April 02, 2007
感覚情報を伝える回路のでき方
感覚情報の流れは、教科書的には、感覚器→視床→大脳新皮質と大まかには言える。
さらに、視床から大脳新皮質への流れを細かくみると、視床のニューロン(TC細胞)は、大脳新皮質4層の興奮性細胞(SC細胞)と抑制性細胞の一種(FS細胞)へ主な出力を送っている。
さらに、FS細胞はSC細胞へ抑制性の出力を送っている。
図にすると、
SC←FS
↑ ↑
TC
という三角関係がある。(↑:興奮性、↑:抑制性)
では、その三角関係はいつ形成されるのだろうか?
Nat Neurosci. 2007 Apr;10(4):453-61. Epub 2007 Mar 11.
Coordinated developmental recruitment of latent fast spiking interneurons in layer IV barrel cortex.
Daw MI, Ashby MC, Isaac JT.
という論文によると、少なくともマウスの体性感覚野では、生後1週間前後の時期に劇的な変化が起こって、この三角関係が形成されていくようだ。
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どんな変化が起こるかというと、
1.TC細胞からFS細胞への入力が強くなる。
2.FS細胞からSC細胞への入力が強くなり、かつ過分極性の抑制性入力になる。
という変化。
まず生後3〜5日では、主にTC細胞からSC細胞への結合が主で、FS細胞からSC細胞への入力は弱い。しかも、脱分極を起こす。
(ただ、この脱分極成分はTC細胞からSC細胞への入力に対して微々たるもの)
そして、生後6,7日で、上述の劇的な変化が起こる。
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何を学ぶ?
News and Viewsが非常にわかりやすく良い。
これによると、生後間もない頃はSC細胞が「時間窓」を広く取って、発達に伴う可塑性を起こしやすくしているのかも、とある。
発達に伴うSTDPの時間窓の変化なんか見ると面白いかもしれない。
それから、生後3〜5日頃までは、可能性のある入力をできるだけ広く集められるように回路に幅を持たせ、その後は、FS細胞の効果を利用して、回路を整えているのかもしれない。
その時期のFS細胞からSC細胞への「興奮性」の情報、感覚情報とは独立な何かをするためのものなのかもしれない。
このあたりの可能性は排除できているのかは不明。
スライス実験でin vivo並の自発活動を起こせるといろいろ調べられそうだが、実験の難しさという壁が立ちはだかっていそうな気がする。やはり、in vivoの実験系の登場か?
とにかく、こういうネットワークレベルの発生の話というのは、機能にも直結してホントに面白い。



