2008年04月

2008年04月30日 18:42


ツツジ









蔵の前に生けた花は
トサノミツバツツジとモッコウバラ



第2会場のいちばん小さな蔵をご紹介します。

第2正面


この蔵には、ジョン・リンデンの
「イラストレーション・オーティコール」のバラ図と
バラ以外のボタニカルアートを展示しています。

特にヘンダーソンの「ブーケ画」シャクヤク、カーネーション、ユリは
大型で大層美しく迫力があります。
ブリテッシュ・ライブラリーのアートショップでもポストカードになっているとか。
そのほか、いろいろ珍しい図版を即売中ですのでお楽しみに。


第2花の照明



バラにちなんだグッズも
たくさんご紹介しています。



受付台


バラを巡るボタニカルアート展
 ルドゥーテの『バラ図譜』とオールドローズの世界

  2008.4.26(土)〜6.1(日)


4月26日からスタートしています。
会場風景をご覧になってください。




蔵2全景



メインの会場
真ん中の蔵の全景です。


正面にDMに使った『美花選』のバラ
ロサ・ガリカ系‘デュシェス・オルレアン’
両サイドは『バラ図譜』第一版を飾っています。

風のそよぎにもふるえそうな
繊細なバラの花びら・・・


角




テーブル






右のテーブルの上には
稀覯本『バラ図譜』初オクタヴォ版を展示しています。
1824〜26刊、全160図の美しいルドゥーテのバラ図を収載、
高知では初公開です。

今回の展示会は
「J.ジェフリィ プリント ギャラリー」さんに
ご協力いただきました。
高知で、たくさんのルドゥーテを見る機会を与えてくださった
オーナーのジェフリィ ジュンコさんに
心から感謝しています。


2008年04月23日 20:10

顕微鏡







植物学者牧野富太郎先生の
お誕生日が近づきました。

先生は幕末の文久2年(1862)
土佐国佐川村(現高知県高岡郡佐川町)に
生まれました。

生誕の日については諸説あります。
まず、戸籍上は4月22日。
先生自筆の履歴書に4月22日生まれと書いたものが存在します。

しかし、「自叙伝」では何故か
「文久2年4月24日呱々の声を挙げた」と
なっています。
これをもって牧野先生のお誕生日は
4月24日が長く公的とされてきました。
顕彰機関である牧野植物園でも
この日の前後の休日に毎年記念イベントを開催しています。
(今年は4月26日に女優司葉子さんが講演
 「花とたわむれて」13:30〜)

そして、極めつけは
先生の「臍の緒」を入れた包み紙に記された4月26日。

「文久二年壬戌(みずのえいぬ)四月廿六日
 牧野左平世倅(せがれ)
  成太郎
  初髪 ほそのふ
 朝六ツ時 土のへ 寅の日出生」

成太郎は牧野先生の幼名です。
先生が生まれて間もなく、お父さんの左平さんによって
書かれたものと思われます。
これは動かぬ証拠ではないでしょうか。

ちなみに私の誕生日も4月26日。
この日になれば、牧野富太郎先生を
思い出します。

なお、先生の臍の緒は、昭和35年に東大泉のお宅の蔵書の間から
ほこりにまみれて偶然見つかったそうです。



2008年04月20日 21:43


ベッサ2






出品作品の中からご紹介します。

パンクラース・ベッサ
『愛好家のための植物画集』(1836年)
多色刷り点刻銅版
ロサ・ガリカ


パンクラース・ベッサはフランスの植物画家。
ファン・スぺンドンクの弟子で、
のちにルドゥーテに師事します。
師のルドゥーテとともに多数の多色刷り点刻銅版の図譜を
共同製作し、植物画の歴史に名を残しました。


ベッサ1














こちらは、同じくベッサの『愛好家のための植物画集』より
ロサ・ムルティフローラ(ジャパン)
ピンクの八重咲きですが、日本のノイバラを
母種としたものでしょうか。
それとも日本にすでにこんな園芸種が
あったのでしょうか。

「ぼたにか」のロゴマークはノイバラなので
何となく心惹かれます。




2008年04月16日 18:17


「ギャラリーぼたにか」の
次回企画展は

「バラを巡るボタニカルアート展
 ルドゥーテの『バラ図譜』とオールドローズの世界」です。
  2008.4.26(土)〜6.1(日)

美花選








ルドゥーテ『美花選』(1827-33)より


爽やかな5月
かぐわしく香る薔薇の季節に
18・19世紀ヨーロッパの手彩色図譜全盛期に製作された
優美なオールドローズの
図譜の数々をお楽しみいただきます。
ご期待ください。



