感覚野の層と機能〜層で違う学習能力 Diamond et al., Science 1994〜

このシリーズでは、感覚野の層とその機能、という観点で研究した論文を解説中です。過去には、ネコ一次視覚野ラットバレル皮質のシリーズをやってます。

今回紹介する論文は10年以上前の研究。
可塑的変化、層によっておき方が違う、ことを示した

Science. 1994 Sep 23;265(5180):1885-8.  
Laminar comparison of somatosensory cortical plasticity.
Diamond ME, Huang W, Ebner FF.

という論文。

何をやった?
ラットのヒゲを二本だけ残して、残りを切ってしまう。そして、翌日にバレル皮質から神経応答を調べて、ヒゲを切ったことによる可塑的変化がどの層で観察されるかを調べている。(神経生理実験はウレタン麻酔下で行い、細胞外記録に基づいて深さを判断

何がわかった?
4層では、変化は見れなかったが、その上下の層、つまり、2/3層、5/6層で可塑的変化が見れることがわかった。

ヒゲを切っていない場合は、一本のヒゲにだけ良く反応するところ、ヒゲを切ると、残しておいたヒゲに対しても反応性が見れるようになった。

2/3層細胞は94%、5/6層細胞は65%もの細胞がそのような特徴を示したそうだ。

何を学ぶ?
層によって可塑的変化の起こり方が違う、ということ。個人的には、2/3層と5/6層間の違いに注目したい。特に2/3層の細胞のほとんどが可塑的変化を起こせたことに注目したい。これはかなり面白い。

ちなみに、

Nature. 2004 May 6;429(6987):67-71. 
Naturalistic experience transforms sensory maps in the adult cortex of caged animals.
Polley DB, Kvasnak E, Frostig RD.

という割と最近の研究でも、イメージングを使って同様の傾向を見ているようだ。つまり、4層でなく、2/3層で可塑的変化が起こっている。2/3層は可塑的変化を起こしやすいことは確かなようだ。

Science. 2005 Nov 4;310(5749):810-5.
Map plasticity in somatosensory cortex.
Feldman DE, Brecht M.
は、総説。