2011年02月
2011年02月12日 18:51
2011年02月01日 19:54
ギャラリーぼたにかの企画展
「フランスのゴブラン織りと小さな小さな置物フェーブ展」
は2月27日(日)まで延長いたします。
大変ご好評いただきましたので
ゴブランとフェーブを追加して
このまま継続して見ていただくことにしました。
先日来られた年配のお客様のお話・・・。
もう50年ほど前のこと、まだ中学生の時に
石井好子さんの「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」
を読まれたそうです。
その中に、フェーブとガレット・デ・ロワのことが
書かれていて、ずっと頭の隅に残っていたといいます。
新聞でフェーブ展があることを知り、どうしても見たくなって
来ました、とのこと。
「フェーブ」とはどんなものだろう、という
50年越しの疑問と憧れを解きほぐすように
長い時間楽しんで帰られました。
さっそく、私もアマゾンで注文。
昭和38年、暮しの手帖社発行のその本は
料理エッセイの名著として立派に現役でした。
すでに47刷。
お客様の思い出のくだりは
以下のところ。
一月に入ると菓子屋の店頭にはギャレットがならぶ。
なにも入っていない、丸い円形のパイで、いっしょに金色に塗った紙でできた
王冠が売られている。
このお菓子は、キリストの誕生を知った三人の博士が、そのことをベツレヘムの民につたえたとき、お菓子屋がお祝いのためにギャレットを焼いて、人々にただで分けたという、いいつたえのあるお菓子だ。
いまその風習が残っているのはフランスだけで、一月六日には皆ギャレットを
たべる。パイだけだからさっぱりと味気ない菓子だ。
この中には小さい小指の先ほどの石造りの人形か動物が入っていて、そこをたべる人はその夜は王様ということになっている。
円形のパイだから、六つか八つに切ってたべるが、パリで楽屋生活をしていたときは、誰かが買ってきて、
「誰が王様かしら」
「王様になったら、なんでも用事をしてくれなくっちゃいやよ」
などと、はしゃぎながら食べたものだ。
石井好子さんが歌う堂々たるシャンソンのように
深くてコクのある食べ物の話が満載です。
お陰でいい本に出会えました。