息子が夏休みに入ってから、日中は暑くて暑くて…。2回連続夜釣りでした。熱中症予防と釣果の点で、夏場は夜釣りが最適ですが、親が率先して夜更かしさせる訳にもいかず、『半夜釣り』 が精々です。普段は日没前に納竿するので、久しぶりの夜釣りでは準備不足を露呈、トラブル頻発でした。

一番困ったのは、持参した 『ケミホタル』 が発光しなかったことです。開封して折らないと、発光するか分からないので、自宅でテストも出来ません。釣り場でパキッ!パキッ!片っ端から折りまくりです。

自宅に帰ってパッケージを見たら、あれっ?タックルBoxに入っていた古いケミホタルは 『日本化学発光㈱』 なのに、エサと一緒に買った新品は 『㈱ルミカ』 になってます。オッサンの知らぬ間に、また釣具業界で倒産・買収・合併など動きがあったのかなぁ…と思い、調べてみました。
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歴史
日本化学発光㈱は1979年、福岡県で創立。同年「ケミホタル」を発売したそうです。「日本の」「化学で発光する製品」の会社…という社名。名刺の社名を見れば、何をする会社か一目瞭然です。いいなぁ、こういう社名、オッサンは大好きです。「化学=ケミカル」の力で「発光する=ホタル」で「ケミホタル」。すばらしい商品名です。社名といい、商品名といい、センスを感じます。
LUMICA ㈱ルミカ

この化学発光体ですが、開発のきっかけは1960年代の「アポロ計画」なんですって。約38万キロ離れた月へ人間を送って探査する、あの計画です。1969年、アポロ11号が有人の月面着陸に成功した映像は、今でもよく目にします。その2年前の1967年、アポロ1号は発射台上の火災事故が発生、3名の宇宙飛行士が亡くなったそうです。全然知りませんでした。

この事故の原因が電気系統のショートによる発火だったため、「熱を発生しない安全な光」の開発に着手したんだとか。なるほどなぁ。食品工場の管理システム 『HACCP』 も、宇宙食の開発技術が応用されてますが、宇宙開発の技術って色々と現在の生活に結びついてるんですねぇ。

アポロ計画の技術を釣りに使うという発想がたまりません。この考え方に憧れすら抱きます。

この素晴らしい発想の日本化学発光㈱ですが、合併や買収ではなく、商号変更として2001年に㈱ルミカとなったそうです。オッサン的には、昭和の香り丸出しの日本化学発光が好きですけど、時代の流れですね。カタカナの社名って、意味分からなくて嫌いです。

ということは、オッサンのタックルBoxに眠っていたケミホタルは、2000年以前の製品ってことになります。14年も熟成させりゃ、そりゃ化学反応が起きず、発光しませんね。失礼しました。

特徴
アポロ計画における開発ポイントが「熱を発生しない安全な光」ですから、ケミホタルの特徴も同じ。「電池が不要」「火を使わない」「熱が出ない」「火花が散らない」「水に強い」安全な光です。

防水・防滴仕様の電池使用製品もありますが、化学発光体の水に対する強さは釣りの現場で実証済みです。スキューバダイビングや大雨災害時などに利用されてます。

「火花が出ない」「熱が出ない」特性は、ガス漏れ事故など災害復旧時にも活躍しているそうです。なるほど。

携帯性に優れ、安価。確かに安いですよね。昔より安くなっているような気さえします。

最近はイベントやライブなどでよく見る「コンサートライト」や「ペンライト」、登山や散歩など屋外で使用するライト類、さらには非常用など、幅広く釣り以外の製品を発売しているようです。釣り以外の製品販売に際して、「日本化学発光」から「ルミカ」に社名変更したんでしょうね。

構造
「活性化剤」という液体が入ったプラスティック製の筒の中に、ガラス製の筒が入っています。ガラスの中には「蛍光液」など種類の違う液体が入っていて、スティックを折ると、内側のガラス製アンプルだけが割れて2つの化学物質が混ざり合い、化学変化を起こして光り始めます。
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2つの液体が満遍なく混ざり合うように振ると、全体が発光します。このフリフリする仕草が研究者っぽく見えるらしく、フリフリは息子のお仕事になってます。

ケミホタル
会社設立と同時に発売された「ケミホタル」。35年経過した現在でも、化学発光体の釣具コーナーを埋め尽くす、定番中の定番です。透明の「接着テープ」と、こちらも透明の「アタッチチューブ」が同封されているのは、全サイズ共通なんですね。

