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5層錐体細胞とオシレーション〜Silva et al. Science 1991〜

5層錐体細胞とオシレーションとの関係を明らかにした論文。
シリーズ第一弾。
Silva et al Science 1991より。

ラットsensorimotor cortexのスライスから5層錐体細胞の
記録を行ったところ、5〜12Hzのリズミックな活動が観察
された。

そして、そのリズミックな活動は、細胞そのものの持つ特性に
よって生成されることがわかった。

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さらに、Mg-freeの環境で、フィールド電位を計測すると、
4−10Hzのオシレーションが観察され、そのオシレーション
には5層が必要かつ十分であることを明らかにした。

以上のことから、NMDA受容体に依存して生じるであろう、
4〜10Hzのオシレーションは、5層のリズミックに活動する
錐体細胞が、5層内部のネットワークで同期的周期的に活動する
ことで発生している可能性を指摘している。

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この論文は今自分が見ているデータといくつか
リンクがあって興味をひかれた。

まず5層のIB細胞の中にリズミックなものがいるということ。
これはin vivoでも自己相関解析から見れているので、
感覚刺激などに寄らずに、バーストするような入力がくると
バーストして勝手にリズムを刻んでいるのかもしれない。

さらに、入力量が増えると発火頻度が上昇し、adaptationは
見せない細胞もいるらしい(Fig1C&D)。これはsustained response
をする細胞種の良い候補になりそうだ。

つまり、sustained responseを起こさせるには、最適刺激
だけでなく、その入力が入る細胞種にも依存する可能性がある
わけだ。

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最後に、この5層錐体細胞はペースメーカーとして働いているのでは?
と言っている。

現在、FS細胞がガンマオシレーション発生の鍵を握るペース
メーカー(?)と考えられているわけで、この論文で見ている
4−10Hz(α波あたり)の場合は、このリズミックな
5層のIB細胞が鍵を握るということになりそうだ。

しかも、そのあたりの比較的遅い(けどデルタより速い)オシレ
ーションは、ガンマのようなローカルなものとは違って、もう
少しグローバルなネットワークが絡むと考えられているので、
ストーリーとしてぴったりはまるかもしれない。

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この話がその後、どう発展したか、しっかりフォローしないと
いけない。

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