釣る事が出来る。
4.実際には、上記1.~3.が傾斜配分を持ちながらも同時に生じている。
1-4を踏まえて。
Aアオリイカ群:
僕が今釣っている新仔は、おそらく日本海沿岸で産卵孵化成育した個体群。今後、Shallowで釣られたり、上位捕食者(カマスやイナダなど)に捕食されたりしながら成長し、生残していった個体は警戒心が異常に高く釣れない。結果的に、釣れにくい限られたアオリイカを多くの釣り人が狙うという状況が生じる(=敗者のゲーム/ゼロサムゲーム;次回記事に記載予定)
Bアオリイカ群:
一方、対馬列島近辺の最大産卵孵化個体が、成長しながら北上しつつ月齢と潮に合わせ捕食のために断続的に日本海沿岸域のShallowに入ってくる。これら個体群は捕食するためにShallowへ入ってきており、かつプレッシャーに晒されていないので釣りやすい。
★A群/B群どちらのアオリイカが優れているとか、どちらの釣りが優れているなどという気は全くありません。活性の高い個体群を捉える釣りも、警戒心の高い一杯を、あの手この手で絞り出すのも、いずれも価値の高い釣りだと思います。ただ、技術と経験のない僕にとってはB群アオリイカを釣るほうが効率的かなと考えております。
以上より。
『新仔を沢山釣られると、大型化した成長した個体がいなくなる』
Pro(肯定的意見)
アオリイカを新仔のうちから釣ると、エリアにプールされるアオリイカの絶対数が減る。更に、リリースや釣りをする事自体がアオリイカの警戒心を増大させ、アオリイカの成長を阻害する事となる。このような理由から、今は釣りたい気持ちをグッと抑え、アオリイカがある程度大きくなってから釣るほうが理にかなっている。
Con(否定的意見)
アオリイカは、数を減らしつつも成長すれば最上位の捕食者となりますが、新仔のうちはフィッシュイーターのベイトです。例え釣り人が釣らなくても、カマスやイナダなどによってどんどん数は減るだろうし、警戒心も増すと考えられます。今いる新仔を釣らない事と、成長したアオリイカが増える事とは因果関係は薄いと予想します。
③小さいアオリイカはリリースしてください。
Pro(肯定的意見)
養殖魚においては、リリース後の生残性に関しての研究がなされています。
以下に一つのデータを提示します。
この表一つで様々な事が考察できますが、対象群と比較しいずれの群も5-55%程度の生残性が確認できます。特に「餌釣り」-「食道に針」-「針を残す」-「濡れた手」で対応した個体群と、「フライ」-「口に針」-「針を除去」-「濡れた手」で対応した群は21日生存率が5%と優れていました。つまり、適切なC&Rを行えばリリース後も魚は生残する可能性が高まります。更に、リリース後の死亡率はレイクトラウトは0-29%、大西洋サケは9.5%、ニジマスは0-1.9%と検証されております。
アオリイカの新仔はリリースして死んでしまうと考えるのではなく、適切にリリースすれば生存率を上昇出来ると考えませんか。そのために我々が行うべきは、適切にリリースする方法を知ることだと思います。更に、生残出来なかったとしても、食物連鎖下位の生物を育む重要な食料資源となります。つまり、十分意味のある行為だと思われます。
Con(否定的)
アオリイカの生残率を検討した報告はありません。
よって、新仔アオリイカがリリース後生残する/しないに科学的根拠がありません。
二つのデータを示します。
長さ15㎝以上/未満でのリリース後の生残率を示しています。
15㎝以上の個体群では5-55%の死亡率となっており、15㎝未満は、0-66.7%の死亡率です。特に、15㎝未満の群では針やフライが食道に掛からなければ21日死亡率はすべて0%となっていますが、食道に掛かった針を除去した場合、リリースした個体の1/3しか生存できません。つまり、小型個体を生残させるためには、やってはいけない事があるのだと考えられます。
