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細胞種の分類〜McCormick et al. 1985〜

神経細胞の分類をした論文、シリーズ第一弾。
McCormick et al, JNP 1985より。

今や超有名人のMcCormickとConnorsが、Prince研で
行った極めて先駆的研究。

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guinea pigのsensorimotorとanterior cingulate cortex
からのスライスを使って、電気生理実験を行い、細胞種を
大きく3つに分類している。

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regular spiking細胞の特徴は、
1.AHP
2.adaptation
3.抑制性入力
4.1層を除くすべての層にある錐体細胞

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bursting細胞の特徴は、
1.バースト(3〜5発)
2.AHP
3.バースト生成の文脈依存性(Fig.3A)
4.4層と5層上部に存在する錐体細胞

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fast spiking細胞の特徴は、
1.短時間で終わるスパイク
2.ほとんど示さないadaptation
3.2〜6層に存在
4.形態の多様性

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GADの染色で得られる形態とfast spiking細胞の
形態が似ていることから、fast spiking細胞は
GABA性の細胞ではないか、と考察している。

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上に述べたことは。今となっては「常識」の
ようになっているが、この研究でそれなりの
根拠を持ってfast spiking細胞がGABA性
ではないかと提唱したことがポイント。

この研究が発端となって、細胞種の多様性の
話が発展しているのではないかと思う。

それくらい先駆的研究だ。

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in vivo細胞外記録との関連で興味を引くのはFig7。
fast-spikingと他の2種類の細胞種のスパイク波形を
比較している。

活動電位の1次導関数が、両者を区別するのに
もっとも良いと言っている。

細胞外記録ではこの1次導関数に近い波形として
スパイクが記録できるわけなので、細胞外記録で
interneuronかそうでないかを見分ける強力な
根拠になる(もっと昔にでたマウントキャッスルの
論文もよく根拠にされる)

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ただし、問題は2点。
まず、GAD染色は独立に行っているので、fast-spiking
細胞が本当にGAD陽性かどうかという点については、
この論文だけでは、若干証拠不足な印象だ。
(この当時は蛍光二重染色はできなかったのだろうか?)

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それから、この時点ではregular spikingとbusting細胞は
形態的に分類不能だと言っている。
実はこの点は非常に重要だと思っている。

Amitaiの論文では、同じ研究室からの論文ということで、
「5b層を解析した」と言っているが、Larkmanの論文との
矛盾点もある。この錐体細胞の形態と発火特性との関係
についてはしっかりとしたコンセンサスはあるのだろうか?

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いずれにしても、電気生理・形態・遺伝子発現を調べ、
錐体細胞とGABA性細胞を分類するという、一連の研究の
発端となった研究であるのは間違いない。

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