November 17, 2006
ノード特性とサブネットワーク
局所回路のノード特性
新着JNSより
Neural Coding by Two Classes of Principal Cells in the Mouse Piriform Cortex
Norimitsu Suzuki and John M. Bekkers
J. Neurosci. 2006;26 11938-11947
http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/26/46/11938?etoc
個人的にはこの手の研究は大好き。この論文では、マウスPiriform Cortexの2層に存在する二種類のprincipal neuronsの電気生理特性を解析している。
---
解剖学的な予備知識
Piriform cortexは、
嗅覚上皮(olfactory epithelium)の嗅覚受容体
↓
嗅球(main olfactory bulb)
↓
Piriform cortex
という嗅覚経路上の位置にあたる。その2層というのは、入力層になる。
そこには、superficial pyramidal(SP)細胞とsemilunar(SL)細胞の二種類の細胞が存在しているらしい。その二つの細胞の形態学的な違いはbasal dendrite。SLにはbasal dendriteがなく、歯状回の顆粒細胞に似ている。
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電気生理的には何が違う?
SP細胞では、促進的なシナプス応答を示し、バースト状の発火パターンを示す。一方、SL細胞は促進的なシナプス応答は示さず、バーストもしないリズミックな規則正しい発火パターンを示す。
バースト発火と関連して、嗅球からの入力の強さに寄ってどのような出力を出しそうかも調べている。SP細胞は40Hz以上の高頻度で発火し、SL細胞は40Hz以下で発火する傾向があるそうだ。
歴史的にSL細胞は無視されている傾向があるそうだが、このSLとSP細胞の性質の違いに注目して、嗅覚情報処理を考える必要があるのではないか?ということを謳っている。
嗅覚研究は非常に盛んな割に、この手の仕事もまだ終わっていなかったようで、ちょっと意外だった。
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局所回路のサブネットワーク
Nature Neuroscienceより
Cortical feed-forward networks for binding different streams of sensory information
Björn M Kampa, Johannes J Letzkus & Greg J Stuart
Published online: 12 November 2006 | doi:10.1038/nn1798
summary
Stuart研から。神経科学者SNSのコミュニティーの投稿で知った。この仕事は、SfNでStuart自ら発表していて、シンプルできれいなデータだなと感心した内容だったが、まさかNature Neuroscienceにアクセプトされていたとは。。。こちらのエントリーでホンの少し紹介してます。
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この論文では、2/3層から5層への特徴的なサブネットワークを探そう、というモチベーションで研究をしている。ラット体制感覚野における2/3層錐体細胞から5層錐体細胞への電気生理的な結合パターンをトリプルパッチで調べている。
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結果はいたってシンプル。
次のようなサブネットワークが「ランダムネットワーク」より多く存在しているらしい。
△ 2/3層
↓ ↓
△←→△ 5層
----------------------------------
△ △ 2/3層
↓ ↓
△ 5層
(環境によって矢印などがずれてたらすみません。。。)
2/3層のばらけた情報を5層で集約・統合・"binding"しているのではないか?という解釈をしている。
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補足的な細かいことをたくさん
同一層でのダブルパッチは、100um以内でやっている。極近傍のペアということになりそうだ。ちなみに、このレンジで調べる限り、距離に依存して傾向が変化することはなさそうだとのこと。
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5層錐体細胞といっても"deeper"と言っているので、5b層になりそう。ターゲットの錐体細胞はthick tuftedと言っているので、IBタイプとなりそう。関連エントリーはこちら、こちら、こちらあたりにあり。
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この手のサブネットワーク解析、「ランダムネットワーク」にどのようなランダムネットワークを用意するかで、統計的有意性ががわっと変わることがある。この論文では、一番拘束条件の弱いランダムネットワークを用意しているようだ。というのは、想定される4つのシナリオからそれぞれ計算した2/3層から5層への結合確率を平均して比較しているだけで、特に込み入った計算はしていないようだから。
確かChklovskii研の論文の場合、もう少し拘束条件をきつくして、paired connectionの数は一定なランダムネットワークを使っていた気がする。どうだったか?
