2008年06月
2008年06月09日 22:34
今日は哲臣さんと打ち合わせ。
高知市内でお嬢さんが営む
喫茶店ルノワールにて。
出来上がった詩画展のDMとポスターを
お渡しして四方山話。
帰りにタマネギをいただきました。
80年代に10年近く、随筆(写真付き)を連載していた
華道専正池坊の機関誌「花泉」も沢山お借りしましたので
会場で皆様に見ていただこうと思っています。
哲臣さんの短歌をもう少し
ご紹介しましょう。
やぶかげに鳥にかくれて熟れいたる
びなんかずらは年を越せるや
吾がつるす渋のしぶ柿ようやくに
渋ぬけたれば目白ついばむ
火を振りて鮎こそ獲らめ四万十の
河原に集い酒を呑むため
河童渕さくら咲きたりかっぱども
魚獲りきたれ酒もてきたぞ
手箱山山のぶどうは熟れたれど
熊知らざれば取りいそぐべしよし
ひたすらに押し花なせし償いに
花植えよやと花咲かせやと
2008年06月05日 21:59
次回の企画展は
卒寿記念山脇哲臣詩画展
ー須ゆの晴れ間に
山脇哲臣さんは、元県立牧野植物園長。
草創期に10年の長きにわたり園長を務め
野生植物を収集植栽して自然の美を見せるという
基本方針をたてるなど、園地の基礎を築かれました。
今年の夏、90才を迎えられますが
大変お元気で、天気の良い日は
土佐山に出かけ、所長を務めていた
旧寒蘭センター周辺を造園されています。
今回の催しは、哲臣さんの卒寿を記念し
ますますのご壮健を願って開催するものです。
ヒメアジサイ、ウズアジサイ
ガクアジサイ、ヤマアジサイ・・・
アジサイがたくさん植えられた植物園内は
アジサイの名所として
梅雨時には多くのお客さんが訪れます。
山脇さんはまた、文学にも通じ
随筆などの著書もあります。
その文章は、植物の知識はもちろん、
独自の哲学や宗教観
歴史や、文化論を縦横にめぐらせて
奥深く味わいがあります。
哲臣さんの植物の絵は、洒脱で作意がなく
短歌も自在でのびやかです。
詩画展には約60点を出品予定。
ぜひご覧になってください。
以下は私の好きな歌。
ふるさとは草深くして草なかに
かのこゆり咲く夏のはじめに
野も山も埋めつくしてかんぞうの
咲きわたりては夏の来たれる
もしも吾五月の風になるならば
せんだんの花こぼしつつ吹く
水無月のみづ碧くして大空の
虹をうつせり須ゆの晴れ間に
2008年06月03日 10:36
2008年06月02日 20:48
つやつやした桑の葉
この木には見あたりませんが
初夏に果実がつきます。
もう10年以上も前の話・・・
6月のこと。
ニューヨークのセントラルパークを、朝散歩していると
出勤の途中らしい男の人が、急ぎ足で目の前を通り過ぎながら
青々と繁った桑の枝につと手をのばし、
熟れた実を素早くつまんで口に入れているのを見ました。
その光景は、何故か鮮やかな記憶として
今も残っています。
土佐和紙工芸村に「はた舎」さんという
機織り体験のできる工房があります。
染織作家の山本眞壽さんが主宰されています。
眞壽さんは、桑の木を育て、蚕を飼って
繭から糸を紡ぎ、その糸を草木で染めて織るという、
昔ながらの工程を大切に守りながら
製作をされている作家です。
彼女は先頃、デンマークの王立工芸博物館で
着物の作品展を開催しました。
オープニングにはエリザベス王女(マルグレーテ女王のいとこ)も
出席されたそうです。
18世紀に建てられた工芸館の、古く重厚な空間の中で
眞壽さんが織った着物が、静かに美しさを放っていた様子が
目に浮かびます。