バラ図譜1バラ図譜2








ルドゥーテ
『バラ図譜』
(1824刊2版)より


左 ガリカ・レガーレス   右 ガリカ・ラティフォーリア

ルドゥーテのほかにも
美しいバラ図がたくさん出品されます。
これからブログで
順次ご紹介したいと思っています。

ギャラリーぼたにか http://www.gallery-botanica.com




2008年04月14日 23:05


昭和9年8月1日、72才の牧野富太郎先生は
ふるさと高知の植物採集講習会に招かれ
20年ぶりに帰省しました。

城東中学校(現追手前高校)講堂で
開会式に引き続き、牧野先生のお話がありました。

その中からちょっと・・・

私は天然を師と仰ぎ、天然という教場で学習しました。
現在も学習中で、未だ卒業もせずにいます。
今と昔はその難易度を異にし
私の10年は今の人の1年にも当たらないでしょう。
皆様の大いに勉強せられんことを望みます。
しかし、本は参考とし、天然の教場で勉強せられんことを
重ねて望みます。

植物を愛する者は一生涯幸福です。
間断なく慰安を受けるので、寂しさを感じるということがない。
たとえ深山幽谷の中に一人いるとしても、
師あり、友人あり、話相手があって退屈する事はありません。
植物学者にならなくても、その人は一生涯極めて幸福であり
気性も快活になり、優雅な人物になるのです。
元来日本人が優雅であるのも、植物より受けた感化が
頗る多いのです。

皆様が採集中不明な植物に接したら、そのまま捨てておかずに
土地の先輩に聞くなり、通信機関を利用して中央の学者の教えを
受けるなりしてその名称を覚えるようにしなければなりません。
趣味は名称を知ることに始まります。
電車に乗った時でも、知らない人ばかりであると
何とも思いませんが、その中に知っている人がいると
何となく愉快であるようなものです。

土佐は天産に富んでいます。
特に植物の種類の豊富なことは他府県に冠絶しています。
こういう点からも土佐は植物研究者の出るべき地です。
土佐へ来れば植物を知っている人が多いというように
ならなければならないのです。
幸い、この会を契機としてこの方面に大いに
研究せられんことを望みます。

この後、参加者130名が記念撮影
梅ヶ辻からバスで長浜方面へ。浜に出て松林の中を採集、
桂浜で坂本龍馬の銅像を仰ぎ、浦戸から巡航船で高知に帰りました。
第2日は横倉山方面、第3日は安芸・室戸方面。3日間で採集会は終了。
その後牧野先生は魚梁瀬、白髪山、佐川、五台山などを訪ね
8月28日、高知を離れました。
(「博物会報」第3号 高知博物学会 昭和10年刊)




ムベ1








ムベ2








土佐和紙工芸村の
バス停近くで
ブロック塀の上に
ムベを這わしているお宅を見つけました。
花が咲いています。

初めて見る珍しいムベの花。
クリーム色でやや大きく
ちょっと予想外の花のかたちでした。


2008年04月13日 06:49


シャクナゲ図




キュー・ガーデンの機関誌
「カーティス・ボタニカル・マガジン」より
W.H.フィッチ画「シャクナゲ図」(石版手彩色)
今、「ぼたにか」に展示中。




このほどキュー・ガーデンに
シャーリー・シャーウッド・ギャラリーが建設され
4月16日に内覧会が行われるそうです。
オープニング展では、シャーウッドのコレクションや
キューのコレクションが展示されるとのこと。

Dr.シャーリー・シャーウッドは
オックスフォード大学で植物学を学び
世界各国のボタニカルアーティストたちの
優れた作品を収集、支援されています。

2006年に日本でも
「シャーリー・シャーウッド・コレクションー
現代植物画の巨匠展」が開催されました。

ちなみにシャーウッド博士は
「オリエント急行」のオーナー夫人でもあり
個人としては世界最大規模の現代植物画コレクションを
形成されている途上です。


2008年04月11日 19:41


斜面








蔵の側の斜面。
いろいろな草木の芽が伸びてきました。


スダレギボウシ




スダレギボウシ。



ムラサキケマン

ムラサキケマンの花


ムサシアブミ


ムサシアブミが
グロテスクな姿を
現しています。




2008年04月08日 20:26


花絵巻













昭和33年に開園した県立牧野植物園が
4月1日に50周年を迎えました。

記念イベント「五台山花絵巻」が
6月30日まで開催されています。

リニューアルされた南園に
伝統園芸植物の庭園が出現し
ニホンサクラソウやハナショウブなどが
植えられているそうです。

県民の思い出がいっぱい詰まった園地。
装いを変えて、これからまた
新しい歴史を刻んでゆくのでしょう。

牧野植物園は、野生の植物の分類を研究された
牧野富太郎先生を顕彰するため
おもに高知県、四国に自生する野生植物を植裁し
自然の美しさを目指してきました。

50年かけて築いてきた他の追随を許さない独自性。
願わくばどうぞ、多くの人々に愛された
いままでの牧野植物園のよさを失うことなく、
次の時代に伝えてほしく思われます。



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