「やった!」

奥様が大きな歓声を上げる。

してやったり…

そんな雰囲気だ。

単純なロボット。

そんな侮りを感じた。

ていうか、私自身、自分の反応する体が憎らしかった。

感じたくもないモノで、自らが過剰反応するなんて…

 

で、でも…

これって、プログラム外の反応だとすると、一体、私の内部には何が起きているのだろう?

 

「ねえ、ねえ、一寸触れて良い?」

奥様がすりすりと寄り添ってくる。

その目は爛々と光り、唯一点、詰まり、私の下半身の中心に向けられている。

 

見下ろすと、確かに立派なモノが直立している。

非常用事態など、この平和な地球時間*1年に置いて、滅多に起きない。

ロボットによっては、一生、そうした経験も無く、スクラップになるケースも多いと聞く。

だからこそ、非常装置。

なのに…

先ほどに続いて、二回目の作動。

これほどの頻度で作動して果たして大丈夫なのか?

流石に、ロボットの私は、機械の故障にはシビアだ。

故障すれば、予備と替えればよい。

そうした安直な人間とは違うのだ。

 

替える。

詰まり、それでロボットに人生は終了する。

何も故障していないケースも多い。

単純に、使い主が十分にロボットの機能を理解せず、闇雲に無茶をするから故障する。

あるいは、過剰な要求をする。

それで、ロボットがオーバーヒートする。

数え出したらキリがないほど、人間は自分勝手で、横暴…

 

不味い…

否、

オカシイ…

雇い主である人間を公然と批判してはならない。

そうプログラムされているはず。

間違えて、そうした行動に出た場合は、警報がなる。

そんな安全装置が内蔵されているはず。

だが、未反応。

今もだ。

 

やはり、故障?

私の人生もここまでか?