ウェブディレクターな日々

本、デザイン、映画、音楽、雑感、飛行機、もしくは社長業

『人工知能と経済の未来』井上智洋



いま一番気になっていることズバリの本だったので早速読んでみた。

汎用AIの出現によって、2035年頃の就労人口は全人口の1割ぐらいになるだろうという内容。
まぁ、そうなるかもしれないし、ならないかもしれない。
しかし、遅かれ早かれそういう社会が来るのは間違いないように思う。
なぜなら人間社会には国際間や企業間の競争原理が常に働いているから。

AIによる社会構造の変化は、産業革命以上の変化になるのではないかと思う。狩猟採集社会から定住社会になり階層や国家や誕生した農業革命以来の大変化へと続いていく序章なのではないか。SFのように聞こえるかもしれないが、ディープラーニング技術の出現は今までの「人工知能」と呼ばれていたものとはまったく違う新しい可能性がそこには潜んでいるように思う。AIが人間を超え、AIがAIを作る社会が出現したときにどういう世の中になるのか、そこまではまだ想像できない。 しかし当面、汎用AIにより多くの職業が不要になる時代に人々はどうやって食べていけばいいのか?という一つのシナリオ(ベーシックインカム制度)が提示されている。それも一つの可能性だろうし、順調にいけばそれしかないのではないかと現時点では思う。けれど、まだまだ予期できない事象により未来が変わるような気も捨てきれない。例えばAIを使った第三国によるテロや戦争。10億人近い人口を抱える超大国で発生するだろう超大量の失業者による飢餓や反乱や制御不能の状態。人智を超えたAIがコンピュータウィルスや人間には読み解けない暗号を作ったらどうなるのか、AI同士のイデオロギーの対立などは発生しないのだろうか、などなど・・・。まだまだ気になることは多い。

『人工知能はなぜ未来を変えるのか』松尾豊・塩野誠



文庫本で買ったのだが、単行本は2014年に出た本であった。
そのせいか内容が少しぼけているような気がしたのだが、それだけこの分野の変化が速いということだ。
AIに関しては、2年前の情報はすでに牧歌的ですらある。

僕自身はAIについて、期待している部分もあるし、心配な部分もある。
一番気になるところは、AIや自動運転車や産業ロボットに仕事を奪われた多くの失業者を支える社会がちゃんとできるのかどうかだ。
自分自身も含めて、日本や、人類が、人間を超えてしまったAI社会でどうサバイバルしていけばいいのか、それが一番の関心事だ。

『1493 世界を変えた大陸間の「交換」』

1493――世界を変えた大陸間の「交換」
チャールズ・C. マン
紀伊國屋書店
2016-02-25


この本は、科学でもあり、歴史でもあり、非常にエキサイティングで面白い。

1492年にコロンブスが大西洋を越えてから、世界にどういう変化が起こり、現在に至っているのかという壮大な物語を、大陸間の生態系が出会った「コロンブス交換」という観点から解き明かしていく。歴史で習った様々な人間の所業も、病原菌や昆虫、動植物たちの大陸を超えた大移動と、見えないところで密接に関わっている(というより、その上に成り立っている)ということに新鮮な驚きを覚える。

以前に読んだ『銃・病原菌・鉄』もそうだったが、家畜の普及や病原菌の伝播ということが人類の歴史に非常に大きな影響を与えている。「生物多様性の維持」ということについても、改めて考えさせられる。

新しい発見や、新しい検証技術の進歩により、歴史観はどんどん刷新されていく。
そこが面白い。

『AIの遺伝子(1)(2)』山田胡瓜






先日、東京事務所のS君とAIの話をしていると友人がAIの漫画を描いているというので早速買ってみた。

一話ずつがちょっとしたエピソードで語られ、小難しいこともなく、いいバランスでまとめられている。それでいて「記憶」ということや「生きる」ということについて考えさせられる面もある。実際にやってくるであろう未来の一つの可能性を見せてくれる。作者は、来るべき社会について、軽く警鐘を鳴らしつつも、基本的にはポジティブであるように思う。基本的に明るい。そこが新鮮でもある。

2巻だったか、大怪我をしたヒューマノイドの彼女が一時的に粗末な仮ボディで過ごす話がある。その粗末な体はうまく喋ることもできず、彼とのコミュニケーションは不自由になるのだが、以前のように喧嘩をすることは減り、お互いに思いやる気持ちも芽生え、二人はこのままでもいいかとさえ思うようになる。
何だかわかる。いいエピソードだ。

ロボットやAIは何でもうまく作れる。が、「一生懸命作りましたというストーリーは作れない」というのも、なるほどと思った。

3巻も楽しみだ。

2015年の断片(今さらですが…)

2015年1月


2015年2月


2015年3月〜5月


2015年6月〜12月

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キムラヒロシ
プラスデザインカンパニー株式会社
代表取締役/ウェブディレクター
東京・大阪を行ったり来たりしながら、 いろいろ考えたり作ったりしています。

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