2011年04月
2011年04月27日 23:11

「ギャラリーぼたにか」の次回企画展は
「江戸の浮世絵と明治大正の木版画展」です。
2011.4.29(金)〜6.5(日)
10:00〜17:00
水曜休み(5月4日は営業)

これらの女人は、高知出身の明治の浮世絵師、
山本昇雲の作品。
彫りも摺りも、最高水準
繊細でたおやかな、匂い立つ浮世絵です。
ぜひ、ご覧になって下さい。
昇雲のほか、初代広重、二代広重、国芳、
国周、延一、宮川春汀など・・・。
そして、新版画は、川瀬巴水、吉田博。
明日からは連休
江戸から明治〜昭和までの、日本が誇る木版芸術を
お楽しみいただければ幸いです。
仁淀川沿いは、まさに今、新緑の季節
黄緑から緑まで、燃えるような新芽の諸相が見られます。
藤の花の色にも、見とれてしまいます。
2011年04月13日 20:42

「ぼたにか」の骨董展も17日の日曜日までとなりました。
今年は、土佐の焼き物、尾戸(おど)焼も
出品しています。
尾戸焼は、承応2年(1653)、土佐藩の藩窯として、
大阪の陶工久野正伯を招聘し、現在の高知市小津町に開窯しました。
二代藩主山内忠義の時です。
茶事が盛んな当時、贈答用の国焼きを作る必要もありました。
正伯は、「扶持に望みはない。四国に焼き物がないなら
作り出してみよう」と、招きに応じたといわれます。
磁器の原料は見いだせませんでしたが、
能茶山から土を採り、淡青やベージュの生地に
独特の細かな貫入の入った茶碗や水指の名品が作られました。
尾戸焼は千変万化、肌の色も違い
鑑定の難しい焼き物です。
画像右の大きなうさぎの置物はひねり物と呼ばれ、
これを得意とする陶工もありました。
画像左の茅葺き屋根の家は葛屋香炉。
尾戸の窯は、文政三年(1820)能茶山(のうさやま)に移り
以後は磁器も焼かれるようになります。
土佐人が「茶山」と略称する、能茶山焼の始まりです。
数は少ないですが、面白味のある尾戸と能茶山を
展示しています。
我が土佐の焼き物を、この機会にぜひご覧になって下さい。
〈追記〉

この尾戸焼の砧徳利(江戸後期)には、北斗七星が描かれています。
文字は「可為却賀」(可と為し却って賀となす)
北斗七星は、天災地変から人々を護り、転じる力があるとされ
平安時代より宮中でも新年に本命星を拝し七回名を唱える行事が行われると聞きました。
今年は、日本に大きな震災が見舞った年、
長く眠っていたこの徳利が、今この時期展示されたことも
文字に込められたある意志のようなものも、
何か不思議な縁に導かれて、目の前に在るのではないか・・・。
蔵の中で眺めていると、そんな風にも思われてきます。