では、新仔アオリイカを適切にリリースする方法はあるのでしょうか。
・素手で触ったり陸地に置いたりすることは✖
・カンナが目に刺さった場合✖
・食腕が伸びても✖
・衝撃を与えても✖
・体内の水分が喪失しても✖
・スミを吐かせることすらダメージが多くて✖
推測ではありますが、上記✖すべてがアオリイカの生残性を大きく損なうと考えられます。
新仔アオリイカは沢山います。その多くが食物連鎖の中で上位捕食者に捕食されるでしょう。であれば、食べやすくかつ美味しい新仔アオリイカを釣った分はキャッチして、感謝して家族で食べることを推奨します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
新仔を獲る事に関する上記Pro&Conから、自分がどうあるべきかの筋道が見えてきました。
新仔イカを釣る事と絶対数が減ることに関しては因果関係が薄いだろうし、新仔を釣る事が成長個体が釣れなくなる事とはおそらく因果関係がないと思います。ただし、因果関係が"今は"証明されていないだけかもしれません。リリースに関しては、その人のポリシーなので、何人も批判すべきではなく尊重するべきだと思います。
釣り人が持つポリシーや考え方は、釣り人の数だけバリエーションがあると思います。考えていく中で、変化していく場合もあるかもしれません(僕の場合よくあります)。僕は親アオリイカは獲るべきではないと考えている一方で、いつかは釣ってみたいとも思っています。また、産卵を控えたメバルやシーバス鰰パターン、乗っ込み真鯛なども釣ります。
結局、釣り人はそれぞれが釣りたい魚を釣るのだろうし、それが許されるのが釣りという趣味だと思います。フグを堤防で干乾びさせたり、釣ったニジマスが固いからと言って捨てるなどという本質的に命を粗末に扱うような事をしなければ、基本的には自由なんだろうなぁと思います。
長々と書きましたが、僕の結論。
1.アオリイカの食物連鎖のピラミッドを考えた場合、小型個体を100杯獲る事と大型個体を100杯獲る事では、大型個体100杯獲る事の方が影響は大きい。だとしても、人間が釣ったところでアオリイカ全体における影響なんてほぼ無いに等しい。
2.(新仔)イカを今後も釣るし、釣る限りは家族・友人で感謝して食べる。
3."新仔獲り"に関しては様々な意見がある。僕は新仔を釣り、釣った以上は食べるという結論をしたが、"釣らない"という判断をしたAnglerを尊重する。また、リリースするというポリシーも尊重する。
4.この時期に増えるゴミ(エギの入った透明なケース)を見つけたら拾う。自分は絶対に捨てない。
【長期的な検討項目】
・親アオリイカを獲っていいのか。
・新仔100杯を釣る事を批判し、一方で成長個体を100杯釣ることを肯定する理由。
・豆鰺も新仔アオリイカみたいなもんだから、釣ったらだめですか。
う~ん、悩ましい。
でも、海の釣りが好きだし、今後も釣りを続けたいと思うから悩むんだろうね(笑)。
日付 2017.08.29
時刻 03:30~6:30
天候 曇り/晴れ
潮回 大潮
干満 上げ-満潮
潮位 30
水温 27℃
風向 南東1m
波高 0-50㎝
月齢 7.4
前5日間合計累積日照時間
28.8hr
前10日間合計降水量
122.0mm
前5日間平均気温
23.6℃
アオリイカ 25杯(8杯/hr)
キジハタ 1匹(35㎝)
朝4時30分に開始できるように3時に目覚ましをセットし、子供たちと20時に就寝。
気持ちが高ぶってしまい、なかなか眠れない。
それでも何とか眠る努力をして・・・ふと目が覚めるとまだ22時。
まだまだ寝なければ・・・今度は妻が動く物音で目が覚め、23時30分。
イライラしながら眠ったのか眠らなかったのか分からないが時間は0時30分。
そこから1時間眠れない。
しょうがないから、ごそごそと起きだして海へ。
途中ガソリンを入れつつ、なんだかんだで3時に海に到着。