集魚用には対象魚別に「ルミコ」、ウキトップには「ウミホタル」、竿先ライトには「ぎょぎょライト」、ウキフカセの「絡まん棒」には「からまんホタル」等々、ケミホタルの用途別に専用商品が続々と開発・発売されています。汎用性の高い「ケミホタル」だけを持って、用途に応じ工夫して使うか、用途別の専用製品を揃えるか。意見の分かれるところですね。

オッサンの持っている年代物ケミホタルは、一袋にドバッと2本入っていて、1本しか使わなかった時に保存が大変でした。最新版ケミホタルは外袋の中に個包装されたケミホタルが入っています。進んでますねぇ。
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もう一つの変更点が、パッケージ裏面に「使用推奨期限」が「西暦年の下二桁」と「月」で表示されるようになってます。オッサンみたいに14年も熟成させる人も、期限表示があれば釣り場でパキパキしなくて済みます。
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日本化学発光時代にも、ロット№のように数字が刻印されてますが、消費者用ではなく、暗号です。「25H120A」は「平成25年12月」の意味ですかねぇ?「188122Y01」…まったく分かりません。

売り場には、ケミホタルの見本がズラっと吊るされてますが、どんな規格があるのか見てみました。

(数字)(商品名) (サイズmm)(重量)(視認距離)(発光時間)(定価税抜)( カ ラ ー ) (入数)
 20  ミクロ     Φ2.2×22  0.08g    10m    2H     280    イエロー           3本
 25  ミニ      Φ2.9×23   0.15g   15m    3H     130    イエロー/レッド  2本
 37  レギュラー Φ4.5×37  0.55g     30m    6H     140    イエロー/レッド  2本
 50  ビッグ    Φ6.0×50   1.35g    50m    5H      150    イエロー/レッド  2本
 75  ロング     Φ7.5×75   3.40g  100m    6H     220    イエロー/レッド  2本
100  100'S    Φ7.5×100 4.60g  160m    6H     220    イエロー      1本
120  スーパーロング Φ7.5×120 5.50g  170m     7H      250    イエロー      1本

…う~ん、社名や商品名には抜群のセンスを感じたんですが、この規格表記は「ダメだめ駄目」ですね。正直、調べ終えた今でも意味が分かりません。

「ビッグ」の次が「ロング」、次がいきなり「100'S」。タバコじゃないんですから。最後にまた戻って「スーパーロング」。これ、名前だけ見て順番に並べられる人、少ないですよ。この商品名のサブ表記、意味ないですね。

商品に表示されている数字も謎です。オッサンは今まで「視認距離(m)」だと思ってました。調べると「レギュラー」から「スーパーロング」までは、数字=製品の長さ(mm)を示しているみたいです。でも、「ミニ」と「ミクロ」は違います。「ミニ」の25、「ミクロ」の20は、一体何を示しているんでしょうか?

発光時間も微妙です。「ミクロ」の2時間に始まって、「ミニ」3時間、「レギュラー」6時間と、発光時間が長くなっていくのに、「ビッグ」が5時間で「ロング」が6時間。規則性なさすぎですね。

