2006年02月

2006年02月21日

昨日はポカポカ陽気でコートを脱いでも汗が出てくる程だったのに、今日は寒くてしっかり婆シャツに靴下2枚重ねでもまだ寒い・・・、そんな気候の繰り返しの今日この頃。寒いのは苦手だから一気に春になってくれればと思いつつ、ちょっと待って!と春にマッタをかけていた、つい先日まで。でも、もう春になってもいいよと、ゴーサイン。何故って、冬物の帽子の納品が終わったからね。でも実際は、もうちょっとだけ、まだ冬物の帽子を被りたくなるような寒い日があって欲しいもの。折角お渡しした帽子、少しだけでも今シーズンも楽しんで欲しいものね。こんな戯言、季節が聞き入れてくれるはずもないのだが、ついついお願いしてしまう。

帽子オーダーのご依頼頂くとき「次の秋冬迄でいいわよ。」と言って頂いても、出来る限りスケジュールを調整してお創りすることにしている。これは私が真面目だからではなく、如何せんセッカチで小心者だからだ。私だったら、欲しいものは「今すぐ」欲しいし、来シーズン欲しいかどうかなんて大きく疑わしい。そんなセッカチな私にとって気の長いご依頼は、ありがたくもあり、また不安でもあるのだ。来シーズン「もういらなくなったわ」などと言われたらどうしよう?とか失礼な事を思ってしまうのだ。全く持って小心者。ドーンと構えていられない。

話は変わるが、先日、東京ビデオフェスティバル2006の授賞式なるものへ行って来た。              http://www.jvc-victor.co.jp/tvf/

私のパートナーであるJ氏の撮ったコマ撮り立体アニメーションが入賞したので、ノコノコおまけのようについて行ったのである。(只今J氏は受賞したアニメーションのセットなどを展示する個展の準備中。ご興味ある方、個展情報はギャラリーのHPをご覧下さいませ。)                     http://www.misuzudo-b.com/

その授賞式のなんと長い事よ!その上、最後まで見届けないと大賞が誰になるのかは分からない。スケジュール通り進んでも5時間たっぷりかかる所、終わったのは更に1時間以上延長した6時間後。

しかしである、司会進行をされていた大林信彦監督の最後の一言は、セッカチな私にトドメを刺した。

進行中、時間が押しているので早めるよう指示したメモを渡されても殆ど無視した事を詫びながらも、「しかしこういう時、私は“巻き”ませんよ。じっくりと時間をかけて受賞者の皆さんの話を引き出しますよ。」と、飄々とおっしゃったのである!さすが、このドーンと構えたスタンスが、素晴らしい作品を生み出すのか〜!!!

ああ、私が「来シーズンまで待っていただく事になりそうですな。じっくり時間をかけて作品の構想を練ろうと思うのだからして。」などとのたまえる程ドーンと構えることが出来るのは、いったい何時の事になるのやら・・・?

 



boushist at 01:28コメント(3)トラックバック(0) 

2006年02月04日

ブレードミシンによる作品人生、自分の意思ではどうにもならないことがあるものだ。

 

自分の置かれた状況の中で、降りかかる事件や危機をかわしながら、人生の流れを読んで、流れに乗って生きるのが賢い生き方と言えるだろう。とは言え、人生の流れに逆流し、渦中に飛び込み、無駄だと思われる悪あがきをするのも、時に必要なことなのかも知れない。例えそれが、自分の意思とは全く関係なかったとしても。その悪あがきの中、自分の身の丈を思い知らされたり、気持ちにケリつけたりすることで、次へのステージに進むための準備が出来るのかもしれない。成瀬巳喜男監督が昭和31年に撮ったモノクロ映画「流れる」を観て、そんな事を思ったりした。

 

それにしても田中絹代演じる芸者置屋の女中のなんと控えめながら光っていることよ。私がもっとずっと若い頃にこの映画を観ていたら、少しは賢く生きる術を身に付けていたかもしれないなぁ、などとちょっと残念な気持ちになったりもした。いや、今からでも遅くはないか・・・! 

 

おっと、今日はこんな難しい話をするつもりは全くなかった。書きたかったのは、最近初めて体験したブレードミシンを使って創った帽子の話だ。

 

ブレードとはリボン状になったもののこと。素材は麻だったりウールだったり化繊だったり。とにかくそのひも状になったブレードをクルクル円状になるように巻いて、隣り合ったブレードの端をひたすら縫い合わせて形を創るのがブレードの帽子。麦わら帽子やストローハットなどもその仲間だ。

 

今回初挑戦したのは、上糸だけでチェーンステッチのように縫えるブレードミシンという特殊なミシンだ。このミシン、ブレードの引っ張り加減ひとつで立体の曲線が決まるのだが、全く持って自分の思い通りに形を創ることができないのである。よっぽどの熟練した職人さんでないと、同じ形状のものは2度とできないであろう。その代わり、自分の意思ではどうにもならない分、思ってもみない面白い形が出来上がることがある。

 

写真に写ったワインカラーをした蟻塚かムーミン谷のミーの頭のような形のものは、実はベレー帽になるはずだった、当初の計画では・・・。生成り色したタコチューか巨大なカマキリの巣のような形のものは、実はセーラーハットになるはずだった・・・。

 

どちらも、最初はあがいてあがいて何度もやり直して、なんとも情けない時間を浪費した。しかし、私の意図とは関係なく、生き物が成長するかのように出来上がっていく形が面白いと感じたとたん、自分の肩の力が抜けて、ちょっとだけではあるがミシンの動きをコントロールすることが出来るようになっのだ。そしてこの際、この不思議な形を面白がって作品にしてしまおう!という事で、とりあえず形にしてみることに。

 

仮装パーティーの衣装になるのか、ランプシェードの笠になるのか、はたまたすっかりお蔵入りになってしまうのか、今後のこの作品たちの行方は未定だが、肩の力を抜くことと流れに身を任せることを教えてくれたブレードミシン。こりゃあ、人生といっしょですなぁ。



boushist at 11:33コメント(1)トラックバック(0) 
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