いつもの場所へと思ったが、少し車を走らせて、いわゆる"鉄板"ポイントへ。
立ち位置を探りつつ周囲を見ると、あたり一面墨跡だらけ。
期待値は大だったが、まだ周囲は暗い。
一投目。
赤テープの餌木を選択し、カウント10からの柔らかいダートに。
グッ。
竿先が重くなり、上がってきたのは小さなアオリイカ。
幸先がいいなと思いながら、そのあと2投続けて新仔を釣る。
その後、潮が動かなくなるのに伴って、全く反応がなくなってしまう。
移動。
いつかメバルで打ちたいと思っていたポイントに入る。
まだ暗い時間にもかかわらず、コンスタントにアオリイカからの反応がある。
徐々に周囲が明るくなってくる。
入ってくる潮流が凝集する場所に出来る潮のヨレに向かって、餌木をフルキャスト。
テンションを掛けながら、ボトムへと餌木を落とし込んでいく。
カウント20を超えたところで、餌木が潮流を受けて重くなる。
小さいジャークを加えた後の違和感に竿を立てる。
ググッ。
今シーズン一番の重量を感じながらアオリイカを寄せる。
水面まで50㎝ほどだが、アオリイカを持ち上げるのにPEspecialだとつらい。
先週は釣れなかった、比較的良型の個体。
潮の中、ボトム付近に定位した、活性の高い個体群。
このアプローチで5匹程同程度のサイズの個体を追加し、沈黙。
餌木をエメラルダスダートⅡに交換。
昨シーズン購入した、僕の中での鉄板餌木の一つ。
任意の動作に対して美しくダートする性能に優れていると感じる。
この餌木を選択するときは、サウンドジャーク等の強いアクションは不要。
三回ゆっくりとダートさせ、フリーフォールカウント10。
その後ゆっくりとあたりを聞きに行くと、アオリイカが乗っている。
反応が無くなれば、カラーをローテート。
そんなこんなで一杯ずつアオリイカを釣り上げていく。
そんななか。
よりタイトにストラクチャー周囲を攻めていると。
トン。
『恐らくこのあたりの出方はRock fish、エギング最中に釣れるのはキジハタだ』そう考えながら反射的に竿を立てるが、勢いよくドラグがうねる。とっさにスプールに手を添えて、ドラグを締め、テンションを緩めないように竿をスウィープ。竿でキジハタの向きを何とかコントロールしながら、ふと顔を横向けると、周囲には目がオレンジに光るベイトフィッシュで満ちている。
そうか、アオリイカも、キジハタも。
重要なことはメバルと同じなのかもしれない。
そう思いながらも、断続的なキジハタの突っ込みに耐えつつ最後はハンドランディング。
僕にとってキーパーサイズのキジハタ。
とても嬉しいと同時に、40㎝、そして50㎝のキジハタってどんだけ大きいのだろうと思う。
その後もあの手この手でアオリイカを積み上げ、6時半に竿を納める。
一つ気になることがある。
暗闇に光るオレンジの目。
あのベイトフィッシュは一体何だったのか。
話はかわって。
『激渋さん、新仔いじめじゃないですか?』
釣友のごっちゃんにご指摘を受けました。
激渋家の家族は、柔らかく・食べやすく・美味しいアオリイカを食べることを楽しみにしています。でも、アオリイカは胴長15㎝を超えると甘味は増しますが、食べづらくなります。魚の居場所を追い求めそして釣る事だけではなく、釣った魚を美味しく食べる事も趣味にしている僕にとっては、新仔を釣ることをいじめと捉えられると何とも悲しい気持ちになります。
柔らかく、食べやすく、美味しいのだけれど・・・
やはり、情操的に新仔を釣る事には後ろめたさを覚えます。
でも、そういった感情的な点からではなく、新仔アオリイカを釣っても良い/悪い理由を可能な限り論理的に考えてみたいと思いました。そのために、『新仔アオリイカを釣ってはいけない理由』にたいして、肯定的意見、否定的意見を僕なりに考えて評価したいと思います。