【20ミクロ】…今回調べて、こんなサイズがある事を初めて知りました。商品パッケージには「落とし込み釣り・ラインマーカー用」と表示されてます。そういう使い方専用なんでしょう。この商品だけ3本入りです。2本入りに換算すると「ビッグ」より高い価格設定です。2時間しか発光しません。オッサンが使うことはないサイズでしょう。
【LUMICA/ルミカ】A00103 ケミホタル20 3本セット イエロー ミクロ 釣小物 ウキ・仕掛 101129【ルミカ】A00103 ケミホタル20 3本セット イエロー ミクロ01129
【25ミニ】…付属の透明チューブで夜アナゴのハリスに取り付けたり、粘着テープで穂先に巻きつけたり、オッサンの使用頻度が一番高いサイズです。パッケージには「円錐ウキ、高感度棒ウキに最適です」と表記されています。レギュラー37(0.55g/本)に比べると大変軽く、25ミニを3本付けても重量は0.45gです。この軽さはウキの浮力に影響を与えにくいですね。6時間ぐらい発光すると思ってましたが、3時間しか発光しないなんて、今知りました。
【LUMICA/ルミカ】A00209 ケミホタル25 イエロー 2本入り ミニ 釣小物 ウキ・仕掛 103178【ルミカ】A00209 ケミホタル25 イエロー 2本入り 103178
37レギュラー…まさにレギュラー。ウキフカセ用の立ちウキや竿先用鈴など、「ケミホタル装着可」と表示された製品の大半は37レギュラーの直径に合わせてあります。直径も長さも、ミニの約1.5倍強ですが、重量は4倍弱と重いです。そのかわり、発光時間がミニの倍、6時間あります。これでミニより定価(税抜)で10円高いだけです。お得感は№1ですね。
ルミカ ケミホタル レギュラー 37 【イエロー/2本入】 / 【02P11Aug14】【RCP】ルミカ ケミホタル レギュラー 37 【イエロー/2本入】 / 【02P11Aug14】【RCP】
50ビッグ…直径、長さ共に25ミニの約2倍。レギュラーより2倍以上重くなっているのに、レギュラーより発光時間が1時間少ない、謎の規格です。でも、レギュラーより定価(税抜)で10円高いだけって、これもお得なのかも知れません。オッサンの遠投カゴウキは全部75ロング対応なので、このサイズは買わないでしょう。
【LUMICA/ルミカ】A00410 ケミホタル50 レッド 2本入り ビッグ 釣小物 ウキ・仕掛 103222【ルミカ】A00410 ケミホタル50 レッド 2本入り ビッグ 103222
75ロング…75も、100も、120も、直径は7.5mmで共通です。これ、知らなかったです。つまり、75ロング対応のウキには、100'Sも120スーパーロングも使えるって事です。まぁ、120スーパーロングの視認距離170mって、そんなにカゴ遠投できませんから、75ロングの100mで充分ですけど…。75ロングから一気に定価が高くなります。100'Sと120スーパーロングは1本入りで220円、250円ですからね。そういう意味では、遠投カゴウキには75ロングが一番コストパフォーマンスがいいって事になります。100'Sと120スーパーロングはイエローしかありませんし。オッサンの持っている年代物75ロングは1本入りでした。個包装対応になって以降、2本入りになったみたいです。
【LUMICA/ルミカ】A00510 ケミホタル75 レッド 2本入り ロング 釣小物 ウキ・仕掛 103246【ルミカ】A00510 ケミホタル75 レッド 2本入り ロング 103246

使い方
ケミホタルの用途はアイデア次第。釣り場で非常に幅広く使われています。

「ウキのトップ」
明るい時間帯の使用感や感度から、電気ウキを嫌うウキウカセ釣り師が多く、ケミホタル派が多いように感じます。円錐ウキには専用のアダプターやケミホタルを内臓できるタイプがありますが、房総半島の夜釣りには「遠矢ウキ」などの立ちウキが似合います。ウキフカセ用の立ちウキには37レギュラー、50ビッグ以上は遠投カゴ釣り用のウキに使われます。ウキのトップにそのまま差し込んだり、日中用のトップを取り外して、ケミホタルを差し込んだり。ケミホタル未対応のウキにも、付属の透明チューブを使えば装着可能です。ただ、37レギュラーでは重すぎてウキのバランスが崩れる場合もあり、25ミニの2本付けなど、皆さん非常に工夫されています。

以前はイエローだけでしたが、今はレッドも発売されています。レッドのパッケージには「マヅメ、月夜に」と表記されてます。確かに、月明かりや常夜灯がある場合はレッドの方が見やすい時があります。また、混雑した釣り場ではケミホタルの色を変えることで、他人のウキとの区別も容易になります。

ウキのトップとして使用する場合、照度が強い専用商品も発売されています。







「仕掛け」
仕掛けに使う場合は、仕掛けの位置を把握する目印としての役目と、光で魚を寄せる集魚効果を期待します。集魚には、対象魚別にカラーを取りそろえた「ルミコ」シリーズが発売されており、ケミホタルを取り付ける事例は少なくなっているようです。

ウキフカセで「絡まん棒」の代わりにケミホタルをチューブで止めると、仕掛けの回収がスムーズになります。ただ、ケミホタルには浮力があるので、25ミニが限界です。この用途も専用品が発売されてます。

「竿先ライト」
竿先ライトとしても、専用の「ぎょぎょライト」シリーズが発売されています。竿先ライトは改めてまとめてみたいと思っています。
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「照明」
まずは「ケミホタル装着穴」が準備されているグッズです。コマセ柄杓の柄、エサ箱のフタ、置き竿用の竿先鈴など、穴に差し込んで使います。その他、「コマセバッカンの中」、「エサ箱の中」、「タモ網の枠にテープ巻き」、「足を引っかけそうな堤防上の障害物に」等々。いちいちヘッドライトを点灯させなくても済みますし、安全快適になります。

「こんな使い方してます」みたいな特集が、以前雑誌に掲載されてましたが、内容覚えてません…。夜釣りに慣れた方のアイデアを調べてみたいです。

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