November 22, 2006
視床から皮質、皮質内のネットワーク
PLos Biologyより
Interdigitated Paralemniscal and Lemniscal Pathways in the Mouse Barrel Cortex
Ingrid Bureau, Francisca von Saint Paul, Karel Svoboda
Screen PDF
Svoboda研から。超重要論文。
ネズミ(マウス)の脳には、ヒゲの情報を伝えるVPMとPOmと呼ばれる二つの視床がある。この論文では、その二つの視床からバレル皮質への機能的な結合をケージ・グルタミン酸とレーザー光刺激の系を使って解析している。さらに、皮質内のネットワークも解析している。
---
その結果、
VPM→L4/5B/6A→L3
POm→L5A→L2
という二つの経路が形成されていることを明らかにしている。これはマカクザルで有名なMとPの経路を彷彿とさせる。
まとめの図は、図9である。
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実は、この二つの経路がバレル皮質内にありそうだということは、解剖のデータなどをもとに前から言われてはいたようだ。だが、機能的なネットワークとして、しっかり明らかにした点が新しい。
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この研究で最も驚きは、5B層の錐体細胞のほとんど(perhaps allと言い切っている)が、VPMからの入力を受けているという事実。
先日紹介したStuartのサブネットワークの話ではないが、教科書的には、視床→4層/6層→2/3層→5層という情報の流れをイメージしてしまう。が、実際、それは偏ったシンプルすぎる見方というわけだ。
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もう一つこの論文の重要なポイントは、2層を機能的に定義できていること。5A層からだけでなく、3層から2層への入力がバレルをまたいであるそうだ。2層は二つの経路、バレル同士の統合的な役割を果たしていることになる。
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また一方で、2層、3層の錐体細胞は5層へ情報を送っている。Stuart研の論文のようなサブネットワークがある。つまり、5B層の錐体細胞では、情報が「ごちゃ混ぜ状態」である。さらに、その5層錐体細胞同士でサブネットワークを作って、視床や2/3層へ情報を戻していたりする。
---
いくつものサブネットワークが複雑に絡み合っている。が、もつれ合ったサブネットワークのブロックが少しずつわかってきた気もしないでもない。
が、一方で、GABA作動性介在ニューロンという、もっともっとやっかいな役者もいる。
ネズミのヒゲを一本軽く刺激したら、視床と皮質のネットワーク、脳全体でどんなことが起こっていくのか。。。まだ自分の頭では想像できない。。。
ブザキ先生の教科書で引用されているフレーズを、思わず拝借したくなった。
If the brain were simple enough for us to understand it,
we would be too simple to understand it.
(Ken Hill)
Interdigitated Paralemniscal and Lemniscal Pathways in the Mouse Barrel Cortex
Ingrid Bureau, Francisca von Saint Paul, Karel Svoboda
Screen PDF
Svoboda研から。超重要論文。
ネズミ(マウス)の脳には、ヒゲの情報を伝えるVPMとPOmと呼ばれる二つの視床がある。この論文では、その二つの視床からバレル皮質への機能的な結合をケージ・グルタミン酸とレーザー光刺激の系を使って解析している。さらに、皮質内のネットワークも解析している。
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その結果、
VPM→L4/5B/6A→L3
POm→L5A→L2
という二つの経路が形成されていることを明らかにしている。これはマカクザルで有名なMとPの経路を彷彿とさせる。
まとめの図は、図9である。
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実は、この二つの経路がバレル皮質内にありそうだということは、解剖のデータなどをもとに前から言われてはいたようだ。だが、機能的なネットワークとして、しっかり明らかにした点が新しい。
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この研究で最も驚きは、5B層の錐体細胞のほとんど(perhaps allと言い切っている)が、VPMからの入力を受けているという事実。
先日紹介したStuartのサブネットワークの話ではないが、教科書的には、視床→4層/6層→2/3層→5層という情報の流れをイメージしてしまう。が、実際、それは偏ったシンプルすぎる見方というわけだ。
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もう一つこの論文の重要なポイントは、2層を機能的に定義できていること。5A層からだけでなく、3層から2層への入力がバレルをまたいであるそうだ。2層は二つの経路、バレル同士の統合的な役割を果たしていることになる。
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また一方で、2層、3層の錐体細胞は5層へ情報を送っている。Stuart研の論文のようなサブネットワークがある。つまり、5B層の錐体細胞では、情報が「ごちゃ混ぜ状態」である。さらに、その5層錐体細胞同士でサブネットワークを作って、視床や2/3層へ情報を戻していたりする。
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いくつものサブネットワークが複雑に絡み合っている。が、もつれ合ったサブネットワークのブロックが少しずつわかってきた気もしないでもない。
が、一方で、GABA作動性介在ニューロンという、もっともっとやっかいな役者もいる。
ネズミのヒゲを一本軽く刺激したら、視床と皮質のネットワーク、脳全体でどんなことが起こっていくのか。。。まだ自分の頭では想像できない。。。
ブザキ先生の教科書で引用されているフレーズを、思わず拝借したくなった。
If the brain were simple enough for us to understand it,
we would be too simple to understand it.
(Ken Hill)