★新仔アオリイカを釣る/釣らない/キープする/キープしないには、釣り人それぞれ多用な意見があります。以下は、あくまで僕の意見であり、新仔を釣らない、釣ってもリリースするという考えを持っている人のポリシーを否定するつもりは全くありません。
何故、新仔アオリイカを釣ってはいけないのでしょうか。
少し調べていると、おおむね以下の3点が理由として挙げられています。
①水産資源としてのアオリイカが減少してしまう。
②小さいうちに釣ると、アオリイカがいなくなる。
③小さいアオリイカはリリースしてください。
では、上記①~③に対して、Pro(肯定的)&Con(否定的)な見解をそれぞれ考えてみました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
①水産資源としてのアオリイカが減少してしまう。
Pro(肯定的意見)
淡路島では、アオリイカを増やすために漁業者が産卵床を設置するなど、アオリイカ資源増大に取り組んでおり、淡路島内沿岸でアオリイカ釣りをする人に次に該当する場合はアオリイカをリリ-スするようにお願いしている。(1)7月1日~9月30日の期間(淡路市・洲本市管内は7月1日~9月30日の期間。南あわじ市管内は7月1日~9月20日の期間)
(2)胴長15センチ未満のアオリイカ
淡路島では、漁協が水産資源としてのアオリイカを増やす努力をしております。こういった努力を行う背景には、
・アオリイカを増やそう
・豊かな漁場を育てはぐくみたい
・こういった努力を無駄にしないために釣り人の協力を仰ぎたい
という思いがある事がその背景として考えられます。
漁業関係者は、アオリイカの減少を肌で感じているのかもしれません。新仔アオリイカは釣らない、もしくはリリースすることで、アオリイカの減少を防ぐことが出来、将来に向けて豊かな漁場を形成することこそ、今後も長くアオリイカ釣りを楽しめる事になるかもしれません。
Con(否定的)
以下に、アオリイカの漁獲量と米収穫量のグラフを示します。
少しデータが古いのですが、アオリイカの漁獲量と米の収穫量に相関関係があります。元論文によれば、アオリイカの漁獲量と米の収穫量に相関がある事は、夏、特にアオリイカの産卵後孵化する6-7月の気温/水温と密接な関係があると考察されていました。
つまり、水産資源としてのアオリイカの減少があるとすれば、それは釣り人が新仔アオリイカを獲る/獲らないなどの些末な問題ではなく、気象等の自然現象だとするほうが理に適っていると考えられます。
上記より。
水産資源としてのアオリイカの増減は、気温水温等の自然現象に相関します。また、新仔アオリイカを獲る事による水産資源量としてのアオリイカの減少は因果関係が証明されていません。以上の根拠から、新仔アオリイカを獲る事は、水産資源としてのアオリイカの増減に関係はありません。
②小さいうちに釣ると、アオリイカがいなくなる。
(=釣りたい時に釣れるアオリイカがいなくなる。)
『新仔を沢山釣られると、大型化した釣れる個体がいなくなる』
重要な問題提起だと考えています。
メディア、雑誌、SNS、ブログなど同じような意見を多数拝見します。
まあ本心を言えば、僕は小物釣り師です。
新仔を釣りたいから釣って何が悪いのでしょうか(笑)。
まあ、そんな風に言っては元も子もありませんね。
では、小さいうちに釣るとアオリイカは本当にいなくなるのでしょうか。
まず、僕が釣っているアオリイカはどこから来るのかという事を考えました。
1.上越糸魚川で産卵後成長した個体群
上越糸魚川での親アオリが釣れる事はないわけではないが、特殊な状況なためまとまった産卵は無いと予測される。つまり、上越糸魚川で産卵後成長した個体群は多くない。釣り人に釣られて、あっという間に少なくなるか、上位捕食者に捕食される。
2.富山以西の日本海沿岸で孵化成長した個体群が沿岸部を北上
富山で産卵後成長した個体群の一部が北上し、上越糸魚川へ。
同様に、上越糸魚川で産卵後成長し、生残した個体群の一部は北上。
