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5層錐体細胞の分類〜Mason&Larkman JNS 1990

5層錐体細胞を分類した論文、シリーズ第二弾。
Mason&Larkman JNS 1990

この論文は、Larkman & Masonの続報で、電気生理実験の
結果について報告している。

ラットの視覚野のスライス実験で、形態解析より
2/3層の錐体細胞は1つのクラス、5層の錐体細胞は
thickとslenderの2クラスに分類したので、その分類に
基づいて、電気生理的特性を比較している。


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まず閾値以下の特性について気になった情報を。
1.静止膜電位が2/3層の錐体細胞で有意に低い。
(5層錐体細胞は同じ)

これはin vivoで2/3層の錐体細胞が発火しにくい
ことの一つの要因になっているのか??

discussionでは静止膜電位の違いについてはコメント
していなかった。

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続いて、閾値以上の特性について。
1.活動電位はほぼ同じだが、thickタイプで、
再分極成分が有意に速い。

この結果として、スパイク幅が違ってくる。
juxtaでとらえているスパイク波形にどういう影響を
与えうるかかなり興味アリ。

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2.やはり注目すべきはバースト。
thickタイプしかバーストはしなかったとのこと。
別の言い方をすれば、2/3層の錐体細胞とslenderタイプは
バーストは一切しないらしい。これは他の論文でも
お約束のように出てくる。

ただ、細胞外記録との関係を考えると「バースト」の定義が難しい。。。
スパイク・インターバルだけで定義してしまうと、thickタイプ
以外でもバーストしたと判断してしまうおそれがある。(Figs.4&7)

膜電位込みで定義しないと難しいのか。。。
確かに自分のデータでも、ISIだけに注目してしまうと、
2/3層錐体細胞、slenderタイプでもバーストしていたのでは?
判断してしまう。。。

バースト中はスパイクが幅広になったり振幅が減衰するので、
スパイク波形込みで考えると、細胞内記録で見られるのと
同じ「バースト」かどうか区別できるかもしれない。


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discussionで、slenderタイプの多様性について、ほんの少し
記載があった。

もしかしたら、basal dendriteの多様性が起因しているのかも
しれない。いずれにしてもslenderタイプは反対半球へ投射して
いるので、この多様性は機能的なことを考えても面白いかもしれない。

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ちなみに、この論文も5層錐体細胞の分類の根拠となる
ランドマーク的論文だ。

特にバーストするかどうか、という特徴は、形態を調べなくて
も良いので、分類上の非常に強力な根拠になっていると思う。


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