「進化の一番変化を受けやすい過程には二つある」

アダムは続ける。

「環境?」

私は聞く。

「うん、それと生殖…」

アダムは付け加える。

「SEXね?」

「ああ、これって、異種の遺伝子同士が情報を分け与える点で混乱が起きやすいし、子供から大人へと成長する過程でも変化が起きやすい」

アダムはそう語る。

人生。

人間がそう指摘する過程だ。

環境は生きる社会。

そう呼んでも良いのかも。

 

「アダムは実際に、人間社会を経験したのね?」

私は核心に迫る。

「ああ、その通り、人間の名前を騙り、とある街へと侵入した」

アダムはそう告白する。

街。

人間社会は徹底的に破壊されたが、一部は史跡保存の観点から、特殊な存在として幾つかの街が残されていた。

一つには、大都市型。

ここには、ロボットも常駐している。

二つは、カントリー風村。

自然と旧地球時代に呼ばれた植物が多き生育する街。

最後はその中間的な街。

村も街もそれほど数は多くないが、人間によって自主管理されている。

今、私が住んでいるのは大都市。

多分。アダムが投入されたのが、街なのだ。

 

「どうだった?」

私はそう問い質す。

「ん、まあね…」

急にアダムは言葉を濁す。

「好きな人でも出来たの?」

私ははっと閃いて、聞き返す。

「ば、馬鹿な…」

又もや、過剰にアダムが反応する。

「バカって…」

私は反論する。

好きって反応は人間的なもの。

ロボットには無く、人間にあるもの。

それが大きく、社会を動かす力を持つのだ。