同じことが日本海沿岸で西から順に生じながら、各沿岸で釣られたり、リリースされたり、捕食されたり、留まったり北上したりしながら回遊行動を持続。結果的に、上位捕食者や餌木、釣り人の危険性を学習し、釣れにくくなっている個体(=スレた個体≒釣れない個体)が生残。
3.対馬列島以南の通年分布水域で孵化成育した個体群が北上
上記1.2とは全く異なるのが対馬列島近辺以南の通年分布水域で孵化成育した個体群。アオリイカの最大の産卵孵化場である対馬列島近辺以南で孵化産卵した個体群が、沿岸に近寄ることなく対馬海流に乗って北上後、水温15℃を境に南下(避寒回遊/死滅回遊)。
回遊時に、月齢に従いShallowへ捕食のために断続的に流入。これら個体群は沿岸部で人のプレッシャーに晒されていないので、比較的容易に釣る事が出来る。
4.実際には、上記1.~3.が傾斜配分を持ちながらも同時に生じている。
1-4を踏まえて。
Aアオリイカ群:
僕が今釣っている新仔は、おそらく日本海沿岸で産卵孵化成育した個体群。今後、Shallowで釣られたり、上位捕食者(カマスやイナダなど)に捕食されたりしながら成長し、生残していった個体は警戒心が異常に高く釣れない。結果的に、釣れにくい限られたアオリイカを多くの釣り人が狙うという状況が生じる(=敗者のゲーム/ゼロサムゲーム;次回記事に記載予定)
Bアオリイカ群:
一方、対馬列島近辺の最大産卵孵化個体が、成長しながら北上しつつ月齢と潮に合わせ捕食のために断続的に日本海沿岸域のShallowに入ってくる。これら個体群は捕食するためにShallowへ入ってきており、かつプレッシャーに晒されていないので釣りやすい。
★A群/B群どちらのアオリイカが優れているとか、どちらの釣りが優れているなどという気は全くありません。活性の高い個体群を捉える釣りも、警戒心の高い一杯を、あの手この手で絞り出すのも、いずれも価値の高い釣りだと思います。ただ、技術と経験のない僕にとってはB群アオリイカを釣るほうが効率的かなと考えております。
以上より。
『新仔を沢山釣られると、大型化した成長した個体がいなくなる』
Pro(肯定的意見)
アオリイカを新仔のうちから釣ると、エリアにプールされるアオリイカの絶対数が減る。更に、リリースや釣りをする事自体がアオリイカの警戒心を増大させ、アオリイカの成長を阻害する事となる。このような理由から、今は釣りたい気持ちをグッと抑え、アオリイカがある程度大きくなってから釣るほうが理にかなっている。
Con(否定的意見)
アオリイカは、数を減らしつつも成長すれば最上位の捕食者となりますが、新仔のうちはフィッシュイーターのベイトです。例え釣り人が釣らなくても、カマスやイナダなどによってどんどん数は減るだろうし、警戒心も増すと考えられます。今いる新仔を釣らない事と、成長したアオリイカが増える事とは因果関係は薄いと予想します。
③小さいアオリイカはリリースしてください。
Pro(肯定的意見)
養殖魚においては、リリース後の生残性に関しての研究がなされています。
以下に一つのデータを提示します。
この表一つで様々な事が考察できますが、対象群と比較しいずれの群も5-55%程度の生残性が確認できます。特に「餌釣り」-「食道に針」-「針を残す」-「濡れた手」で対応した個体群と、「フライ」-「口に針」-「針を除去」-「濡れた手」で対応した群は21日生存率が5%と優れていました。つまり、適切なC&Rを行えばリリース後も魚は生残する可能性が高まります。更に、リリース後の死亡率はレイクトラウトは0-29%、大西洋サケは9.5%、ニジマスは0-1.9%と検証されております。
アオリイカの新仔はリリースして死んでしまうと考えるのではなく、適切にリリースすれば生存率を上昇出来ると考えませんか。そのために我々が行うべきは、適切にリリースする方法を知ることだと思います。更に、生残出来なかったとしても、食物連鎖下位の生物を育む重要な食料資源となります。つまり、十分意味のある行為だと思われます。
