多様性ネタ、ランダム変数、ポスター、開幕

多様性ネタ
昨日と今日、目を通した細胞種多様性関連の論文を二つ。
Single-Cell Microarray Analysis in Hippocampus CA1: Demonstration and Validation of Cellular Heterogeneity
3年以上前にJNSに掲載されているが、ごく最近その存在を知った。(勉強不足を露呈・・・)

この論文は、海馬CA1のスライスを使って、まずレーザーキャプチャーという方法を使って、細胞を一個一個サンプルしてきている。そして、その細胞のmRNAを増幅してマイクロアレーでスクリーニングし、単一細胞レベルで遺伝子発現プロファイルを調べている。

12個の細胞について調べたら、1個PV陽性のインターニューロンも含まれていたそうだ。

スクリーニング結果の検証として、PV陽性細胞に焦点を絞って、PVと他の候補遺伝子のin situをやっている。

さらに、スクリーニングの結果から、錐体細胞の多様性も見えてきたということで、これまた単一細胞レベルで定量的なRT−PCRをやっている。その結果、調べた2つの遺伝子については、サンプルした10個の錐体細胞間で、結構違うというデータをトドメとして示している。

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なかなかすごい方法のオンパレードだが、発火特性なり、細胞形態などと組み合わせて解析していれば、もっともっとインパクトのある仕事になっていたはず。

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Mouse cortical inhibitory neuron type that coexpresses somatostatin and calretinin
Journal of Comparative Neurologyからで、Callaway研の研究。

ラットでは、カルレチニン(CR)とソマトスタチン(SST)を発現しているインターニューロンは、全くオーバーラップがないことが知られているのだが、マウスになるとそうではないという話。

つまり、一部のインターニューロンは、CRとSSTを共発現していて、2/3層に多く存在するらしい。

SST陽性で、CR陽性かCR陰性細胞の共通点・相違点だが、
1.形態は共にマルチノッティ細胞に分類される
2.CR陽性は樹状突起のハリがより広く、CR陰性は広くない(図5〜7)
3.CR陰性の活動電位はより幅狭で、AHP成分が短い(図8と表3)
らしい。

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確か、他のインターニューロンについてもラットとマウスでの種間の違いがあったと思うから、ラットの知見をマウスへ適応するにはちょっと危険だということになる。ましてや、齧歯類のスライス実験の知見を霊長類などに応用するとすると、disasterになりそうな気も・・・。

それにしても、Callawayは、イメージングやgeneticsといった派手な方法だけでなく、一見地味にも思える方法も使いながら、局所回路の機能と構造を結びつけようとしていて、ホントに尊敬に値する。

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しつこいくらいに多様性ネタ。
人気ブログランキングで、常に上位にいるとある昆虫研究者のメモこの記事で知った
Estimating the diversity of dinosaurs
というPNASの論文。恐竜の多様性を定量していて、どんな方法を使っているか読んでみたら、abundance-based coverage estimatorという方法を使っていた。

他に多様性の定量については、同じくPNASに掲載された
Effects of sampling standardization on estimates of Phanerozoic marine diversification
がよく引用されているようだ。方法は上の論文とは違う。



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ランダム変数
Nonlinear Interaction between Shunting and Adaptation Controls a Switch between Integration and Coincidence Detection in Pyramidal Neurons
新着のJNSに載っていたSejnowski研からの話。
シナプス入力が多いhigh conductance stateでは、AHP成分ではなく、M電流成分が上昇して、結果として、入力から出力へのモードが、coincidence detectionモードに切り替わっていそうだ、という話。

これだとなんだかわからないかもしれないので、次のフローチャートを。
バックグランドの入力が上昇

膜抵抗が下がってshunting状態に

スパイク閾値上昇

M電流成分が上昇(AHP成分はそのまま、連続発火のadaptationは最小)

短い刺激に対するスパイクタイミングが精確に。
さらに、大きい入力が来た時だけスパイクを出すようになる。

という「風が吹けば桶屋が儲かる」ようなストーリーが成立してしまうそうだ。

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新しいことは、M成分とAHP成分の役割を区別できたことだろう。ちなみに、この論文では、phase plane analysisという、ランダム変数を軸にとって、システムの挙動を解析する方法を採用している。

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もう一つランダム変数について。
今日、ハンの統計の授業があった。前半は、条件付き確率の復習をかなりわかりやすくやってくれて、後半は、probability spaceの次のトピックであるランダム変数について、基本的なことを話してくれた。

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ポスター
今日はイラストレーターを使ってひたすらポスター作り。文章部分も含め、アウトラインがほぼ固まって、7〜8割方完成しただろうか?問題は結論(discussion)をどうするか・・・。

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開幕
今日からいよいよ今シーズンのNFL(アメフト)が開幕する。
開幕戦は、昨シーズンのチャンピオン、ピッツバーグ・スティーラーズが登場する。

残りの試合は日曜日と月曜日に組まれている。つまり、今日の開幕戦は特別扱い。

NFLは試合数が少ないだけに、一試合の重みが野球とは全然違って、見応えがある。

応援しているNYジャイアンツ、プレシーズンの試合は全勝して良い感じ。今年は、プレーオフだけでなく、もっと先まで進んでくれるだろうか?

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