といってもこれは細かいテクニカルな指摘で、この論文の結果は変わりそうにない。
---
さて、vivoでの研究にどう結びつけるか?in vivo whole cellのトリプルパッチを1時間くらいホールドして、たくさん感覚刺激を呈示できれば、そりゃ良いけど、もっと簡単な実験でこの知見を応用させたいところ。
新着JNSより
Neural Coding by Two Classes of Principal Cells in the Mouse Piriform Cortex
Norimitsu Suzuki and John M. Bekkers
J. Neurosci. 2006;26 11938-11947
http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/26/46/11938?etoc
個人的にはこの手の研究は大好き。この論文では、マウスPiriform Cortexの2層に存在する二種類のprincipal neuronsの電気生理特性を解析している。
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解剖学的な予備知識
Piriform cortexは、
嗅覚上皮(olfactory epithelium)の嗅覚受容体
↓
嗅球(main olfactory bulb)
↓
Piriform cortex
という嗅覚経路上の位置にあたる。その2層というのは、入力層になる。
そこには、superficial pyramidal(SP)細胞とsemilunar(SL)細胞の二種類の細胞が存在しているらしい。その二つの細胞の形態学的な違いはbasal dendrite。SLにはbasal dendriteがなく、歯状回の顆粒細胞に似ている。
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電気生理的には何が違う?
SP細胞では、促進的なシナプス応答を示し、バースト状の発火パターンを示す。一方、SL細胞は促進的なシナプス応答は示さず、バーストもしないリズミックな規則正しい発火パターンを示す。
バースト発火と関連して、嗅球からの入力の強さに寄ってどのような出力を出しそうかも調べている。SP細胞は40Hz以上の高頻度で発火し、SL細胞は40Hz以下で発火する傾向があるそうだ。
歴史的にSL細胞は無視されている傾向があるそうだが、このSLとSP細胞の性質の違いに注目して、嗅覚情報処理を考える必要があるのではないか?ということを謳っている。
嗅覚研究は非常に盛んな割に、この手の仕事もまだ終わっていなかったようで、ちょっと意外だった。
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局所回路のサブネットワーク
Nature Neuroscienceより
Cortical feed-forward networks for binding different streams of sensory information
Björn M Kampa, Johannes J Letzkus & Greg J Stuart
Published online: 12 November 2006 | doi:10.1038/nn1798
summary
Stuart研から。神経科学者SNSのコミュニティーの投稿で知った。この仕事は、SfNでStuart自ら発表していて、シンプルできれいなデータだなと感心した内容だったが、まさかNature Neuroscienceにアクセプトされていたとは。。。こちらのエントリーでホンの少し紹介してます。
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この論文では、2/3層から5層への特徴的なサブネットワークを探そう、というモチベーションで研究をしている。ラット体制感覚野における2/3層錐体細胞から5層錐体細胞への電気生理的な結合パターンをトリプルパッチで調べている。
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結果はいたってシンプル。
次のようなサブネットワークが「ランダムネットワーク」より多く存在しているらしい。
△ 2/3層
↓ ↓
△←→△ 5層
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△ △ 2/3層
↓ ↓
△ 5層
(環境によって矢印などがずれてたらすみません。。。)
2/3層のばらけた情報を5層で集約・統合・"binding"しているのではないか?という解釈をしている。
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補足的な細かいことをたくさん
同一層でのダブルパッチは、100um以内でやっている。極近傍のペアということになりそうだ。ちなみに、このレンジで調べる限り、距離に依存して傾向が変化することはなさそうだとのこと。
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5層錐体細胞といっても"deeper"と言っているので、5b層になりそう。ターゲットの錐体細胞はthick tuftedと言っているので、IBタイプとなりそう。関連エントリーはこちら、こちら、こちらあたりにあり。
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この手のサブネットワーク解析、「ランダムネットワーク」にどのようなランダムネットワークを用意するかで、統計的有意性ががわっと変わることがある。この論文では、一番拘束条件の弱いランダムネットワークを用意しているようだ。というのは、想定される4つのシナリオからそれぞれ計算した2/3層から5層への結合確率を平均して比較しているだけで、特に込み入った計算はしていないようだから。
確かChklovskii研の論文の場合、もう少し拘束条件をきつくして、paired connectionの数は一定なランダムネットワークを使っていた気がする。どうだったか?
といってもこれは細かいテクニカルな指摘で、この論文の結果は変わりそうにない。
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さて、vivoでの研究にどう結びつけるか?in vivo whole cellのトリプルパッチを1時間くらいホールドして、たくさん感覚刺激を呈示できれば、そりゃ良いけど、もっと簡単な実験でこの知見を応用させたいところ。