Con(否定的)
アオリイカの生残率を検討した報告はありません。
よって、新仔アオリイカがリリース後生残する/しないに科学的根拠がありません。
二つのデータを示します。
長さ15㎝以上/未満でのリリース後の生残率を示しています。
15㎝以上の個体群では5-55%の死亡率となっており、15㎝未満は、0-66.7%の死亡率です。特に、15㎝未満の群では針やフライが食道に掛からなければ21日死亡率はすべて0%となっていますが、食道に掛かった針を除去した場合、リリースした個体の1/3しか生存できません。つまり、小型個体を生残させるためには、やってはいけない事があるのだと考えられます。
では、新仔アオリイカを適切にリリースする方法はあるのでしょうか。
・素手で触ったり陸地に置いたりすることは✖
・カンナが目に刺さった場合✖
・食腕が伸びても✖
・衝撃を与えても✖
・体内の水分が喪失しても✖
・スミを吐かせることすらダメージが多くて✖
推測ではありますが、上記✖すべてがアオリイカの生残性を大きく損なうと考えられます。
新仔アオリイカは沢山います。その多くが食物連鎖の中で上位捕食者に捕食されるでしょう。であれば、食べやすくかつ美味しい新仔アオリイカを釣った分はキャッチして、感謝して家族で食べることを推奨します。
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新仔を獲る事に関する上記Pro&Conから、自分がどうあるべきかの筋道が見えてきました。
新仔イカを釣る事と絶対数が減ることに関しては因果関係が薄いだろうし、新仔を釣る事が成長個体が釣れなくなる事とはおそらく因果関係がないと思います。ただし、因果関係が"今は"証明されていないだけかもしれません。リリースに関しては、その人のポリシーなので、何人も批判すべきではなく尊重するべきだと思います。
釣り人が持つポリシーや考え方は、釣り人の数だけバリエーションがあると思います。考えていく中で、変化していく場合もあるかもしれません(僕の場合よくあります)。僕は親アオリイカは獲るべきではないと考えている一方で、いつかは釣ってみたいとも思っています。また、産卵を控えたメバルやシーバス鰰パターン、乗っ込み真鯛なども釣ります。
結局、釣り人はそれぞれが釣りたい魚を釣るのだろうし、それが許されるのが釣りという趣味だと思います。フグを堤防で干乾びさせたり、釣ったニジマスが固いからと言って捨てるなどという本質的に命を粗末に扱うような事をしなければ、基本的には自由なんだろうなぁと思います。
長々と書きましたが、僕の結論。
1.アオリイカの食物連鎖のピラミッドを考えた場合、小型個体を100杯獲る事と大型個体を100杯獲る事では、大型個体100杯獲る事の方が影響は大きい。だとしても、人間が釣ったところでアオリイカ全体における影響なんてほぼ無いに等しい。
2.(新仔)イカを今後も釣るし、釣る限りは家族・友人で感謝して食べる。
3."新仔獲り"に関しては様々な意見がある。僕は新仔を釣り、釣った以上は食べるという結論をしたが、"釣らない"という判断をしたAnglerを尊重する。また、リリースするというポリシーも尊重する。
4.この時期に増えるゴミ(エギの入った透明なケース)を見つけたら拾う。自分は絶対に捨てない。
【長期的な検討項目】
・親アオリイカを獲っていいのか。
・新仔100杯を釣る事を批判し、一方で成長個体を100杯釣ることを肯定する理由。
・豆鰺も新仔アオリイカみたいなもんだから、釣ったらだめですか。
う~ん、悩ましい。
でも、海の釣りが好きだし、今後も釣りを続けたいと思うから悩むんだろうね(笑)。
コメント
コメント一覧 (8)
いつも色々考えるきっかけを与えてくれてありがとう!
