長距離の抑制結合 其の弐、by chance

長距離の抑制結合〜Fabri & Manzoni, 1996〜
先日のエントリーで紹介したように、ラット視覚野には、長距離・抑制細胞、ギャバGABAを伝達物質として持ち距離の離れたところ(例えば、0.5mm以上)に出力繊維を送っている細胞、がいることがわかった。

では、他の場所にもそのような細胞がいるのだろうか?

ここで紹介する論文は、前回紹介した論文とほぼ同じ戦略で体制感覚野周辺の長距離・抑制細胞を見つけている。

Neuroscience. 1996 May;72(2):435-48. 
Glutamate decarboxylase immunoreactivity in corticocortical projecting neurons of rat somatic sensory cortex.
Fabri M, Manzoni T.

ラットを対象に研究している。

逆行性トレーサーには、WGAapoHRP-Auというトレーサーを使っている。トレーサーというのは、ニューロンの入力先、出力先を「トレース(足跡をたどる)」できる物質だから、トレーサーと呼ぶ。「逆行性」というのは、出力先から細胞本体をトレースできるから、そう呼ぶ。

その逆行性トレーサーを注入したのは、一次体制感覚野。抑制細胞かどうかの判定には、やはりGADに対する抗体染色を行っている。

つまり、領野を超えてその一次体制感覚野へ出力繊維を送っている抑制細胞がいないか調べている。

その結果、少なくとも、二次体制感覚野と島皮質(論文ではparietoventral areaとある)から抑制性の入力が届いていることがわかった。

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長距離の抑制結合〜Fabri & Manzoni, 2004〜
では、長距離・抑制細胞は右脳と左脳を結んでいたりもするのだろうか?

Neuroscience. 2004;123(2):557-66.  Links
Glutamic acid decarboxylase immunoreactivity in callosal projecting neurons of cat and rat somatic sensory areas.
Fabri M, Manzoni T.

という論文によると、実際、そのような抑制性細胞がいるようだ。
この論文では、ラットとネコを対象に研究している。

方法は上の論文と全く同じで、トレーサーを注入した反対半球で、長距離・抑制細胞を見つけている。ラット・ネコ共に見つかったそうだ。


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Cortical motifsはby chance
アルフォンソがいち早く見つけて、ラボのみんなで「おぉ、でたか〜」と言った論文。

Neuron, Vol 53, 413-425, 01 February 2007
Stochastic Emergence of Repeating Cortical Motifs in Spontaneous Membrane Potential Fluctuations In Vivo
Alik Mokeichev, Michael Okun, Omri Barak, Yonatan Katz, Ohad Ben-Shahar, and Ilan Lampl

ごく簡単に。

Science. 2004 Apr 23;304(5670):559-64. 
Synfire chains and cortical songs: temporal modules of cortical activity.
Ikegaya Y, Aaron G, Cossart R, Aronov D, Lampl I, Ferster D, Yuste R.
という論文の図1で報告しているような膜電位のゆらぎが、音楽のモチーフのように繰り返されるcortical motif。

実は、確率的な変動として説明でき、わざわざネットワークレベルの現象を持ち出す必要はなさそうだ、ということを主張しているようだ。

実は、Ilan Lamplという人、両方の論文に絡んでいる。。。おそろしや。。。
しっかり読み込みたいので、詳細はそのうち。(いつ??)

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依然寒いです
今朝、車のところへ行ったら、雪がうっすら積もっていた。ということで、ちょっと雪かきをして出勤。道には積もってなくて、運転には支障はなかった。so far, so good...

マウスと過ごす研究
午前中、アーターが来たら、大声を上げた。

なんと、マウスがトラップされていた!

一週間前に、マウスの糞らしきものを発見し、アーターが「ねずみ取り」を仕掛けていた。そして、ついに今朝トラップされた。実験室ではなく、オフィスで。。。

もちろん、自分たちの研究室ではマウスではなくラットを対象にしている。

さて、どこから来たか、そのマウス。

一部のうわさでは、隣のラボが一時KOマウスの実験をしていたから、そこから一部脱走したのでは?という話も。。。

ゲットできず
実は今日から今シーズンのヤンキース戦チケットが発売された。なので、10時から研究をサボって、トライ。もちろんお目当てはレッドソックス戦か、サブウェーシリーズ。

が、そんなに甘くなかった。。。1時間くらいトライしたけど、すべてsold out状態に。。。

やはり、そういう試合は事前に行われていた、シーズンチケット販売か、抱き合わせ販売でないと取れないようだ。

ということで、松坂対松井はテレビ観戦になりそう。。。

ちなみに、マリナーズ戦は全く人気がないので、取り放題のようだ。日本人にとってはありがたい話。

研究は?
今日もひたすら解析。また進んだようで、進まず。

午後は、ケン主催のクラス。今日のテーマは「バクテリアの哲学」。