コメントをいただき、大変ありがとうございます。
本当は、かべおさんとDiscussionをしたかったです。
Pro&Conというのは、肯定的意見を持っている人と、否定的意見を持っている人が、論理を尽くしてDiscussionし、それによって、聴衆がどちらに意見に納得を示したかを競い合うゲームというか、見世物的なものです。でも、多くの釣り人がいろいろな根拠をもとに意見を持っているので、議論が白熱して面白そうだと思って書いてみました。
ただ、今になって、およそ1ヶ月間何やっていたのかなぁと思っている自分がいます。やっぱり僕が求めるのは潮の中にいる活性の高いアオリイカを釣ることであって、簡単にバイトしてくる小さいアオリイカを数釣ることとは少し異なっています。そう考えると、小さいのは釣らないという信念を持つシーマン君やかべおさんのスタイルこそが、ぼくの倫理観ともマッチしております。
まあ、100匹釣ってみたかったし、小さい柔らかくて食べやすいイカを食べたかったので満足しました。今後は、一杯を出す過程で得られる"心ふるえる釣り"を求めていきたいです。
またアオリイカに関してのデータは見つけられませんが、漁業/遊漁での各魚種の漁獲量比が示されたデータがいくつかあるので調べてみてください。
各釣りの特性を踏まえたとしても、それらにさらに陸釣りの潜在的な漁獲量が加わることを考えると少ない数字ではないと考えます。
②>新仔を釣らないことと成長したアオリイカが増えることの因果関係
どのサイズを釣って楽しむかは個人の嗜好によりますが、サイズ分布と個体数を考察するのであれば「一杯のイカをいつ釣るか」ではなく「誰がいつどれくらい釣るか」を考慮すべきです。
もっとも全ての釣り人がイカばかり釣るわけではありませんが、あくまで"新仔釣りの影響"という観点であれば日数や人数、個体数を概算する必要があるはずです。
③提示されたソースは見た覚えがあるんですが「触らない、無理して外さない」が生存率を上げるための結論だった気がします。
アオリイカ、特に新仔に関しては仰るようにリリースが難しいのでそれなら食べた方がいいと思いますし、季節の楽しさや美味しさを享受するのもいいんではないでしょうか。
でも生存率やリリースの可否を言い訳に本末転倒な乱獲をするのは間違いだと思います。
ともあれ論ずべきは行為そのものではなくその程度とレジャー資源としての継続性ではないでしょうか。
その結論として各水域でのキーパー制限や禁漁期間等のルールが定められていると思います。(死滅回遊エリアはまた変わってくるのかも知れませんが)
ところでカマスって大きいのがいるんでしょうか?
コメントをいただき、大変ありがとうございます。また、返信が遅くなり大変申し訳ありません。コメントをしづらい問題に、正面からご意見をいただき、いつも感謝しております。
①②
いくつか調べてみました。
最もよく書かれていたのは、水産庁の『漁業資源の変動と資源評価について』という文献でした。これによれば、漁業資源の変動は(1)自然変動要因と(2)漁獲の影響とされており、特に漁獲による直接的な影響の大きな生物は、
・沖合に分布する生物
・クジラ類などの自然死亡率の低い種
とされておりました。さらに、イカ類などの自然死亡率が高い資源は、資源量の自然変動が大きいとされておりました。つまり、資源量自体が自然変動要因>漁獲の影響と評価されております。同様に、アルゼンチンマツイカの資源量を検討した文献(平成26年度国際漁業資源の現況 アルゼンチンマツイカ 南西大西洋 加藤ら)によれば、水温と漁獲量及びCPUE(日/トン)には正の相関関係があるようです。ちなみに、親イカに関しては、4万トンを逃避量として勧告されているようです。
上記から、連日沢山釣れることからも、現時期のアオリイカのCPUEはかなり高いと考えられ、結果的には資源全体の影響は少ないし、そもそも自然死亡率が高い資源なので、資源量の自然変動が、主に気候変動に起因すると考えます。ただし、やはり親イカに関しては検討するべきところはあるのかもしれないと考えています。
続きます。
③
『程度とレジャー資源としての継続性』
おっしゃる通りだと思います。ただ、もしかすると、瀬戸内と日本海の相異はあるかもしれません。釣り人口だけではなく、もしかすると、エリアに新規に入ってくるアオリイカは日本海の方が多いかもしれないと感じております。つまり、次のブログで言うB群アオリイカが僕たちのエリアには多いように感じております。結果として資源が保持され、キーパー制限や禁漁期間がない。
カマスに関しては、カマスが入ってくるとアオリイカが釣れなくなるため、捕食されているのかな?と思っているだけです。実際には、鰺の存在を嫌がるメバルみたいなものかもしれません。
もう一度断っておきますが、写真の釣果を否定しているわけではありません。
紹介して頂いた資料にも目を通してみましたところ、哺乳類や沖合いの資源漁業は漁獲の直接的影響が大きいが、自然死亡率が大きい魚種は自然変動「も」大きいとあります。
ニュアンスとして自然変動の方が大きいというには違いがないのですが「漁獲による影響は小さい」とも決定づけてはいないのではないでしょうか。
それは資源評価の精度に問題があるためだと推測しますが、マツイカ類とアオリイカでは生息・産卵環境が全く違うためCPUEをスライドできませんし、また遊漁漁獲量の算定もしづらいと考えます。
しかし遊漁漁獲量については静岡の水産技術研究所で調査された資料が参考になるので検索してみてください。
「釣り人の~たかが知れてる論」を否定してあります。また定点調査なので数は確実にさらに大きくなります。
そもそも生息域や期間が拡大傾向にある最中にこれらをみること自体が難しいのではとも思いますし、資源量の推定が漁獲量ベースで行われる以上"影響がない"と決定づけるには不確定要素が多すぎるのではないかなと。
コメントをいただき大変ありがとうございます。
1.静岡水産技術研究所の文献『静岡県内浦湾沿岸におけるアオリイカの遊漁実態と釣獲量の推定 journal of Fisheries Technology, 7(2), 59-68,2015』
・遊漁によって漁業に匹敵する量のアオリイカが釣獲されており、秋季には小型個体が多く釣り獲得されている
・外套背長18cm以下の個体の放流効果を試算すると着実に経済効果がある
2.京都府沿岸域における遊漁船による釣獲量推定
・遊漁量は漁獲量を超える場合がある
・真鯛に関しては遊漁釣獲量が漁獲量の1.7倍と推定できる
3.神奈川県における陸釣り遊漁釣獲量の推定.神奈川水技セ研報,4,15-20
・過去には40-70万の遊漁者がいたが現在は15万程度に減少
・栽培魚種に関しては小型個体が釣獲されてしまう
上記より、
『釣り人が釣る個体数は、漁獲量を上回ることがある≒潜在的遊漁釣獲量は漁獲量と同じくらいあるかもしれない』ということが言えると思いました。では、総資源量に与える具体的影響はどうなのでしょうか。おそらく資源量が多いとき(CPUE高値)は、良く釣れ、資源量が少ないとき(CPUE低値)は、釣り人には釣りにくくなり、結果として釣り人が減り、資源が保持されるのではと思います。ただし、根拠を今は示せません。
以上まとめると。
①アオリイカは自然死亡率が高い為、資源量は自然変動要因>漁獲の影響と考えられる。
水産庁の『漁業資源の変動と資源評価について』
②一方で、遊漁釣獲量は漁獲と同等またはそれを超える場合もある
『静岡県内浦湾沿岸におけるアオリイカの遊漁実態と釣獲量の推定』
続きます。
広島東洋カープ、セ・リーグ連覇おめでとうございます!
続きです。
上記を踏まえて、『新仔を釣っていいのか』という最初の問題提起に関してです。
1.新仔が多く釣れるときは、CPUEが高くなり、資源量も多いと考えられるため、釣る。ただし、家族、近しい友人が楽しめる程度にとどめる(具体的目安は100杯)。
2.以降は、食材としてのアオリイカが必要な時は釣る。サイズを求める釣りをする。
3.100杯以降は、基本的にサイズを求める釣りをする。
4.各地のレギュレーションがある場合は、可能な限り従う努力をする。
という事になりそうです。